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「これは鳥肌たつ!」静岡県の山中に眠る素掘り隧道 明治初期に造られた「牛ヶ谷の地道」とは

「これは鳥肌たつ!」静岡県の山中に眠る素掘り隧道 明治初期に造られた「牛ヶ谷の地道」とは
CBCテレビ『道との遭遇』

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、全国800か所以上の道を巡ってきた道マニア歴20年の石井あつこさんが、静岡県にある“廃道”を巡ります。※廃道は危険ですので、むやみに立ち入らないでください。

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【動画】山の急斜面を進んだ先に発見…!素掘りの隧道に「これはすごい!」“地道”と呼ばれていた隧道はこちら【7分31秒~】

山中に眠る素掘り隧道!明治12年竣工の「牛ヶ谷の地道」

CBCテレビ『道との遭遇』

石井さんと一緒に旅をするのは、お笑い芸人の阿諏訪泰義(あすわたいぎ)さん。2人は、静岡県掛川市を訪れます。

(道マニア・石井あつこさん)
「東海地方でも随一の古い隧道がたくさん残る街。ここは隧道パラダイス。まずは、明治中期に竣工した秀麗な総レンガ造りの隧道に行きたい」

東西には「東海道」、南北には塩の道とも呼ばれる「秋葉街道」が通り、交通の要衝だった掛川市。人々の往来が盛んな土地柄ゆえに、隧道が数多く開削され、道マニア界では“隧道王国”とも呼ばれています。

「過去に行ったルートよりさらに古いルートが残っているのを知り、そこには驚くような光景が広がっていたので、それを紹介したい」と言う石井さん。2人はさっそく、掛川駅の南を走る県道38号の旧道へ。

CBCテレビ『道との遭遇』

今も現役で使われているその旧道へ行ってみると、明治38年竣工の「岩井寺(がんしょうじ)隧道」が見えてきます。「レンガ隧道の王道みたいな完成された形状」と石井さんが言うだけあって、総レンガ造りの岩井寺隧道は端正な姿をしています。

さらに、「明治38年にこの隧道ができるまで使われていたルートが、廃道となって残っている」と石井さん。この岩井寺隧道ができる前は、一体どんな道が使われていたのか…?廃道の入口は岩井寺隧道のすぐ脇にあるとのことで、2人は行ってみることに。

入口には階段があるものの、その先は荒れた山道。道なき道を進み、急斜面をのぼっていきます。すると、隧道が出現!

CBCテレビ『道との遭遇』

(道マニア・石井あつこさん)
「これは、明治12年竣工の素掘りの隧道『牛ヶ谷(うしがたに)の地道(じみち)』。総レンガ造りの岩井寺隧道とは姿も程遠いけど、力強さを感じる」

この地域では当時、“隧道”のことを“地道”と呼んでいたことから、地名の「牛ヶ谷」と合わせてその名が付けられたそう。そして、県道38号の前身にあたるこの道は、かつて「掛川大坂(かけがわおおさか)往還」と呼ばれ、掛川市の大坂から北へ海産物や塩が運ばれていました。

隧道内の道幅は広く、「荷車を通す規格で造られた」と石井さん。重機のない時代、荷車が通れる幅を確保しながら造られた素掘りの隧道に、阿諏訪さんも「これはすごいわ!鳥肌立つ!」と大興奮。

CBCテレビ『道との遭遇』

坑口は土砂がたまっているものの貫通しており、2人は岩肌を感じながら反対側へ向かって歩いてみます。さらに、石井さんは「隧道の真上が切り通しになっている」と隧道の上を目指してのぼってみることに。

(道マニア・石井あつこさん)
「初代隧道ができる前の掘割に来るのは初めて。江戸時代から明治初期にかけて造られた道で、峠道を歩いて行ったんじゃないかな」

石井さんの「かっこいい切り通しが現存している」という言葉通り、明治12年以前に使われていた深い切り通しが今もしっかり残っています。

名もなき道に存在した廃隧道を探索!

CBCテレビ『道との遭遇』

続いては、石井さんが最近地形図で見つけたという、名もなき道に記された隧道へ。昭和31年測量の地形図と現在の地図と比較すると、今とは別の場所に道があり、隧道の坑口を表す地図記号も描かれています。

独自に調べるも情報が少なく、今も隧道が残されているのか不明のため、調査したいとのこと。まずは、目的の廃隧道の後に造られたと思われる隧道へ向かいます。

(道マニア・石井あつこさん)
「ここは『西大谷(にしおおや)隧道』」

現在の地形図に昭和31年の地形図を照らし合わせてみると、目的の廃隧道は西大谷隧道の北側を走る県道251号沿いに位置しています。西大谷隧道と廃隧道は両方とも東西に往来する道で役割が同じため、新旧の関係にあると石井さんは考察。

「斜面を登っていったら、路盤が見えるかも」と山中の廃道を探してみるも、「無いね、道。歩けるけど、まだ道とは言えない」。一帯を入念に探索するも道は見つからず、道の痕跡も見つけることができません。

CBCテレビ『道との遭遇』

真相を確かめるべく、地元の住民へ聞き込みをすることに。探索場所の周辺に山を所有している方によると、隧道は確かにあったそうですが、65年前には崩落し、穴がふさがれ通れなかったとのこと。その隧道は100年以上前、山芋を掘りに行くために使われていたようですが、隧道の名前は聞いたことはないそうです。

また、西大谷隧道の銘板には昭和51年竣工とありますが、それは改修工事した年なのだそう。かつては素掘り隧道で、約75年前には使われていたと言います。

CBCテレビ「道との遭遇」2025年3月11日(火)午後11時56分放送より

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