首都圏なのに砂利道の謎路地 埼玉県川口市の一角にある未舗装の道を大調査!
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、全国100万キロ以上の道を巡ってきた道マニア歴26年の鹿取茂雄さんが、埼玉県川口市の一角にある未舗装だらけの路地の謎に迫ります。
都心なのに未舗装だらけ!?川口市の謎の路地の解明に挑む
鹿取さんと一緒に旅をするのは、コラムニスト・イラストレーターの能町みね子さん。気になる道を見つけては現場に行って探索し、それを書籍化するほど大の道好きだそう。そんな能町さんから、番組にお願いがあるようで…
(コラムニスト・イラストレーター 能町みね子さん)
「関東で気になっている道が山ほどある。その一部を、この番組と道マニアの力を借りて解明したい」
能町さんが気になっているのは、首都圏の人気ベッドタウンに潜む、埼玉県川口市の違和感しかないという謎の路地。鹿取さんと一緒に、謎の道の解明に挑みます。
2人が訪れたのは、埼玉県内最高層の「エルザタワー55」から150mほど北側にある、住宅が密集したエリア。
他の住宅街に比べ、道で細かく区分けされている状態に違和感を覚えたと言う能町さん。路地自体にも、違和感のある光景が広がっていたそうで…
(コラムニスト・イラストレーター 能町みね子さん)
「ここから急速に区画が小さい。で、急に砂利道になる」
現在、全国の一般道路の82%以上が舗装(簡易舗装を含む)されている中、埼玉県で最も人口が多い都市で川口駅から徒歩圏内の好立地なのに、その区画は未舗装状態。鹿取さんも「首都圏で未舗装はかなりレア」と言います。
さらに、道の片側だけが舗装されていたり、区画の端の丁(てい)字路は綺麗にアスファルトで舗装されていたりする違和感に、謎は深まるばかり。
住宅街はかつて工場の社宅だった!?未舗装のワケとは
川口市の一角に潜む路地の謎を解明するため、2人は近くの住人に聞き込みすることに。この地域の副町会長さんに、詳しく話を聞くことができました。
現在、「エルザタワー55」が立っている場所は、かつて「日本ピストンリング」という会社の工場があり、軍事用の船や航空機などのエンジン部品の製造を行っていました。昭和初期に陸海軍の指定軍需工場として建設され、ここで作られた部品は当時の最新鋭の戦闘機に使われたりする国の重要施設でした。
多くの従業員を抱えていたため、工場のすぐ北側に社宅を建設。その場所こそが、2人が訪れた未舗装の路地がある住宅街なのだそう。
工場と社宅は、昭和59年まで川口市に存在。社宅が無くなったあと、立地の良さから多くの住宅が建設され、細い路地も増加されました。その結果、土地の所有者によって道の権利も分けられることになったのだとか。
かつては社宅しかなかったこともあり、特に道を整備することもなく、当時から砂利道だったと言います。
道を市に返還する話もありましたが、住宅が密集し道幅が狭く、角地である土地の角を切り取って空地にする隅切りが確保できなかったため、現在も私道のままなのだそう。予算がかかるアスファルト舗装は、ほとんどされないまま現在に至るようです。
6月25日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より