SNSで大バズりの「海老ワンタン麺」!?大衆町中華が大行列店に!大将が感動した思い出の味とは
ホクホクの炒飯に、アツアツの麻婆豆腐。足しげく通い詰めたくなる、どこか懐かしい味わいを楽しめるのが大衆中華料理店「町中華」です。人気店に必ず存在する看板メニュー、通称「常連メシ」を求めて愛知県・豊明市の「中国家庭料理 漓江(りこう)」を訪れました。
中国出身客も唸る本場の味!やみつき必至の「海老ワンタン麺」
店内では、「海老ワンタン麺」を注文する声が飛び交っていました。お客さんは、最初の一口を頬張ると納得の表情で頷き、その味を堪能しています。
(女性客)
「海老がプリプリ!こんな海老ワンタン食べたことない。高速道路で来ました!」
そんな「中国家庭料理 漓江」の「海老ワンタン麺」は、プリプリした大きめのワンタンが特徴。以前、中国に住んでいた女性のお客は…。
(女性客)
「同じ味で懐かしい!」
(男性客)
「香港で海老ワンタン麺を食べたとき、おいしくて。(香港の味と)似てます」
本場中国の味を知る人から、中国人の女性までもが、「本場の味だ」と大絶賛するほどです。
香港仕様の本格派!老若男女に愛される味の秘密
「海老ワンタン麺」の調理工程を覗いてみると、鶏ガラと魚介をブレンドしたオリジナルスープに、特注の“香港風”極細麺を使用していました。身がぎっしりと詰まったワンタンも、本場香港仕様です。
(店主・安部一彦さん)
「海老ワンタンは香港と似てる。スープはアレンジ!」
ワンタンに入れる海老は、歯ごたえと香ばしい匂いが命だそうで、硬さの異なる2種類を使用しています。
(女性客)
「一口目のスープが海老のエキスを感じる」
「海老ワンタン麺」の決め手になるのは、海老の殻とショウガ、野菜を大豆油で煮込んだ「海老油」です。海老だしが効いた優しい味わいは、老若男女から愛される理由の一つ。なぜ「海老ワンタン麺」は、看板メニューになったのでしょうか。
(女性客)
「(店主が)中国で修業しているから、本格中華でハマる」
中国で修業した経歴に関係があるようです。
大人気なのにメインメニューには載っていない?
店主・安部一彦さんは、365日・毎食中華料理を食べ続けています。そんな安部さんには、忘れられない味があるとのこと。
(店主・安部一彦さん)
「本物の海老ワンタン麺。こんなうまい料理があるのか!(と思った)」
16歳で“中華の道”を志し、27歳のときに中国へ武者修業に出た安部さん。香港の食堂で何気なく食べた「海老ワンタン麺」のトリコになりました。
(店主・安部一彦さん)
「海老ワンタン麺は高級料理じゃない。普通の食堂で食べる」
中国では海老が比較的安く手に入るため、庶民の料理として親しまれていました。しかし、日本では海老の原価が高く、取り扱わない店が多いそう。安部さんも「日本の町中華には向かない」と、メインメニューからは外していました。
(男性客)
「ホワイトボードメニューだからね。メインメニューにはない。一番上に書いてある」
ところがある日、異変が起こります。
「テレビ取材もないのに…」人気に火が付いたきっかけとは
異変が起こったのは、今から約1年前のことでした。
(店主の娘・智美さん)
「インスタグラムを見たときに、親の店が投稿されていてなにコレ!?(と思った)。グルメ系アカウントをフォローしていて、実家がバズった」
ごく普通の町中華だった店が突然、行列のできる店に変貌したのです。
(店主・安部一彦さん)
「注文が増えたのは1年前。テレビ取材もないのに(不思議に思っていたら)『インスタグラムだよ』って。え!そんなの見て来るの!?向こうまで行列!怖くなっちゃった!」
「海老ワンタン麺」を注文したお客さんが、こぞって写真をSNSに投稿したことで、評判が広まったのです。店主思い出の味が、四半世紀の時を経て看板メニューに。今日も、「海老ワンタン麺」を求めて、店にやってくる人の足は絶えません。
CBCテレビ「チャント!」6月18日放送より