駆除しても減らない肉食外来魚「ブラウントラウト」“迷惑魚”が犬のおやつに大変身!?苦心する漁協に北海道から思わぬ“救いの手”

岐阜県飛騨市の川で問題となっている外来魚ブラウントラウト。駆除に苦心する地元漁協に、北海道から思わぬ"救いの手"が差し伸べられました。駆除された魚が犬のおやつに変身し、新たな価値を生み出す取り組みが始まっています。
繁殖力旺盛な外来魚 駆除に追われる漁協

岐阜県飛騨市の川では、ヨーロッパ原産の外来魚ブラウントラウトが大量に繁殖し、生態系への影響が懸念されています。地元の宮川下流漁業協同組合は、10年以上前から毎年11月と12月に駆除活動を行っていますが、その数は減る気配がありません。
ある日の駆除作業では、わずか3時間で166匹ものブラウントラウトが捕獲されました。高圧電流を発生させる機器を使い、魚を気絶させて捕獲する方法を取っています。しかし、在来種は逃がし、ブラウントラウトだけを選別して駆除するという手間のかかる作業です。

(宮川下流漁業協同組合 森下真次組合長)
「細々と漁業組合が運営しているので、(駆除の)資金が苦しくなることも考えられる」
駆除したブラウントラウトの処分にも費用がかかり、漁協にとって大きな負担となっています。また、高齢化も進んでおり、行政の協力を求める声も上がっています。
「問題を知ってほしい」外来魚が犬のおやつに変身

そんな中、北海道苫小牧市に住む阿彦政輝さんはCBCが放送した飛騨市のニュースをネットで見つけ、飛騨市の漁協に連絡を取りました。阿彦さんは、地元の千歳川でもブラウントラウトが増加していることを懸念していました。
(阿彦政輝さん)
「あの動画を見て、北海道だけの問題じゃないと実感した。(ブラウントラウトの)問題を知ってほしい」
阿彦さんは、魚から犬のおやつを作るサイドビジネスを行っており、駆除されたブラウントラウトを原材料として引き取ることを提案しました。フードドライヤーを使って乾燥させ、犬用のおやつに加工しています。
(阿彦政輝さん)
「何か有効活用できないかと思って連絡して提供してもらった」

北海道恵庭市で開かれた犬のイベントでは、阿彦さんがブラウントラウトを使った犬のおやつを販売し、多くの人々の関心を集めました。
(阿彦政輝さん)
「売りたいですね。興味持ってもらえるだけでいいのでブラウントラウトを知ってほしい」
この取り組みは、駆除されたブラウントラウトに新たな価値を見出す可能性を示しています。しかし、根本的な問題解決には至っておらず、外来生物による生態系への影響は依然として続いています。行政の支援や、より効果的な駆除方法の開発など、さらなる取り組みが求められています。
CBCテレビ「チャント!」2025年3月13日放送より
番組紹介
