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忘れた頃に起こる相続の問題!知っておきたい「特別受益」

忘れた頃に起こる相続の問題!知っておきたい「特別受益」

昨今、少子高齢化により、中小企業や小規模事業者の後継者難が大きな経営課題となっています。そして、元気なうちに資産の管理や、次世代へのスムーズな承継について考えていく必要性も高まっています。CBCラジオ『北野誠のズバリ』「シサンのシュウカツにズバリ」では、事業承継と資産承継について専門家をゲストに学んでいきます。11月20日の放送では、相続時に「過去の贈与で揉めたくない」という相談について北野誠と松岡亜矢子が三井住友信託銀行 名古屋営業部 財務コンサルタントの齋藤元紀さんに伺いました。

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平等に遺産を相続したい

今回齋藤さんは、「こどもたちへの相続時に過去贈与を引き合いに揉めないようにするにはどのような準備をしたらよいか?」というAさんの相談の解決策を紹介します。
どのような状況だったのでしょうか?

Aさんには長男・長女がいました。長男にこどもが生まれた時、家を建てることになり住宅購入資金として1000万円を援助。
一方、長女は嫁いだ先が裕福で、義理の親が援助して家を建てたのでAさんは援助していません。

Aさんとしては、どちらもお腹を痛めて生んだこどもなので「平等に財産を渡したい」と考えたそうです。

齋藤「相続財産は金融資産のみになる予定ですが、相続時にある財産を2分の1ずつで分けても、長男に援助した住宅資金があるのでどうしましょう?という内容のご相談でした」

北野「最初に長男に1000万円援助していますからね」

「特別受益」って知っている?

生前贈与した分は相続時にはどのような扱いになるのでしょう?

特定の相続人が亡くなった人から生前に受け取った贈与や、それに相当する金銭などを受け取ったものは「特別受益」と言われていると解説する齋藤さん。

相続人が全員、被相続人からほぼ同様の生前贈与や金銭的支援を受けていたなら、特別受益とは見なされないと続けます。

齋藤「このケースでは、長男のみが住宅資金援助を1000万円受けているので特別受益と見なされます」

この場合、遺産分割協議の際に住宅資金贈与した金額を遺産に加えて、その合計額をもとに遺産分割の方法を決めるとのこと。

齋藤「これを『特別受益の持ち戻し』といいます」

北野「『特別受益の持ち戻し』ですか?あまり聞かないですね。一般的に皆知っています?」

「一般的に知られていない」と齋藤さん、次の点がポイントだと続けます。

齋藤「特別受益に関しては、亡くなられた方と贈与等された方しか知らない場合もあります。しかも法的には過去何年以内といった期限は決まってない。下手したら5歳~15歳のときも」

北野「それじゃもらったとしても、わかってないですよね?それだと相続時にややこしくなるんですか?」

過去の贈与が判明した場合の相続は「揉める場合が多い」と齋藤さん。

忘れた頃に揉める贈与問題の解決策二つ

このような場合は、どのような対策があるのでしょうか?
一般的な二つの方法を紹介しました。

齋藤「一つは生前に相続人間が平等になる様に贈与して不平等感をなくすこと。もう一つは長男への贈与を考慮した遺言書の作成が効果的」

Aさんの場合は、こども二人には「平等に遺産を含め財産を渡したい」との希望があり、遺産として渡す財産は金融資産のみになりそうだとの話がありました。

そこで齋藤さんは以下のような提案をしたそうです。

齋藤「遺言書を作成して、長女に先取り1000万円してもらい、残った金融資産を1/2ずつ配分する」

北野「なるほど。遺言書を書いたらいいんですね。人は忘れますからね」

Aさんは、遺言書を作成して相談者が亡くなった時に平等になるという齋藤さん提案を受け入れ、安心して頂くことができたそうです。

北野「亡くなった後に揉められるのも嫌な話ですからね。こういうカタチでしたら、皆さんが納得されますからね」

北野も「特別受益の持ち戻し」の仕組みを知り、存分に納得した様子でした。
(野村)
 

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