駅がないのに“駅前ロータリー”!? 橋桁を貫く歪な八角形の歩道橋も 愛知にある「奇道」を巡る旅
全国の道に特化したバラエティ番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、愛知県にある奇妙な道“奇道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
7年かけて造られた歪な八角形の歩道橋
名古屋市中川区には、国道1号と上を通る名二環(名古屋第二環状自動車道)が交わる場所に、橋桁を2か所貫くように設置された「江松歩道橋」があります。
慢性的な渋滞に悩まされていたこの交差点は約30年前、国道1号を立体交差にして横断歩道を無くし、代わりに歩道橋をつける計画が立てられました。
しかし当時、国道1号の上に名二環の建設が決まっていたため、その配置からバイパスと歩道橋の高さに差を作れず、橋桁の中に道を通すことになったそう。7年かけて順番に歩道を繋いでいったため、歪な八角形になったのだとか。
駅がないのに“駅前ロータリー”がある大府市の奇道
大府(おおぶ)市の「大府駅」と「共和駅」の間には、駅のない線路を挟むようにして両側にロータリーが2つ存在しています。
約30年前に東海道本線の新駅を作る計画が立てられ、15年ほど前にロータリーだけが先に完成。しかし、駅はいまだに造られておらず、今後も進む目処は立っていないとのこと。
地元の方に話を聞くと、13年前にこの近くにあった踏切が撤去された影響で、反対側に渡るためには500m先の陸橋まで行かなければならなくなったそう。しかし、それを知らず線路の反対側へ行けると思い、このロータリーに入ってくる車は少なくないのだとか。
海底を歩いて渡れる、日本最古の沈埋式トンネル
衣浦(きぬうら)港には、碧南市と半田市を結ぶ、長さ1.7kmの海底トンネル「衣浦トンネル」があります。
昭和48年、埋め立て直後で不安定な地盤だった場所に、陸上で造った複数のトンネルを海に沈めて地上の道路と繋げる“沈埋(ちんまい)式”工法で建設され、開通しました。沈埋式で造られた海底トンネルとしては、「衣浦トンネル」が日本最古。掘って造るトンネルと違い、トンネル内部は四角い形状をしています。
さらに、「衣浦トンネル」には車道と並行して“歩行者・自転車専用”のトンネルも存在。車道とは別に入口があり、階段で地下11階まで下りると、長さ480mの歩行者・自転車専用のトンネルが現れます。
12月5日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より