「梅雨型熱中症」命を落としかねない病にも…汗と湿度をコントロール!梅雨時期の「熱中症」対策【医学博士 伊藤敏孝】

2024年6月9日(日)放送 【第609回】
「梅雨型熱中症」命を落としかねない病にも…汗と湿度をコントロール!梅雨時期の「熱中症」対策【医学博士 伊藤敏孝】 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

サマリーSummary

ゲスト:久本雅美
ドクター:新百合ヶ丘総合病院 救急センター センター長 医学博士 伊藤敏孝
まもなく訪れる梅雨のシーズン。これから夏にかけての時期は1年でも特に湿度が高く、6月の東京は80%に達するほど。その影響は食欲不振・気分の落ち込み・頭痛、さらには熱中症など、健康をも脅かします。しかも、命を落としかねない病に繋がる事もあるそうです。そこで今回は、梅雨のジメジメから身体を守る方法を専門家に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、新百合ヶ丘総合病院 救急センター センター長 医学博士 伊藤敏孝先生です。

今回のテーマは「〜梅雨のジメジメは健康の大敵〜汗と湿度をコントロールせよ!」

まもなく訪れる梅雨のシーズン。これから夏にかけての時期は1年でも特に湿度が高く、6月の東京は80%に達するほど。その影響は食欲不振・気分の落ち込み・頭痛など、健康をも脅かします。しかも、命を落としかねない病に繋がる事もあるそうです。そこで今回は、梅雨のジメジメから身体を守る方法を専門家に教えてもらいました。

梅雨のジメジメは健康の大敵!湿度が及ぼす悪影響

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<湿度が高いと暑く感じる!?>
汗をかくと、汗が蒸発する際に身体の温度を下げるそうです。これを「気化熱」と言います。ところが、湿度が高い環境では汗が蒸発しにくくなり、体温が上昇してしまうのだとか。体温が上がると体温調節を担う自律神経が乱れて、だるさや疲れ、憂鬱などの症状につながるそうです。

<ジメジメで頭痛・関節痛などが起きるのはなぜ?>
体内に熱がこもると血管が拡張し、その周りの神経が刺激されて痛みを起こすそうです。

<梅雨型熱中症に注意!>
湿度が高いと梅雨型熱中症につながる恐れがあるそうです。暑くなくても湿度が高い時期は、体温が下がらず熱中症になりやすいのだとか。先生によると、夏場は多くの人が暑さに慣れてきて水分補給をしたり、暑さ対策を行ったりしますが6月は油断しやすいので要注意なのだそう。実際に2022年東京都の熱中症による緊急搬送者数は、8月より6月の方が多いというデータもあります。

<肺炎を引き起こすカビ>
先生によると、梅雨時期に注意しておかなければならないのが「カビ」。湿気を吸収しホコリなどを栄養にして育つカビは、梅雨時期に発生するリスクが高まります。例えば、「夏型過敏性肺炎」は、トリコスポロンというカビを吸い込む事によって発症するアレルギー性の肺疾患。トリコスポロンは、高温多湿な環境や、木材などに発生する白いカビで、発症するとせきや発熱などの症状を引き起こします。家の中にいると症状が出ますが、外出すると症状がおさまるという特徴もあるそうです。

梅雨時期は特に危険!家の意外な所に発生するカビ

カビが増えやすい環境は、気温20〜30、湿度60%以上。そのため、今の時期は注意が必要だそうです。湿気がこもりやすい「エアコン」「浴室」以外に、家の中でカビが発生しやすい意外な場所を3つご紹介します。

<カビポイント(1)「カーテン」>
梅雨時期は、窓についた結露をカーテンが吸収しカビが生えやすい環境になるそうです。

<カビポイント(2)「観葉植物」>
観葉植物は、水やりをすると湿度が上がるのでカビが生えやすい環境になるそうです。見逃しやすいのは、葉っぱの裏。ご自宅の観葉植物を確認してみましょう。

<カビポイント(3)「ハンガー」>
洗濯物を部屋干しにしている場合は、ハンガーなどに要注意。湿ったハンガーをそのままにしておくとカビが生えてしまう場合があるので、こまめに乾拭きをすると良いそうです。

梅雨のジメジメ対策

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<カビ予防のポイントは風のコントロール>
カビを効果的に予防するためには、風をコントロールする事が重要だそうです。例えば、サーキュレーターを使う時は、向きが重要。上に向けて空気の流れを作る事で、湿度が高くなるのを防ぎカビの予防につながるのだとか。サーキュレーターは、湿度60〜80%で使用するのがオススメ。風を上手に使って、ジメジメの季節を健やかに乗り越えましょう。

<梅雨時期の熱中症対策>
湿度が80%を超えると、サーキュレーターや水分補給などが必要になるそうです。梅雨の時期は、湿度が上がって汗を感じにくいので、部屋に湿度計を置く事がとても重要なのだとか。部屋の湿度をチェックして、熱中症を予防しましょう。

<外出時は長袖・長ズボンがオススメ!>
先生がオススメする外出時の服装は、通気性の良い長袖と長ズボン。リネン(麻)など通気性の良い素材の長袖は、効率よく汗を吸収するので体温が下がりやすいのだとか。一方、半袖のTシャツやタンクトップで肌が汗だらけの状態は汗が蒸発しにくいそうです。そのため、半袖の時はこまめに汗を拭き取る事が大切!ただし、乾燥したタオルは汗を取りすぎてしまうので、ウエットティッシュや濡れタオルで拭くのがオススメだそうです。

今日から始められる!消防隊に学ぶ熱中症対策

<暑さに慣れる「暑熱順化」が大事>
暑熱順化とは、暑さに身体を慣らす事。暑熱順化によって暑さに慣れると、同じ運動量でも汗をかきやすくなるのだとか。先生によると、6月に熱中症患者が意外と多いのは、暑熱順化ができていない事も原因の1つと考えられるそうです。

<消防隊でも行われる「暑熱順化トレーニング」>
消防隊員は、火災現場での熱中症リスクが高いため、夏を迎える前から負荷をかけた有酸素運動など、汗をかくのを目的とした暑熱順化トレーニングを行なっているそうです。

<暑熱順化の効果は?>
暑熱順化を行うと、汗をかきやすくなり汗の成分も変わるそうです。その成分が「ナトリウム」。ナトリウムは、体内の水分バランスを整えたり身体のさまざまな機能を調整したりする働きがあるといいます。ところが、運動習慣がない人は、汗に多くのナトリウムを含んでいるため、汗をかくとナトリウムが失われて夏バテにつながりやすくなるのだとか。一方、運動をして暑熱順化を行うと汗で失われるナトリウムが抑えられ、夏バテや熱中症を予防する身体づくりが出来るそうです。

<運動習慣のない人はじんわり汗をかくことから>
先生によると、普段あまり運動をしない人は一駅前から歩くなど、じんわり汗をかく事から始めると良いとの事。また、うっすら発汗する程度に湯船に入るのもオススメだそうです。

(2024年6月9日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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