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自衛隊の練習機が犬山市・入鹿池に墜落。事故原因は?

自衛隊の練習機が犬山市・入鹿池に墜落。事故原因は?

5月14日午後3時過ぎ、自衛隊のT4練習機が愛知県犬山市の入鹿池に墜落しました。搭乗していたのは宮崎県新田原(にゅうたばる)基地の隊員二人でした。緊急脱出を行う間もなく、墜落が発生したと考えられています。どうして事故は起こったのでしょうか?5月17日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが自衛隊機の墜落事故について解説します。

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入鹿池付近を旋回するはずが…

大石「このニュースに関しては、木曜(5/15)午後4時時点での情報でお伝えします」

練習機が小牧基地を出たのは、午後3時6分。
北東方向に位置する入鹿池の近くには、明治建築が立ち並ぶ博物館明治村があります。

レーダーから消えて池に墜落するまで、わずか2分の出来事でした。

向かう先は宮崎でしたが、実際に向かったのは北東。
ただし、これは通常の予定ルートだったようです。

予定では、入鹿池付近を旋回して太平洋に出て、知多半島・紀伊半島・四国の先端を通り、宮崎の新田原基地に到着するはずでした。
航行距離が長いため、燃料はおそらく満タンだったと考えられます。

機体は製造から36年経過した2人乗りの純国産機。
パイロット育成に使われる「中等練習機」で、信頼性の高い航空機でした。

大石「ある程度中堅といいますか…腕のある、経験を積んだ人が乗るものだった」

考えにくい?エンジントラブル

宮崎から小牧に来るまでは、F15戦闘機とT4練習機に1人ずつ乗っていました。

目的はF15戦闘機の定期修理でした。

大石「そのためにやってきたわけですよ」

戦闘機を点検に出したのち、練習機に2人が乗り込んで帰る予定でした。
大石は以前、ブルーインパルス(航空ショー)でT4練習機を見かけたことがあるそう。

大石「去年観に行きましたけども」

エンジンは2基搭載されており、片方が故障したとしても、もう片方で飛行できます。
エンジンが両方故障することは考えにくいのでは、と大石。

市街地を外して墜落した可能性も

今回の事故原因は何だったのでしょうか?

自衛隊関係者も含め多方面の専門家に取材したところ、考えられるのは①機体トラブル②人為的なミス③バードストライク(エンジンの中に鳥が入る)などの外的要因、の3つだそうです。

ただ、当日は天気が良く、風もほぼなかったため、視界良好。
また、パイロットの飛行時間は1000時間を超えており、人為的なミスも考えにくいそうです。

大石「まだ事故原因はわかっておりません」

フライトレコーダーやボイスレコーダーが搭載されていなかったため、原因の特定はかなり難しいようです。
ある目撃者によると、「機体を方向転換させて池に落としたように見えた」との証言が。
これについて、元自衛隊トップの河野克俊さんは「事故を起こさせないことが大前提だが、有事の際は市街地を外して墜落した可能性もある」と話しています。
甚大な被害を避け、あえて池に墜落させた可能性が考えられます。

別の目撃者の証言では「くるくる回りながら頭から突っ込んだように見えた」とのこと。
これについては「機体をコントロールできないほどの緊急事態だったのではないか」と河野さん。
また、ベテランパイロットに訊いたところ、「入鹿池は地上から見ると大きいが、空から見ると実は小さい。広い中であえて池を選択したのだろう。偶然池に落ちたとは考えにくい」との見方でした。

現時点では原因不明ながら、1999年に住宅街を避けて河川敷に墜落した自衛隊機の事故を思い出した大石でした。
(nachtm)
 

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