北海道“幻の国道”と言われた「国道231号」“陸の孤島”と呼ばれた雄冬の交通手段とは

全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道を紹介。今回は、北海道にある「国道231号」の歴史を紐解きました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
かつて“幻の国道”だった!?北海道西部を走る「国道231号」

札幌市と留萌市(るもいし)を結ぶ「国道231号」。かつて分断区間があり、中でも分断区間に挟まれていた雄冬(おふゆ)地区に注目した道マニア。石狩市浜益区と増毛(ましけ)町の市町界を跨ぐ雄冬は、他の地域とつなぐ陸路が存在しない“陸の孤島”と呼ばれていました。
国道231号最後の不通区間だったその雄冬に1981年、「雄冬岬トンネル」(現在は「浜益トンネル」)が完成したことで札幌方面と繋がる2車線道路が全線開通。

急峻な地形だけでなく豪雪地帯でもあるため、この場所は難攻不落と言われましたが、9年の歳月をかけ見事に攻略しました。住民にとって100年越しの悲願だったため、雄冬岬には国道開通を記念した石碑が建てられています。

しかし、開通からたった40日後に土砂崩れが起き、トンネルの一部が崩落。通行止めになり、再び国道は分断されることに。
早急に復旧工事を行うため、海沿いに工事車両専用の道路を造り、そこを地域住民も通れるようにしてもらえたそう。
そして、約2年後の1983年12月。復旧工事が終わり、冬季閉鎖期間を経て、翌年の5月に再び開通しました。
“陸の孤島”と呼ばれた雄冬の移動手段

古くからニシン漁で栄えてきた雄冬。かつて400人ほどの住民がいましたが、現在は40人以下にまで減っているそう。
住民によると、国道が分断されていた時代は、毎日港から定期船が出ており、それに乗るのが他の地域へ行く主な交通手段だったとのこと。しかし、札幌方面への船は出ていなかったため、北の増毛へ船で行き、そこからバスで移動する必要があったと言います。

地域住民が株主となって設立された海運会社が定期船を運航しており、一度に乗船できるのは30人ほど。雄冬から増毛までの26kmの航路を、1時間半かけて運航していました。
一日1往復の定期船も、天候や波などの状況によって出航時間が変更。掲がる旗の色によって、出航時間が決まっていたそう。
1981年に国道が全線開通した後も、定期船はしばらく運航されていましたが、会社設立から34年経った1991年に廃止となりました。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年6月10日(火)午後11時56分放送より
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