愛知「設楽ダム」の建設で新たに造られる道 2034年開通予定の「新設楽大橋」とは

全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道を紹介。今回は、国土交通省協力のもと、愛知県設楽町に建設中の「設楽ダム」の工事現場を特別に見学させてもらいました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
2034年に開通予定!建設中の「新設楽大橋」

「設楽ダム」は、東三河を流れる代表的な川「豊川(とよがわ)」の上流に建設中で、総貯水容量は9800万㎥。愛知県最大のダムの建設ゆえに行われているのが、“新しい道路”の建設。新たなルートとして高さ70m、長さ357mの「新設楽大橋」が造られています。
高い位置に橋を建設する場合は、足場を作るのが困難なため、橋脚から左右交互にバランスを取りながらコンクリートを打設し順次張り出していく“カンチレバー工法”で工事が進められているとのこと。

約2.5mを張り出すのに2週間ほどかかるという地道な作業が行われており、長い時間をかけて真ん中部分が中央併合でつながったばかりだそう。
コンクリートが固まり終わったら橋の内部にある穴にワイヤーを通し、固定するとようやく橋が完成します。「新設楽大橋」は、ダム完成と同じ2034年に開通が予定されています。
10年後に沈む現道「設楽大橋」と鉄道の廃トンネル

設楽ダムの完成に伴い、新たに造られるトンネルは7か所、橋は37か所にものぼるといいます。反対に、ダムが完成すると沈んでしまう現道やトンネルも。
赤いアーチ橋が特徴の国道257号「設楽大橋」は、1973年の竣工から設楽町の玄関口として長年愛されてきました。あと5年ほどで通行止めになり、10年後にはダム湖に沈んでしまうといいます。
住民からの要望もあり、シンボリックな“赤”を継承するため、「新設楽大橋」の欄干は赤色で建設されるとのことです。

また、ダム湖の底にあたる場所には、旧田口鉄道の廃トンネルも存在します。豊橋鉄道田口線は、かつて新城市(しんしろし)と設楽町を結んだ路線で、1968年に廃線になるまで、奥三河(おくみかわ)地域の生活や産業を支えました。廃線になってから50年以上経過しても、鉄道の面影は今も色濃く残っています。
東京タワー約4個分の骨材を使用!?ダム建設現場の超巨大な仮桟橋

ダムの工事現場には超巨大な仮桟橋が組まれ、重機で掘削しては、“ずり”(=岩塊)を落とす作業が進められているそう。
この仮桟橋は、東京タワー約4個分の骨材を使用し、約5年で建設。ダムが竣工する頃には全て撤去されてしまいます。建設中の今しか見られない、圧巻の光景です。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年4月8日(火)午後11時56分放送より
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