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意外と知らない遺言書と「エンディングノート」の使い分け

意外と知らない遺言書と「エンディングノート」の使い分け

60代を迎えると気になるのが、万が一自分がいなくなってからでも家族に迷惑をかけないようにすること。いわゆる終活の一環として「エンディングノート」を書くことが広まっていますが、実際にどのようなことを書けば良いのでしょうか?12月1日放送の『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)では、知ってるようで知らない遺言書とエンディングノートの違い、そしてこれらをあらかじめ記しておくメリットなどを紹介。小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャルプランナー、徳山誠也さんが解説します。

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終活で利用されるエンディングノート

今回、番組で取り上げた質問は次のとおりです。

「こどもたちがもめないように遺言書を書かなければいけないと思いつつ、本屋さんでいろいろな本を見ていました。

すると遺言書の書き方のコーナーのところに、エンディングノートに関する書籍もたくさん置いてありました。
中身をパラパラ見てみると、遺言書を書くよりもとっつきやすいというか、気軽に書けそうな気がします。

遺言書とエンディングノートは違うということはわかっていますが、どのように使い分ければ良いのでしょうか?」(Aさん)

なんとなく遺言書は財産分与に関する方法が書かれていて、エンディングノートはそれ以外全般というイメージがあります。

実際にはそれぞれどのようなことを書くためのものなのでしょうか?

遺言書との大きな違い

エンディングノートは自分が将来亡くなった時や介護状態になった時、長期的な入院をすることになった時などに備え、家族や友人へのメッセージなどを綴っておくもの。

遺言書との一番の違いは、法律的な効力がないということです。

徳山さんは、「遺言書には法律に則った財産の引き継ぎなどを定めるような、いわゆる契約書に近いものだとすると、エンディングノートは手紙のようなものです」とまとめました。

とはいえ、エンディングノートは単に親しい人へのメッセージ集にはとどまりません。

エンディングノートにはおおむね次のような項目があります。
氏名、家族構成、生年月日、住所、趣味などといった本人の基本情報や、財産や資産についての情報。これは住宅ローンや保険なども含まれます。
あとは医療や介護、葬儀やお墓などに関する自分の希望や、パソコンやスマホ、自分が利用しているサブスクなどのサービスのアカウントIDとパスワード。

本人以外のことでは、ペットを今後どのように育ててほしいかという希望や、友人や会社などの連絡先など、非常に多岐にわたります。

書くとよい3つのメリット

ここで徳山さんはエンディングノートを書くメリットを3つ挙げました。

1つ目は家族の負担を大きく軽減できることで、あらかじめ希望を明確にすると手続きがしやすくなります。

2つ目は自分の意向が確実に伝えられることで、特に延命治療や介護など、その時になると伝えにくくなってしまう場合もあるため、あらかじめ伝えておくことは大事です。

最後は書くという行為によって今までの人生を振り返ることで、心の整理ができるという点。
これからの人生設計を見直すきっかけになります。

遺言書とは異なり完全なものを作る必要はないため、書きやすいものから書いてみるのが良いですし、状況が変われば書き換えても良いとのことです。

確実に伝えるための方法

ただ気になるのが、家族に伝えたい内容が亡くなった後にきちんと伝わるのかという点。

誰でも見られる場所に置くわけにもいかないでしょうし、かといって自分しか暗証番号がわからない金庫に入れておくことは本末転倒です。

そこでファイナンシャルプランナーの立場から、徳山さんがよく勧めているのは遺言書の付言事項。
法律的な効力はないですが、家族への思いやなぜこのような遺言書の内容にしたのかといった補足を書いておくことができます。

遺言書は法務局で預かってもらうことができ、亡くなった後に法定相続人に通知されるという仕組みがあり、生前は他の人に知られずに亡くなってから確実に知らせることができます。

最近はスマホを使った各種サービスのパスワードがわからず、引き落とし続けられてしまうことが社会問題になっています。
家族に迷惑をかけないためにも、あらかじめ伝えておいた方が良さそうですね。
(岡本)
 

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