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紙の切符が消える?京阪電鉄が全駅で「QR乗車券」導入へ

紙の切符が消える?京阪電鉄が全駅で「QR乗車券」導入へ

京阪電気鉄道が主要路線の全駅で利用できるQRコード乗車券システムの本格導入に踏み切ります。この取り組みは鉄道会社として主要路線全駅での導入は初めてのケースとなり、2029年度までには従来の磁気乗車券を完全に廃止する方針です。3月17日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、環境負荷の低減からホームドア制御への活用まで、QRコード技術の鉄道分野での広がりについて取り上げました。

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スマホで完結する次世代乗車券

「QRコード乗車券」とは、スマートフォンで出発地から目的地までの区間を選択して購入すると、画面にQRコードが表示されるシステムで、このコードを改札機にかざすだけで通過できます。
従来の磁気式切符とは異なり、完全にスマートフォンだけで改札を通過できる仕組みです。

京阪電気鉄道の発表によれば、主要路線の全駅で「QRコード乗車券」を導入するのは鉄道会社では初の試みになるそうです。
さらに同社は2029年度までに裏が黒い磁気券を廃止する目標を掲げています。

環境とコスト面での大きなメリット

この取り組みには、紙の資源や改札機のメンテナンス費用の削減という大きな目的があります。

裏が黒い磁気券は金属を含んでいるのでリサイクルが難しいという環境面での課題があります。
磁気券システムはさまざまな面でコストがかかっていますが、スマホを活用したQRコード方式に移行することでこれらのコストを削減できるというメリットがあります。

また、磁気券では改札機が詰まってしまうトラブルも発生しやすいという運用上の問題点があります。QRコード方式に移行することでこうした課題も解消されると期待されています。

広がるQRコードの活用範囲

QRコードは愛知県の企業デンソーウェーブが開発した技術です。
CBC論説室の石塚元章特別解説委員によると、QRコードの鉄道分野での活用は改札だけではなく、ホームドア制御への応用も進んでいるそうです。

特に東京のような複数の鉄道会社が同じ駅を使用している場所では、車両ごとにドアの位置や数が異なるため、統一したホームドアの設置やスムーズな運用が難しいとされていました。

この課題解決策として「電車側にQRコードを貼り付け、それを駅側のシステムがスキャンすることで、入線してきた電車の種類や正確なドア位置を自動認識できる」という仕組みが注目されています。
これにより、ドアの開閉タイミングを最適に制御でき、コスト削減にもつながると期待されているそうです。

海外ですでに普及する便利なシステム

三浦優奈はイタリア旅行でQRコード乗車券を利用した経験を紹介しました。「事前に券をネットで買うことができたので、すごく便利でした。QRコードさえ出しておけば大丈夫だったので」と振り返ります。

石塚は、「今回の日本のケースも同様で、スマホで事前に購入できるため、切符売り場に行列を作る必要がなくなる可能性がある」と利点を挙げました。

さらに三浦は、スマホの翻訳機能を使えば言葉の壁を越えて外国の鉄道サービスを利用できる点も便利だと説明しました。

広がるデジタルチケットの波

京阪電気鉄道に続き、「今後QRコード乗車券を導入していく」と発表する鉄道会社も増えてきているようです。

公共交通機関のデジタル化は今後も加速していくと見られています。紙の乗車券から電子化への移行は、利便性の向上だけでなく、資源の節約や廃棄物削減など環境負荷低減にも貢献します。

こうした技術革新によるサービスの進化が、利用者と環境の両方にメリットをもたらす取り組みとして、さらに広がっていくことが予想されます。
(minto)
 

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