「腎臓」悪くなると“老化”も進む!?…深い関わりが明らかに!衰えを早期発見!腎機能をキープする方法
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、東京慈恵会医科大学 腎臓・高血圧内科 主任教授 医学博士 横尾隆先生です。
今回のテーマは「〜あなたの老化は腎臓次第!〜人生100年時代の腎臓を守る方法」
18歳以上の成人の5人に1人が患っていると言われる病「慢性腎臓病」。慢性腎臓病とは、血液のろ過機能などが低下する病気。病が進行し重度の腎不全になると、人工透析での治療を一生続けなければなりません。しかも、腎臓は“沈黙の臓器”と言われ、自覚症状がほとんどなく、一度機能を失うと二度と再生しません。自覚症状がないからといって放っておくと、腎不全だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こし命の危険もあるそうです。また、腎臓が悪くなるとその人自身の老化も進みます。同じ80歳でも元気な人とそうでない人がいますが、その原因の1つは腎機能の状態に比例するのだとか。そこで今回は、腎臓の衰えを早期に発見し、腎機能をキープする方法を専門医に教えてもらいました。
腎臓の基礎知識

<腎臓ってどんな臓器?>
腎臓は、背中の高い位置に2つある臓器。1つの腎臓がレモン1つ分程度の大きさで、尿を作って身体の中の毒素を排出する機能があるそうです。
<腎臓と老化の関係>
近年老化の研究が進んでおり、腎臓と老化に非常に深い関わりがあることが明らかになってきたといいます。同じ80歳でも若々しい人とそうでない人がいますが、高齢者で元気がない人の原因の1つは、腎臓が出している抗老化たんぱくの減少であることがわかってきたそうです。
<腎臓の働き>
腎臓には糸球体と呼ばれる無数のフィルターがあり、たんぱく質などの栄養分は身体に残し、必要のない老廃物などは尿のもととして分けています。フィルターとなる糸球体は、腎臓1つに約100万個あると言われていますが、日本人は70万個未満であることが最近になって明らかになったのだとか。そのため、日本人こそ腎臓を守ることが大事だそうです。
腎機能低下の原因
<腎機能低下の原因(1)高血圧>
腎機能低下の原因の1つが高血圧。血液の圧力が高いとフィルター(糸球体)の網目が
壊されて、腎臓のろ過機能が低下。本来身体に残るはずの栄養分などが出ていってしまうそうです。
<腎機能低下の原因(2)糖尿病>
糖尿病も腎機能低下の原因の1つ。糖尿病の場合は、血液中の過剰な糖分が糸球体の血管を傷つけるため、フィルターの網目が大きくなり、ろ過機能が低下してしまうそうです。
健康診断でわかる腎機能の低下
<腎機能の低下がわかる「eGFR値」>
腎機能の低下は、健康診断にある「eGFR」の数値でわかるそうです。eGFRは、性別・年齢・血液中のクレアチニンという老廃物から算出される数値で、腎臓が血液中の老廃物をどれくらいろ過できるかを表します。eGFR値60未満が3か月以上続くと「慢性腎臓病」と診断されるそうです。
<eGFR値と腎臓のはたらきの程度>
・ステージG1 eGFR値90以上 腎臓のはたらきの程度→正常
・ステージG2 eGFR値89〜60 腎臓のはたらきの程度→正常または軽度低下
・ステージG3a eGFR値59〜45 腎臓のはたらきの程度→軽度〜中等程度
・ステージG3b eGFR値44〜30 腎臓のはたらきの程度→中等度〜高度低下
・ステージG4 eGFR値29〜15 腎臓のはたらきの程度→高度低下
・ステージG5 eGFR値15未満 腎臓のはたらきの程度→高度低下〜末期腎不全
<人生100年時代…今こそ腎臓を守ろう!その(1)>
慢性腎臓病とは、腎機能の低下や腎臓の障害が3か月以上続いた状態のこと。何も対策せずに放置していると、軽度〜中等程度にあたるG3aの場合でも約15年後には腎不全を発症し、人工透析が必要になる可能性あるのだとか。腎機能は改善することがないため、eGFR値が正常でもその状態をキープすることが大切だそうです。(※急性腎臓病などを除く)
日常生活に潜む腎機能低下の危険サイン
<(1)尿が泡立つ>
糸球体が傷つき、フィルターの網目が大きくなると必要な栄養であるたんぱく質が尿に出ます。これがいわゆる「たんぱく尿」。尿にたんぱく質が出ると、泡立ちやすくなるのだとか。尿の勢いや便器の形によって泡が立つことがありますが、健康な場合は泡が次々に消えていきます。しかし、たんぱく尿の場合は泡がなかなか消えないそうです。
<(2)むくみ>
