コスプレ撮影もできる!?江戸時代から続く茶室兼別邸「玄甲舎」とは?三重県の隠れた名所を調査
三重県玉城町に、江戸時代後期から続く美しい茶室と庭園があることをご存知でしょうか。金森得水が1847年に建てた「玄甲舎」は、茶室兼別邸として170年もの間、その優雅な姿を保ち続けています。今回はよしお兄さんが「玄甲舎」へ伺い、繊細な工夫が施された茶室兼別邸を調査しました。
文化人・金森得水が残した茶室兼別邸の傑作

田丸駅から徒歩10分の場所にたたずむ「玄甲舎」は、江戸時代後期に活躍した文化人・金森得水によって建てられました。得水は荒地を田畑に変えて地域の財政立て直しに貢献した功労者であると同時に、表千家茶道をはじめ書道や和歌にも精通した多才な人物でした。
(玄甲舎管理人・栃本明子さん)
「江戸時代後期に金森得水という人物が建てた、茶室兼別邸の建物です」

この建物の最大の特徴は、茶室と住居が一体となった珍しい構造。玄関横には蔵が配置されており、これは茶室としての謙虚な心を表現するため、建物全体の大きさを感じさせないよう工夫されています。1847年に建てられた当時の面影を残しながら、2017年の大規模修復では一度すべてを解体し、なんと建材の80%をそのまま再利用して復元されました。
こだわりが随所に!美しい茶室の繊細な工夫

茶室部分は、居宅部分とは一風変わった繊細な工夫が随所に施されています。天井板には「柾目板」と呼ばれる木目がまっすぐで良質な材が使用されており、これは来客への最高のおもてなしの心を表現しています。

(玄甲舎管理人・栃本明子さん)
「こちらはたくさんのお客様をお招きしてお茶会が開かれていたお部屋だといわれています。天井板も、柾目板(まさめいた)という木目が真っすぐな木が使われています。良い材を使ってお客さまへのおもてなしの心を表しているといわれています」
さらに注目すべきは、炭を入れて湯を沸かすための「炉」の位置です。本来は床の間側に設置されるのが一般的ですが、玄甲舎では反対側に配置されています。
(玄甲舎管理人・栃本明子さん)
「お庭の方を向いてお茶をたてるスタイルです」
この工夫により、茶をたてながら美しい庭園の景色も同時に楽しめるという、まさに得水のこだわりが表れた設計です。
歴史ある茶室でコスプレイベントも開催!

玄甲舎の庭園には、発掘して出てきた敷石がそのまま並べられており、当時の姿を現代に伝えています。
(玄甲舎管理人・栃本明子さん)
「当時は向こうまで見渡せて、山並みを借景に庭を設計したといわれています」
大の亀好きだった得水らしく、六角形のデザインなど亀のモチーフが建物のあちこちに散りばめられており、襖の引手も亀の形というかわいらしい遊び心も見つけることができます。

この歴史ある茶室では、実際に茶道体験も可能。さらに、コスプレ撮影などのレンタルスペースとしても利用されており、伝統と現代文化が融合した新しい楽しみ方も提供されています。
(よしお兄さん)
「本日の推しどころキャッチコピー!『見てよし、借りてよし、歴史ある茶室と庭園』」
三重県では令和15年の神宮式年遷宮に向けてガーデンツーリズムを推進しています。「お伊勢参り」の歴史と文化を持つこの地で、庭園を巡る新しい観光スタイルを体験してみては?
CBCテレビ「チャント!」2025年11月19日放送より


