海外でもジャポニカ米栽培!今後の米不足の備えになるか

値上げの高止まりが続くコメの価格。政府は対応を迫られていますが、一方でコメ生産農家の高齢化という長期的な課題が残っています。10年後にはコメ生産者の平均年齢が80歳になってしまうことも予想されています。4月18日の『CBCラジオ #プラス!』では、パーソナリティの竹地祐治アナウンサーが、さらなるコメ不足への備えとして外国産米への期待を語ります。聞き手は天野なな実です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くカリフォルニアのカルローズ
実は国産米と同じジャポニカ種を栽培している国は少なくありません。
例えばアメリカカルフォルニア州で生産されているのが「カルローズ」。
牛丼チェーン店『吉野家』が国産米とブレンドして提供しており、「知らずに口にしている人も多いのでは?」と竹地。
カリフォルニアで米作りの礎を築いてきたのは日系移民の国府田敬三郎氏。100年以上前、日本由来の中粒種の栽培に成功しました。
さらにカリフォルニアで館外施設を整備し、飛行機で米の種を蒔くという画期的な手法を導入したことで、カリフォルニアでは日本と同じような米が採れる状況だとか。
その米が日本にも輸入されてきており、値上がりしている現在でも5kgで2000~3000円で購入することができるそうです。
オーストラリアのサンライス
オーストラリアでもジャポニカ米を栽培しています。
ニューサウスウェールズ州が米の一大産地で、現在オーストラリアで生産される米のうち85%が日本由来のジャポニカ米。
中でも『サンライス』というブランドが有名だそうです。
さらに、米の収穫効率を示す「反収」は、実はオーストラリアが世界一だとか。
この地でも約100前、日系移民の高須賀穣氏がジャポニカ米の栽培技術の確立に成功したのが由来です。
カリフォルニア産米ほどではありませんが、現地でも普及しています。
中国の黒龍江省
最後は中国の黒龍江省産。
生産地はかつて「東洋のパリ」と呼ばれ、満州の主要都市だったハルビン。
北海道の稚内と緯度が同じで、夏場は最高気温30度を超え、冬にはマイナス30度まで下がります。
北海道と同じ緯度でも、より暑くより寒いハルビンは米作りに適しているとか。
竹地「なんでだと思います?」
天野「えー…温度差?」
竹地「虫がつきにくい!」
マイナス30度を超える冬を越すことができず、土の中でも死んでしまうため虫がつきずらいそうです。
特に人気なのがハルビンの南部にある五常市で作られる五常大米。
北海道や東北でよく使われるような品種が導入され、寒冷地に適した品種改良が進んだ結果、日本でも食べやすいお米ができました。
持続可能な食卓の形のために
天野が気になるのは外国産米の味。
竹地曰く、現地の日本人らは日本のお米と変わらないと評価しているそうです。
日本発祥の米はこのように世界でも作られています。
そして米農家の高齢化は今後さらに深刻な問題となっていきます。
竹地「いま準備しないともう間に合わないかもということで、持続可能な食卓の形っていうのを、お米でもそれ以外の作物でもそうだと思うんですけども、考える必要があるのかな」
数年後陥るかもしれない国産米の崩壊に備え、外国産米も視野に入れる必要があるのかもしれません。
(ランチョンマット先輩)
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