約半世紀かけて完成!?開通直前「名豊道路・蒲郡バイパス」に潜入!「豊沢トンネル」に隠された秘密とは

ミキの昴生と亜生がMCを務める、全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』。今回は、バイクで日本を2周したこともある道マニア歴29年の松村真人さんが、もうすぐ全線開通する「名豊(めいほう)道路」の作業現場に潜入!国交省協力のもと、唯一開通していなかった「蒲郡(がまごおり)バイパス」を特別に歩かせてかせてもらい、一足先に隅々まで見学させてもらいます。
50年の歳月をかけて完成!夢の道路「名豊道路」が全線開通

愛知県の名古屋市と豊橋市を結ぶ国道23号のバイパス「名豊道路」が、2025年3月8日に全線開通!
名豊道路は5つのバイパスで構成されており、唯一開通していなかった蒲郡バイパスが繋がることで、全長約73km信号なしの無料の高規格道路が完成。これにより、以前は下道で2時間近くかかっていた名古屋~豊橋間が50分も短縮。さらにその先の浜松までも、1時間半近く短縮が可能になります。

事業開始から約50年。ようやく全線開通する“夢の道路”に、今回は特別に作業現場に潜入させてもらえることに。
松村さんと一緒に潜入するのは、地図地理検定3級を持つCBCテレビアナウンサー・榊原悠介。名四国(めいしこく)道事務所・馬場一徳さんが案内してくれます。
20年にわたり、建設中の名豊道路を観察し続けてきた未成道マニアの松村さん。並々ならぬ愛情で工事を見届けてきたこともあり、悲願の完成はうれしくもあり、物悲しさもある複雑な思いのよう…。
(名四国道事務所・馬場一徳さん)
「蒲郡バイパスがもうすぐ開通する。約半世紀の夢がようやく叶う」
名豊道路の全線開通により、三河港との物流の効率アップも期待されており、自動車や工業製品の運搬がよりスムーズになると言われています。
今回新たに開通するのは、蒲郡ICから豊川為当(ためとう)ICを繋ぐ約9kmの区間。2人は蒲郡ICから入り、未開通区間の本線へ。東へ進みながら見学させてもらいます。
なぜ切り替わっている?アスファルト舗装とコンクリート舗装の違い

これまでは蒲郡ICで下道に降りざるをえなかったのが、新しい道路が繋がることで直進が可能に。道路沿いに掲げられた「バイパス終点」の看板は、開通に合わせて撤去されます。
まずは、道中にあるという絶景ポイントへ。馬場さんに案内してもらったその場所は、新幹線が走行する姿や海に浮かぶ船が見え、さらに竹島まで見えるまさに絶景ビューポイント!普段は何気なく走り過ぎてしまう場所も、特別に歩かせてもらっているからこそゆっくり楽しめるスポットに、2人は感激します。

道路の脇にある土の部分は、「二期線の予定地(4車線計画のうち、将来造る部分)」と馬場さん。この場所は上りと下りが1車線ずつですが、最終的にはアスファルトが敷かれ、2車線ずつに拡幅を予定しているとのこと。
さらに東へ進むと、途中で路面がアスファルトからコンクリートの舗装に変わる場所に差しかかります。

(名四国道事務所・馬場一徳さん)
「長い目で見た時に、アスファルト舗装よりコンクリート舗装の方が安くなる。民家があったところは、排水性アスファルト舗装で音が静か。コンクリート舗装は、アスファルトに比べて音が少し大きい」
一般的に、アスファルトよりコンクリートの方が長期的にはコストが抑えられますが、走行音が大きくなってしまうそう。そのため、周辺環境への影響を考え、市街地に近い区間をアスファルト、民家がなくなる山の区間をコンクリートにする工夫がされています。
工夫が光る「国坂トンネル」 標識の設置現場の見学も

続いて、未開通区間で最も標高が高い、標高150mの「国坂(くにざか)トンネル」へ。
(名四国道事務所・馬場一徳さん)
「蒲郡バイパスの中でも、一番長い678mのトンネル。トンネル内には、豊川市と蒲郡市の市境を表示している」
ここで、松村さんが“あるもの”を発見!
(道マニア・松村真人さん)
「センターポールに付いている“腰蓑(こしみの)”が、風になびいて排ガスやススなどを落としてポールを奇麗にする仕組み」
国坂トンネルを抜け、その先に「2人に見せたいものがある」と馬場さん。

(名四国道事務所・馬場一徳さん)
「今まさに標識の設置をしている」
標識も設置場所も出来上がっているため、作業はシンプル。標識を立てて固定し、5分ほどで設置が完了します。
板面と柱で計40kgある標識が、9kmの間に110個。大きな道路標識は17個、取り付けられるとのことです。
看板と銘板で長さが違う「豊沢トンネル」の謎

続いて、蒲郡バイパス最後の「豊沢トンネル」へ。看板には全長“537m”と書いてありますが、銘板には“336m”と書かれています。
看板と銘板で長さの表記が201mも違う謎。これは一体なぜなのか…?トンネルを進むと、途中でアーチ型のトンネルから四角いボックス型に切り替わっている場所に辿り着きます。

(名四国道事務所・馬場一徳さん)
「アーチ状の部分が豊沢トンネル。その先はトンネルではなくコンクリートで造られた箱型の建造物。その真上には学校がある」

山を掘り進めていくと、御津(みと)あおば高等学校のグラウンドの地下にぶつかるルートだったため、その先はトンネルではなく箱型のコンクリートを繋げる形で道を造ったそう。
グラウンドが使えない期間は近くに造った仮設のグラウンドを使用してもらい、工事が終わったあとグラウンドを戻したとのこと。
ドライバーは豊沢トンネルと箱型の建造物を同じトンネルと捉えられるため、看板には長さの合計を記し、関係者が見る銘板には豊沢トンネルの正確な長さを表記しているそうです。
CBCテレビ「道との遭遇」2025年3月4日(火)午後11時56分放送より
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