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「耳アカ」実は取っちゃいけない!?医師が警鐘を鳴らす!今年の秋に気をつけたい鼻と耳のトラブル

「耳アカ」実は取っちゃいけない!?医師が警鐘を鳴らす!今年の秋に気をつけたい鼻と耳のトラブル

サマリーSummary

ゲスト:村上佳菜子
ドクター:JCHO東京新宿メディカルセンター 医学博士 石井正則
秋は、暖房・花粉・寒暖差などの影響で鼻のトラブルが起きやすいシーズン。さらに、リモートワークの影響で近年は耳のトラブルも増加しているといいます。そこで今回は、今年の秋に気をつけたい鼻と耳のトラブルについて専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。

今回のテーマは「~医師が警鐘を鳴らす!~秋の鼻と耳のトラブル

秋は、暖房・花粉・寒暖差などの影響で鼻のトラブルが起きやすいシーズン。さらに、リモートワークの影響で近年は耳のトラブルも増加しているといいます。そこで今回は、今年の秋に気をつけたい鼻と耳のトラブルについて専門医に教えてもらいました。

鼻のトラブル ~危険のサインはネバネバ鼻水!~

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

<鼻水の基礎知識>
鼻水は、鼻腔の表面から分泌される粘液で、1日1~1.5Lほど分泌されています。鼻水の大事な役割の1つが、外から入ってきた異物を吸着させる事。これにより、病気の原因となる細菌やウイルスが直接体内に入るのを防いでくれるのだとか。そして、異物を吸着した鼻水は鼻腔などの粘膜表面にある繊毛運動によって喉へ運ばれます。そこから胃に流され殺菌・分解されるそうです。

<鼻水がネバネバになる理由>
空気が乾燥し気温が低下すると繊毛の動きが鈍くなりやすく、鼻の中に入ってくる病原体が留まり炎症を起こす事があります。その炎症を抑えるために、鼻の中では白血球が戦い、ムチンという物質が増えます。ムチンは、鼻水に含まれる成分で粘膜の保護・抗菌・異物除去などの役割を担っていますが、粘性が高いので増加すると鼻水がネバネバになるのだとか。気をつけなければならないのは、ネバネバ鼻水には有害な病原体が残っている事。放っておくと炎症がひどくなり、炎症が悪化するごとに白→黄色→緑と鼻水の色が濃くなっていくそうです。

<ネバネバ鼻水が危険な理由>
頭蓋骨には空洞がいくつもあり、鼻腔と小さな穴で繋がっています。これを「副鼻腔」といいます。鼻の奥にある副鼻腔にはウイルスや細菌が侵入する事があり、中で炎症を起こして鼻水がネバネバになると、空洞の出入口が詰まって排出が難しくなる事があるのだとか。これを副鼻腔炎といいます。ネバネバ鼻水が溜まる場所によっては、脳に流れ込んで脳の膜(髄膜)に炎症を起こしたり、失明したりする事もあるそうです。

<鼻から生える謎の「キノコ」?>
副鼻腔炎などの炎症が長く続くと、鼻の中の粘膜が腫れてキノコ状に膨らんでしまう事があるそうです。これを「鼻茸」といい、鼻づまりや嗅覚障害などを引き起こすそうです。

<ネバネバ鼻水が続く場合は病院へ>
先生曰く、ネバネバの鼻水は鼻の中に炎症がある証拠。通常は数週間で治るそうですが、1か月以上治らない場合は炎症が起きて悪循環を起こしている可能性があるのだとか。ネバネバ鼻水が続く場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

耳のトラブル ~イヤホンが原因で鼓膜に穴!?~

<耳の基礎知識>
耳は、穴から鼓膜までの「外耳」、鼓膜などがある「中耳」、さらにその奥にある「内耳」で構成されています。なかでも、耳の穴から3センチほどの場所にある鼓膜は、外部の音を最初に捉える大事な器官です。

<イヤホンが原因で鼓膜に穴!?>
・鼓膜に穴があく原因(1)サイズの合わないイヤホン
先生によると、イヤホンをつけている時に耳の穴が痛くなる場合は、サイズが合っていない可能性があるとの事。サイズの大きいイヤホンを無理やり使っていると、耳の穴の皮膚がイヤホンとの摩擦で擦れて炎症を起こしやすくなるそうです。コロナ禍によるリモートワークの増加などで、イヤホンをつける時間が長くなっている方は注意しましょう。

・鼓膜に穴があく原因(2)汚れたイヤホン
外耳には、耳垢腺という分泌腺があり、イヤホンなどで長時間密閉すると湿度が上がりカビが繁殖しやすい状態になるのだとか。外耳にカビが生える病気を「外耳道真菌症」といい、耳の強いかゆみ・耳の痛み・耳だれなどの症状が出るそうです。さらに炎症が進行すると、鼓膜炎や中耳炎などを引き起こし、鼓膜に穴が開いてしまう事もあるとの事。その原因の1つがイヤホンの汚れ。イヤホンを使ったら除菌シートなどで拭いて清潔に保ちましょう。

<耳を守る正義の味方「耳アカ」の3大パワー>
耳アカの正体は鼓膜が新陳代謝によって剥がれたもので、イヤホンなどから耳を守るさまざまな働きがあるそうです。
・耳アカパワー(1)「ゴミの侵入をブロック」
耳アカには粘着力があり、外からの異物をキャッチ。耳の中を綺麗に保ってくれているそうです。
・耳アカパワー(2)「外耳道と鼓膜を保護」
耳アカは、耳垢腺から出る分泌液を取り込み加湿する事で、耳の中の薄い皮膚が傷つかないように守っているそうです。
・耳アカパワー(3)「細菌の感染をブロック」
耳垢腺の分泌液にはIgAという免疫物質が含まれており、耳アカ自体にも細菌が守る免疫機能があるそうです。

<耳掃除はしない方がいい?>
先生曰く、耳アカは基本的に外に出してはいけないもので、耳掃除は推奨していないそうです。耳アカは自然に出てくるそうなので、耳掃除をする場合は1か月に1回程度、綿棒で行えば良いとの事。あまり奥には入れず綿棒の綿の部分、約1cmを掃除すると良いそうです。耳掃除をやりすぎると、耳のトラブルにつながる恐れがあるので注意しましょう。

(2021年10月24日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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