静岡・伊豆高原に眠る巨大な“廃ループ橋”…知られざる悲しい歴史とは?日本で唯一の“逆転式一方通行”の橋も
ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、YouTubeチャンネル「おもしろ地理」でさまざまな道を紹介している道マニア歴23年のかずまるさんが、静岡県にあるイチオシの道を巡ります。
日本で唯一!?2時間ごとに一方通行の方向が変わる橋
かずまるさんと一緒に旅をするのは、9人組ダンスボーカルグループ・超特急のメンバーのユーキさん。訪れたのは、島田市。
(道マニア・かずまるさん)
「静岡県には、他には無いような橋がある。その中でもとっておきの橋を紹介したい」
2人はまず、大井川に架かるコンクリート壁が特徴的な橋へ。
(道マニア・かずまるさん)
「この橋は1車線しかなく、時間帯によって一方通行の方向が変わる。看板には通行できる時間帯が書いてあり、“通行可”と“通行止”のランプを見て判断。1時間45分一方通行があって、15分間一方通行を切り替えるために両方通行止めになる」
歩行者・自転車専用の赤い路面は双方向にいつでも通れますが、車道側は“逆転式一方通行”が取り入れられた珍しい橋。時間帯によって一方通行の方向が変わる道路は他でも見られますが、橋は「日本で唯一ここにしかない」とかずまるさん。歩いて橋を観察してみると、路盤の下に水路が通っています。
(道マニア・かずまるさん)
「ここは水路が通っている『大井川水路橋』。昔、大井川の右岸側は水資源が不足していて、水資源が豊かだった左岸側から農業用水を引っ張ってくる目的で建設された。水路の上に車道も設け、車が渡れるようになった」
大井川水路橋はこの地域一帯の農業を活性化させ、お茶やみかんなど名産品の栽培に大きく貢献しています。
現在の大井川水路橋は二代目で、初代は昭和35年に架設。当時は歩道しかなかったそうですが、平成19年に橋を架け替える時、住民からの要望を受けて水路の上に車道も付けられました。
全長732メートル、送水量は毎秒10トンを誇り、これは40秒で25メートルプールを満杯にするほどの勢い。水路に負担がかからないよう重量制限を設け、1車線にして交通量を抑えているとのことです。
伊豆高原に眠る謎の巨大廃ループ橋
続いて訪れたのは、伊東市。国道135号の西に位置する山の中に、突如巨大な赤い橋が現れます。しかし、一見して今は使われていない朽ちた橋だと分かります。
(道マニア・かずまるさん)
「この辺りは、伊豆高原という別荘地。このループ橋の上の方向にも別荘地を作って開発をしようとしていた。そのために設けられた工事用の道路」
昭和49年、この地域に新たに別荘地を開発するため、工事車両専用道路として造られたのが、この「赤沢八幡野(やわたの)連絡橋」。しかし、別荘建設の需要が予想よりも少なく、4年後に開発会社は倒産。工事は中止になり、数年しか橋は使われず廃橋となりました。
(道マニア・かずまるさん)
「国土地理院の地図にも、道の痕跡が記されている。ただ、意味が分からない所で途切れている」
現在は途中で道路が崩れており、山の中に突き刺さるような状態に。「この規模の廃橋は、日本でここだけだと思う」とかずまるさんは言います。
使われなくなってから約20年後に崩落したそうですが、短い稼働期間の中でも一般車が通れる期間もあったようです。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年1月28日(火)午後11時56分放送より