オープン前30分が勝負!名古屋港水族館・飼育員の知られざる1日
11月24日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、家族で楽しめる人気スポット・名古屋港水族館を特集しました。スタジオに名古屋港水族館飼育展示部の坂岡賢さんをお迎えし、普段はなかなか見られない水族館の裏側について詳しく伺いました。こちらでは、知られざる飼育員の1日についてお届けします。
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光山雄一朗アナウンサーは先日、今回の特集のため水族館を訪れ、坂岡さんに展示されている生き物について案内してもらいました。1~2時間ではとても時間が足りないほど、水族館には見どころが詰まっていたそうです。
坂岡さんは若い頃は「飼育係のお兄さん」として働き始め、長い年月を経て「気づけば飼育係のおじさんになってしまった」と笑います。
現在は熱帯の魚、サンゴ、クラゲを中心に担当していますが、これまでに魚をはじめ、クラゲ、さらにはペンギンやウミガメの飼育も経験してきました。
それぞれの生き物を担当する期間は4年から5年程度。担当が変わるたびにその生き物について学ばなければなりません。
「ペンギンとクラゲ、同じ生き物ではあるんですけれども、全く形も違いますし、食べるものも暮らし方も全然違いますので。本当に一から勉強し直しなので、最初の1年が特に苦しいんですよね」
時には以前の担当場所に間違えて吸い寄せられるように行ってしまうこともあるという、出会いと別れの繰り返しが飼育員の日常です。
オープン前30分が勝負
クラゲ飼育員としての1日は、朝9時のミーティングからスタート。365日の仕事で交代勤務のため、前日の引き継ぎを行なった後、すぐに水槽の掃除に取り掛かります。
「水槽っていうのは、本当によく汚れるんですよね」
昨日の夜に掃除をしても、翌朝にはまた汚れてしまうため、水族館の開館時間である9時30分までのわずか30分間で、すべての水槽を綺麗にしなければなりません。
バケツをひっくり返してしまうと時間のロスになり、かなり焦ってしまうそうです。このオープン前の30分間が、1日の中で最も忙しい時間帯となっています。
見回りから餌やりまで
水槽の掃除が終わると、次は水槽の見回りです。生き物の状態を確認するのはもちろん、水槽を維持する機械、水温、水質など、さまざまな要素をチェックしていきます。
クラゲの餌やりは特に手間がかかります。クラゲの餌は動物プランクトンで、缶の中にある卵を海水の中で1日温め、ふ化させる必要があります。毎日この卵からの餌の準備が欠かせません。
餌も一度に入れて終わりではなく、しばらく食べている様子を観察する必要があります。量を調節したり、生き物の調子を確認したりしながら、時間をかけて餌やりを行なうそうです。
閉館後も朝と同様に見回りを行ないます。現在、名古屋港水族館では約60人の飼育員が働いており、365日交代勤務で生き物たちと向き合っています。
家族連れで賑わう水族館の裏側では、このような飼育員たちの地道な努力と愛情が、生き物たちの健康と来館者の楽しい思い出を支えています。
(minto)
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