「蚊」に刺されないための対策を体を張って実験 ポイントは「足のにおい」?
気温の高い日が続き、雨も降るこの季節。毎年、蚊に刺されやすいのが悩みの種という人には、嫌な季節になってきました。蚊が活発になるのは、気温が25~30度。雨の日には飛びませんが、2~3ミリの雨が降ると卵を産むため、梅雨の時期は大量に繁殖します。同じ場所にいても、刺されやすい人、刺されにくい人の違いはあるのか?刺されないための対策は?専門家に聞きました。 CBCテレビ「チャント!」6月22日放送から
蚊の潜む場所は?叩かず、早歩きで対処!
そもそも、蚊はどんな場所に潜んでいるのでしょうか?CBCテレビ気象予報士の桜沢信司さんが、公園で取材。週に1度、蚊の調査を行っている名古屋市衛生研究所の天野賢さんに「蚊に刺されないための対策」を聞きました。天野さんが向かったのは、公園内にある草木が生い茂った場所。虫取り網を1~2分、振ってみると、すぐに4匹の蚊を捕まえることができました。見守る桜沢さんの足にも蚊がとまっています!天野さんによると、蚊がたくさんいる場所は「風通しが悪いところ、直射日光が当たらないところ、下草が長いところ」。蚊は風に弱いので、葉の裏で風をよけています。木々が生い茂っている場所は、蚊の絶好の住処になっています。
天野さんに、たくさんの蚊に遭遇した場合の対処法を教えてもらいました。「全部を叩き潰すのは難しいので、早歩きでその場を離れてください。蚊は飛ぶ力が弱いので、追いかけることができません。走らなくても、早歩きで大丈夫です」とのこと。
刺されないための3つのポイント!
蚊は血を吸うターゲットを、どのように決めるのでしょうか?蚊の生態を研究している東京農業大学の長島孝行教授に聞きました。長島教授は「色、二酸化炭素、におい。刺されないためのポイントは3つあります」と解答。
1つ目は「色」。蚊は暗いところを好むので、黒や紫など、色の濃いものに集まる習性があります。黒は太陽の熱を吸収して体温を上げる色なので、体温の高いものに引き付けられる蚊が集まりやすくなります。外で長い時間を過ごす時は、明るい色の服で過ごしてください!
2つ目は「二酸化炭素」。長島教授によると、蚊は二酸化炭素を感知する能力が、とても高いとのこと!口の周りや触覚にあるセンサーは、5メートル以上離れた人の息に含まれる二酸化炭素をかぎ分けることができます。呼吸から出る二酸化炭素の量が増える時、例えば、お酒を飲んだ後や運動をした後は要注意です!
3つめは「におい」。長島教授は「においを消せば、蚊に刺されにくくなる」と話します。最も効果的なのは「においを消すこと」!人間には常在菌があり、肌の保湿をするなどの機能を持っています。蚊は、常在菌が発するにおいを好みます。この常在菌が多いのが「足」です。特に足の指の付け根の部分に、非常に多いとのこと。長島教授は「そもそも蚊は、風を避けるために低いところを飛ぶので、常在菌が多い足のにおいに寄ってきます。除菌シート等で、足など刺されやすい部分を拭いておくのは非常に有効な対策になります」と解説します。
本当に刺されない?体を張って実験!
実験用に育てられた蚊を購入し、検証してみました。左足は除菌シートでしっかり拭き、右足はそのまま。ケース内に20匹の蚊を放ち、足を入れてみます。
足を入れてから2分後、2匹にかまれましたが、どちらも除菌シートで拭いていない右足です。その後も、蚊は除菌した左足には寄り付かず、右足ばかりを刺します。約10分間の実験の結果、蚊に刺されたのは右足が7か所。除菌シートで拭いた左足は1か所も刺されませんでした。ちなみに、除菌シート以外に汗ふきシートでも代用は可能。汗を拭いたついでに、足も拭いてあげると効果的です!
今の季節の注意点と対策を長島教授に聞きました。「この時期、サンダルの人が多いと思いますが、自然が多いところでは靴を履いてください。靴下は、くるぶしより上まで覆う長めのものがオススメ!夜に蚊が『ぶ~ん』と寄ってくる時は、扇風機をつけて寝てください。蚊は弱い風でも苦手。直接、体に当てなくても、微風・首振りで部屋の空気をかき混ぜるだけで大丈夫です」とアドバイスしてくれました。
『チャント!』は、CBCテレビで毎週月~金曜日の夕方15:49 - 19:00に放送されている東海3県向けの夕方ワイドニュース・情報番組です。