たんぱく質には、血液中の水分保持の役割があります。尿からたんぱく質が出ると、血液中のたんぱく濃度が低下し、血管の外に水分が漏れることでむくみの原因につながるのだとか。その状態を放置していると、全身の至るところがむくみだし、身体を巡る血液の量が増加。すると、心臓に負担がかかり心不全に陥る危険もあるそうです。
<人生100年時代…今こそ腎臓を守ろう!その(2)>
たんぱく尿やむくみを感じたらすぐに検査を受け、今の腎機能をキープしましょう。
慢性腎臓病の第2段階「尿毒症」

<腎臓が悪くなる過程は2段階>
腎臓が悪くなる過程は2段階あるそうです。1段階目は、たんぱく尿のように身体に必要なものが出てしまう状態。もっと進行すると、不要なものを捨てられなくなり、身体に毒素が溜まってしまう「尿毒症」の症状が出始めるそうです。
<「尿毒症」について>
腎機能低下の症状が進むと、腎臓にある約70万個の糸球体の機能が徐々に失われます。すると、血液が腎臓に運ばれてきても捨てるはずの毒素が排出できず、体内に蓄積してしまうのだとか。毒素が脳に回ると、認知機能を低下させ認知症のリスクに。そして、尿毒症が悪化すると人工透析が必要な腎不全となってしまうそうです。
<人生100年時代…今こそ腎臓を守ろう!その(3)>
先生によると、尿毒症に自分で気づくのはなかなか難しいそうですが、寝ても疲れがとれないなど「倦怠感」を訴えるケースが多いとのこと。だるいのは年のせいだと思い込み、そのままにしていた結果、本当に動けなくなって病院に運ばれてくる患者も多いのだとか。そのため、いち早く尿毒症を察知し、人工透析などを必要とする事態にならない行動をとりましょう。
腎臓を守る方法
<(1)塩分を摂りすぎない>
塩分を摂り過ぎると、身体に溜まったナトリウムを身体の外に出すため、腎臓が一生懸命働くのでオーバーワークになってしまいます。塩分の摂取量は、1日小さじ1杯程度の6gが目安。お味噌汁1杯で約1〜1.5gだそうです。
<(2)質の良い睡眠をとる>
睡眠不足の人は、たんぱく尿の発症リスクが高いというデータがあります(※日本人のデータではありません)。そのため、ストレスを溜めずに質の良い睡眠をとるよう心がけましょう。
別の病気と勘違い!?腎機能低下を見落とす危険なケース
<「前立腺肥大症」と思いきや腎機能低下>
先生によると、腎機能低下による夜間頻尿を前立腺肥大症と勘違いしてしまうケースが非常に多いそうです。前立腺肥大症とは、加齢などが原因で男性特有の臓器である前立腺が肥大する病気。尿道を圧迫し、排尿困難や頻尿などの症状を引き起こします。就寝中は汗などから身体が少しずつ乾き脱水に傾いていきますが、健康な人は尿を濃くして身体に水分を溜めることができます。しかし、腎機能が低下すると、尿を濃くすることができなくなるため、身体が脱水に傾いている夜間でもトイレに行きたくなってしまうそうです。
<前立腺肥大症と腎機能低下の見分け方>
前立腺肥大症の場合は少ししか尿が出ず、腎機能が低下している場合は夜中でもしっかり尿が出るそうです。
<「過活動膀胱」と思いきや腎機能低下>
女性の場合は、過活動膀胱と勘違いするケースが多いそうです。過活動膀胱とは尿が溜まっていないのに強い尿意に襲われてしまう病気でトイレの回数が増えてしまいます。原因ははっきりしていませんが、膀胱の柔軟性が低下することが関係していると言われています。
<人生100年時代…今こそ腎臓を守ろう!その(4)>
夜中トイレに行かないために眠る前の水分を控えてしまいがちですが、この行為はとても危険だそうです。腎機能が低下していると、身体が乾いていてもどんどん尿が作られてしまいます。すると、朝の脱水がひどくなり、起床時に心筋梗塞や脳梗塞を発症するリスクが高くなってしまうのだとか。そのため、病名がハッキリしない夜間頻尿に悩む場合は、腎機能低下を疑いましょう。
人生100年時代の腎臓を守る
先生によると、腎機能は一度低下すると元に戻ることはありませんが、近年良い薬も色々出ているとのこと。例えば、2021年に登場した「SGLT2阻害薬」は、腎臓に直接働きかけて腎機能の低下を抑える治療薬で、普及し始めているのだとか。腎機能が低下してきたら、生活を整えるとともに、薬の力も借りつつ腎臓を守っていくことが大切だそうです。
(2025年11月30日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)
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