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川上憲伸、2度目の完全試合未遂!落合博満監督「お前より期待していた」の真意

川上憲伸、2度目の完全試合未遂!落合博満監督「お前より期待していた」の真意

CBCラジオ『ドラ魂キング』、「川上憲伸、挑戦のキセキ」のコーナーでは川上憲伸さんのプロ野球人生を「挑戦」という切り口で掘り下げています。5月21日の放送では、2006年の交流戦、ロッテ戦での「完全試合未遂」について川上さんが当時の心境を語りました。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。

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セ・リーグっぽいチーム

2005年、惜しくも完全試合を逃した川上さん。翌2006年、またもや千葉ロッテマリーンズとの対戦。今度は本拠地・名古屋で完全試合へのチャンスがめぐってきました。

ロッテについて、「セ・リーグっぽい野球をする」と川上さんは感じていたそうです。実際の対戦経験は少ないものの、もう何度も対戦したことがあるようなイメージで投げられたといいます。

川上「妙に右打ちするバッターがいたりとか。ドカドカ振ってくるというより、コンタクトしてくる感じですね」

ロッテや北海道日本ハムファイターズに対して、そういう意味での投げやすさはあったと川上さんは振り返ります。

安打を許した瞬間

この試合、川上さんは7回ツーアウトまでパーフェクトピッチングを続けていましたが、福浦和也選手にフォアボールを与え、記録は途絶えてしまいました。

そして9回、ピンチヒッターとして登場したサブロー選手を、ツーストライクと有利なカウントまで追い込みました。

川上「アウトコースのストレートのサインが出て。キャッチャーの谷繁(元信)さんは勝負に行ってたと思うんですよね。だけど、僕自身が一球慌てないようにしようと」

すでにフォアボールを出していたため、「ボール何球使ってもいいぞ」という気持ちで落ち着いて投げようとしたといいます。

川上「一球ボール球で行こうという。それが全力でできればよかったんですけど、『もうひとつ先に勝負があるぞ』と、ちょっとふわっといった部分があったと思う」

その結果、川上さんが投じた一球はボールかストライクか微妙なところに向かっていきました。

川上「ちょこんとバットを合わされて、普通にライト前ですよ。右打ちで」

この瞬間、ノーヒットノーランも途絶えてしまったのです。

「まだノーノーもある」

宮部は、普段から言葉数が少ない落合監督が川上さんに向ける言葉には心を揺さぶられることがあったと語ります。

落合監督は、完全試合の記録が途絶えたときに川上さんのいるマウンドへ向かい、「お前より期待していたんだから。まだノーノーもあるから、完封を目指していけ」と話したと記者に語っていました。

川上「ちょっとニヤッとして、マウンドに監督が寄ってきたのを覚えてますね。ダッグアウトから見ていて、『これはいけるな』っていう感覚はあったと思うんですよね」

バッターが追い込まれるのを避けようと早打ちしていた傾向もあり、落合監督には完全試合の可能性が見えていたのではないかと、川上さんは当時の空気感を振り返りました。

川上「そういうのを聞くとなおさらね、しておきたかったなっていうのはありますよね」

チームの連敗ストップにも貢献

落合監督が「完封を目指せ」と言った通り、川上さんはこの試合を1安打完封で締めくくりました。さらに、当時チームが抱えていた対ロッテ戦8連敗も止めたのです。

この年のロッテはとても強かったと川上さんは振り返ります。走塁を多用する積極的な攻撃に加え、総力戦で挑んでくるチーム。特にレギュラー選手と代打の区別なく選手を起用し、頻繁に打順を入れ替える戦略が特徴的だったそうです。

川上「だから僕らもオーダーを出すのが難しかったっていうかね。試合前のミーティングで、ロッテだけは誰が来るか予想できない。1番はなんとなくわかるんですけど、それ以降決まってないとかいうか、そういうチームでしたね」

口数の少ない落合監督が「お前より期待していた」と漏らしたひと言。監督の本音が垣間見えた、信頼の証とも言える瞬間でした。

次回は2006年の日本シリーズ、新庄剛志選手ラストイヤーの日本ハム戦の振り返りをお届けします。
(minto)
 

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