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ポイント還元は廃止へ…浮かび上がってきた「ふるさと納税」の問題点

ポイント還元は廃止へ…浮かび上がってきた「ふるさと納税」の問題点

6月25日、総務省は「ふるさと納税」制度のルールを見直すことを発表しました。自治体が仲介サイトを通じて寄付を募る際、寄付した人に特典ポイントを付与する業者の利用を禁止することが主となっています。利用者にとっては残念ともいえる方針ですが、ふるさと納税制度自体のあり方が問われている状況ともいえます。6月26日放送『CBCラジオ #プラス!』では、ふるさと納税に関する制度の変更点や、以前から指摘されてきた問題点などについて、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が解説しました。

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「ふるさと納税」の仕組み

「ふるさと納税」とは、現在住んでいる場所ではない別の場所に寄付ができる制度のことで、2008年に始まりました。

田舎で生まれ育ったあと、大人になって都会で暮らす人が増えると、税収は都会に集中してしまうため、生まれ故郷に税収を移転させて潤うようにしようというのが本来の目的です。

寄付をすることで住民税減税や所得税の払い戻しが行われ、さらに返礼品ももらえますので、多くの人が利用しています。

例えば今住んでいるA市ではなく、B市に5万円寄付すると、だいたい1万5千円以内の返礼品が届き、さらに4万8千円ほどの税額が控除されるとのことです。

また、ふるさと納税を扱っているサイトから寄付を行うと、例えば10%のポイントを還元するという場合、さらに5千円分手に入れることができるというわけです。

今回の制度改正ではポイントを加算させないという目的があるようですが、これはポイント獲得について過熱した競争が問題視されていたということがあるようです。

制度の廃止でどうなる?

現在、ふるさと納税を利用する人は多く、2022年度の寄付総額はなんと9,654億円にも上っています。

ポイントを付与するのは利用者にとっては良いことのようですが、一方で自治体が仲介業者に払っている手数料の中に特典ポイントの一部も乗っているのではないか、それで手数料が多くなっているのではないかと見る向きもあります。

そこでポイント付与を止めれば自治体から仲介業者に払う手数料が下がり、集めた税金をもっと有効活用できるのではないか、本来の主旨に近づくのではないかという考えがあり、2025年10月から実施することになりました。

紹介サイトがなくなったら、ふるさと納税の返礼品が選びにくいデメリットは生じますが、もともとは自分が住んでいる地域や応援したい地域に寄付するもの。

今まで返礼品を楽しみにしてきた方々からすると、返礼品を調べにくいのならもう止めようというのが本音かもしれません。

また、仲介業者に頼らないと十分に呼び込めない地方自治体があるのも実情のようです。

ふるさと納税の問題点

石塚はふるさと納税の制度が始まった時から、「いい制度だけど課題もたくさんある」と思っていて、ひとつは返礼品に釣られてまったく無関係の自治体に寄付をする場合があること。

もうひとつは本来入るはずの税金が入らないということ。

税金を払うことで、現在住んでいる自治体に道路や学校などが作られていますが、特に都会では思ったほどの税収がなく、住民サービスが低下する恐れがあるのです。

石塚は今回の見直しについては仕方がないという考えで、もともとのアイデアに対して見直しや改良が必要で、まだその改善は少ないとまとめました。
(岡本)
 

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