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「7割弱」「10分前」…伝わらない?世代間の日本語ギャップ

「7割弱」「10分前」…伝わらない?世代間の日本語ギャップ

「7割弱」をどう捉えるかで、世代によって意味が真逆に?従来は「7割より少し少ない」とされてきたこの表現を、若い世代は「7割より多い」と受け取る傾向があると、NHK放送文化研究所の塩田雄大さんは指摘しています。4月16日放送のCBCラジオ『北野誠のズバリ』では、『プレジデントオンライン』の記事をもとに、この“曖昧な日本語”が引き起こす世代間ギャップについて北野誠と松岡亜矢子が語りました。

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「7割弱」の世代間ギャップ

「以上」「以下」「未満」の概念は学校で教わったものの、「弱」や「強」は習った記憶がないという北野と松岡。松岡は社会に出てから年上の先輩の話で、弱と強の使い方を学んだそうです。

国語辞典によれば、「弱はある数の端数を切り上げたとき、示す数よりは少し、不足があることをいうために、数字のあとに付けて用いる」「強はある数の端数を切り捨てたとき、示す数よりは少しあまりがあることを示すために、数字のあとに付けて用いる」とされています。

つまり「7割弱」は70%未満の数値(68.5%程度)、「7割強」は70%をやや超える数値(71.5%程度)を意味するのが従来の解釈です。

ところが、最近では「7割弱」を「70%よりも大きい数値」と捉える回答が全体の約10%あり、特に20代~30代では高い割合を占めていることがわかりました。

1時間弱の解釈は?

時間に関する「弱」の解釈も、世代によって食い違いがあるようです。

北野「『大体1時間弱ですね』って言ったら、55分ぐらいを想定しますよね」

松岡「『1時間はかからないよ』ってニュアンスで」

北野「それは今の子たちにとって、『1時間超えんねんな。1時間10分ぐらいのこと言ってんのか』と」

松岡「そうなってくると、もう20分ぐらいの時間差ができちゃいますよね」

また、「ちょっと」というニュアンスも非常に曖昧です。

松岡「『1,000円弱』って言われると、1,000円より少ないんだけど。『1,000円ちょっと』って言われると、1,080円とか1,100円未満」

人によって解釈が異なるこれらの曖昧表現は、コミュニケーションのずれを生み出す危険性があります。

「〇時10分前」とは?

さらに混乱を招きやすいのが「待ち合わせ時間」の表現です。

たとえば「8時10分前」という言い方をすると、若い世代は「8時10分の前」という意味にとらえ、8時9分頃に来るといいます。

北野「これは、使う大人側が『7時50分』って言わなあかんのですよ。怒られたら、『えっ?なんでですか?10分前って言ったじゃないですか』」

松岡「8時10分の前じゃないんだよー(笑)」

こうした世代間のコミュニケーションギャップを避けるためには、「強」「弱」「ちょっと」「前」といった曖昧な表現を避け、具体的な数字や時間を明示すべき必要がありそうです。

世代を超えた理解のために

松岡「きっちりを避けたいから、弱とか強とかのちょうどいいニュアンスの言葉があるはずなのに」

北野「それで言うと、いらぬ誤解を招くってことになるんですよね」

松岡「言葉の捉え方で『ちゃんと言ってないこっちも悪かったね』ってなるから」

今後は「強」や「弱」といった表現を避け、たとえば飲み会であれば「店に7時集合で、会費は1人5,000円です」といったふうに、はっきり伝えることが求められる時代になっているのかもしれません。

「我々おっさん側、おばちゃん側も、使う方が気を付けないといかんと思いますね」と、北野は自戒を込めて締めくくりました。
(minto)
 

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