ホラーの定番。「ヒュードロドロ」って何の音?
情報会社のオリコンが発表した今年の本のベストセラーランキングで、ホラー作家でYouTuberの雨穴さんの小説「変な家2 ~11の間取り図~」(飛鳥新社)が1位に輝きました。この小説は奇妙な家の間取り図をめぐる人気ミステリーシリーズの続編で、去年11月20日から今月17日までの集計期間内の推定売上部数はおよそ74万4,000部とのことです。11月27日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、ホラーやミステリーについて、つボイノリオと小高直子アナウンサー、友廣南実アナウンサーの間でトークを繰り広げました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く怖すぎて見れない?
つボイ「『変な家2』って、どういう作品なんですか?」
「変な家シリーズ」は2020年にウェブメディアへの掲載から始まり、YouTubeで公開されたことによって人気が出ました。
小説、映画、漫画と様々なコンテンツで展開され、話題になっています。
小高「友廣さんは知ってました?」
友廣「この前のシリーズの1作目『変な家』がこの春に映画で公開されていて、観に行こうと思っていたんです。
でも友達から『すっごい怖いからやめといた方がいい。ひとり暮らしで家に帰れなくなるよ』って脅されて、結局見れなかったんです」
「奇妙な家の間取りに隠された事実に迫る」というあらすじだけは知っているものの、まだ見たことはないという友廣。
つボイ「ひとりでおる時に怖くなるというのは、私もよくわかります」
怖がりなつボイは、ひとりの時にはホラーの類を見ないようにしているようです。
怖がり向けホラー映画
でも、そんな怖がりな人でも楽しめるように配慮された映画があるのだとか。
つボイ「『犬鳴村』(監督:清水崇)っていう作品知ってます?こーわいやつ」
友廣「観たことはないですけど、怖いことだけは知ってます」
映画の話を聞いて「怖いけど観たいし、でも怖い」と困っていたというつボイ。
そんな時、まさに渡りに船な耳寄り情報があったといいます。
つボイ「犬鳴村、怖くないバージョン」
この作品には同じ清水監督の手による『犬鳴村 恐怖回避ばーじょん 劇場版』という派生版があります。
怖いシーンになるとキラキラとした花が画面に出始めたり、アニメーションやイラストになって表現がマイルドになったりするのだとか。
小高「かわいいワンコでモザイクがかかったりしてね(笑)」
わざわざ怖く作った映画にまた手を加えて怖くないようにするというのは本末転倒のような気もしますが、誰でも安心して見られそうです。
つボイはそんな怖くないバージョンを勇気を出して観たとのこと。
つボイ「どうです?度胸あるやろ?」
小高「怖いバージョンは観てないの?」
つボイ「観てない(笑)」
「『変な家2』も怖くないバージョンを作ったらええやん」と提案するつボイでした。
侮れない音の力
小高「でも、小説で読むのと映画で見るのってどっちが怖いんでしょうね?」
つボイ「それはね、イマジネーションの力によると思うわ」
視覚と聴覚から情報を得る映画の方が怖そうに思えますが、文章から想像力を働かせてぐっとイメージを広げられる人は、もしかしたら小説の方が怖く感じるかもしれません。
小高「映画館はなんだかんだ言いながら周りに人がいっぱいいるけど、小説読む時って大抵ひとりで、なんならもう夜とかじゃないですか」
そう考えると小説の方が怖いのかも、と想像する小高。
小高「でも映画も最近は映像がリアルだし、音とかもドーン!とするしね」
つボイ「そう。映画は音がまた怖いんやわ」
怖がりなつボイは音にも敏感な様子。
臨場感を出す音の力はホラーやミステリーにも重要な要素のようです。
小高「ヒュ~ドロドロドロって?」
つボイ「あんた、それはお岩やろ(笑)」
令和のホラーにはちょっと時代錯誤な効果音かもしれません。
「かえって笑えるわ!」と、さすがのつボイもこれには怖がりませんでした。
江戸時代からの定番
怖くはないとはいえ、今でもホラーの効果音といえばこの音です。
小高は由来が気になる様子。
小高「なんでヒュ~ドロドロって言うんだろう?ヒュ~が火の玉で、ドロドロは登場音ですか?」
つボイ「その通り。歌舞伎では太鼓でいろいろな音を表しますから、その名残でしょうね」
「ヒュー」は横笛を高く吹いた音、「ドロドロ」は大太鼓を小刻みに打つ音なのだとか。
どうやら歌舞伎の芝居において幽霊の出没シーンで鳴らす下座音楽として使われていたものが、現代にも定着したようです。
つボイ「言っておきますが、現代のホラー映画ではその手法は絶対に使われておりません」
小高「ないかぁ。ホラーじゃなくなるか(笑)」
怖くないバージョンの映画に使うなら、令和でもこの効果音は有効かもしれませんね。
(吉村)