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日本が映画ロケの誘致に苦戦する理由

日本が映画ロケの誘致に苦戦する理由

公開後の経済効果が大きい映画撮影のロケの誘致は世界各国で行われています。日本も誘致に取り組んでいますが、現状は他の海外勢に比べて苦戦しているということです。6月25日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、CBCアナウンサーの光山雄一朗、山本衿奈、つボイノリオがこの話題について深掘りしました。

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ロケの誘致の経済効果は莫大

映画ロケの撮影の誘致は経済的効果が大きいとされています。

一つは直接的な効果です。
多くの撮影陣が日本で移動し宿泊をするため、多額の経済効果が見込まれます。
さらに国際的な映画やドラマの撮影となるとより多くの人数が映画に関わることが期待でき流ということです。

もう一つは間接的効果に当たるロケツーリズム。
映画やドラマが公開された後に、ファンが撮影地に実際に訪れる聖地巡礼での経済効果も大きいとされています。

映画『ロード・オブ・ザ・リング』が撮影されたニュージーランドの政府の調査によると、ニュージーランドに訪れた海外観光客のうち18%が『ロード・オブ・ザ・リング』がきっかけで訪れたということです。

誘致に苦戦中の日本では補助金を創設するなど、これからの巻き返しにあたっています。
2023年度の補正予算で、1作品あたり最大10億円の補助金を創設しました。

各国も制作費の一部を補助する制度を設けて撮影陣を呼び込んでおり、タイは最大で30%の補助金を出すなどの取り組みを行っています。

日本が誘致に苦戦している理由

日本が他国に比べて誘致に苦戦しているのは、補助金の制度のあり方と撮影の認可の取り方がハードルになっているためです。

日本の補助金制度は単年度予算のため、次年度以降の補助の補償がありません。
そのため製作陣からすると、今年度の補助金が出ても撮影が2年以上かかる場合に来年度予算が出る保証がありません。

また、許認可警察署ごとに届出が必要で、許可の取り方が複雑な分、撮影のハードルになってしまっています。

今後は撮影陣にこの不利な点を補えるほどの魅力的な制度を作るのか、ルール自体を変えるのか、政府の動きに注目です。

課題はまだまだありそう

10億円という金額の大きさに驚くつボイ。

つボイ「映画が当たらん時は、持ってかれ損になってしまうような気もしますけどねえ」

作品の出来具合によって補助する金額を変えなければ、補助金の額が経済効果の額を上回ってしまうのではないかと危惧しました。
「最大で」10億円のため、どういう基準でどんな金額になるかは今後明らかになりそうです。

また、日本で誘致が成功したとしても、撮影希望場所が名所になることが多々あります。
名所に集中するとオーバーツーリズムの問題もあるため、地元民の理解がどこまで進んでいくかという点でも課題になりそうです。

ロケ誘致に苦戦している日本。
山積みの課題をどう対処していくのでしょうか?
(ランチョンマット先輩)
 

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