次作のテーマは「エロ・グロ」?BRAHMANのTOSHI-LOWが語る。

パンクロックバンド、BRAHMAN(ブラフマン)のボーカル、TOSHI-LOW(トシロウ)さんが、3月9日放送のCBCラジオ『小堀勝啓の新栄トークジャンボリー』に出演しました。2月26日にニューアルバム『viraha』をリリースしたばかりですが、
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くBRAHMANで30年
小堀「BRAHMANは30年。しかも魂のパンクバンドみたいな形で歌われていて、こういう形のバンドが30年って珍しいですね」
TOSHI-LOW「なかなか珍しいですね。だいたいすぐケンカしてなくなっちゃうようなジャンルなので」
メンバーが変わっていないというBRAHMAN。50歳を過ぎてメンバー同士が譲り合うことを覚えたのも大きいそうです。
小堀「デビューの頃の音は、粗削りでハードなんだけど、実は音楽家として手練れなんですよね」
TOSHI-LOW「スタジオミュージシャンみたいな上手さではないんですけど、曲がったら曲がったなりの変化球のプロみたいにはなってますよね」
BRAHMANは志ん生?
BRAHMANの音楽を、昭和の落語名人に例えて語る小堀。
人情噺から怪談まで幅広い演目をこなす三遊亭圓生。対をなすような存在に古今亭志ん生がいました。
小堀「志ん生さんはパンクみたいで、話があっちこっち行っちゃってどこ行くかわかんないんです」
かつて圓生さんが志ん生さんについて聞かれたインタビューで、「剣術道場でやったら私が勝ちますけど、果たし合いをしたら私が絶対負けます」と言ったそうです。
圓生さんは正統派。志ん生さんは天衣無縫とのこと。
小堀「そのインタビューを何かで読んだ時、震えましたね」
TOSHI-LOW「カッコいい。そういう意味で志ん生聞いてみたいですね」
昨年11月、BRAHMANは4時間に及ぶライブを敢行しました。
小堀「そういう時はどうするんだろう。どこに着地するのかわかるもんですか?」
TOSHI-LOW「わかんないです。最後まで行けるかどうかもわかんない、でも最後は走り抜けたので嬉しかったですね」
タイトルはインドの言葉
2月にはニューアルバム『viraha』がリリースされました。タイトルのviraha(ヴィラハ)はヒンディー語です。
TOSHI-LOWさんは「郷愁に近くて慈悲」のような「失ってから気付く愛おしさ」をひとことで表す言葉を世界中の言語から探したところ、見つけたのがヒンディー語の「viraha」でした。
TOSHI-LOW「死別した後、別れた後に、この人が大切だったなって気付く、その思いを『viraha』と言うらしくて。俺が探してた言葉は、こういう気持ちなんじゃないかなって付けさせていただきました」
小堀「ヒンディー語って深いですね」
痛風の皆様へ
ニューアルバム発売を機に、BRAHMANのツアーがいよいよ始まります。
TOSHI-LOW「あと何周日本を回れるか?最後になるかもしれないって気持ちで毎回やっています。でも、それができるってことは幸せなんだなってことにやっと気付きましたね」
小堀「しかもデビュー30年経っても、まだ朝まで飲める身体です」
TOSHI-LOW「そうなんですけど、実は痛風になっちゃいまして」
痛みが出た個所は膝。膝の皿の中で何かが砕けたかと思うほど、とにかく痛いんだとか。
TOSHI-LOW「今まで、痛風の人たち笑ってたんですよ。痛風の皆さん、今まで本当にすいませんでした」
ベンチャーズのように
11月には30周年記念ライブイベント「尽未来祭 2025」も決定しているBRAHMAN。
TOSHI-LOW「20周年の時にやらせていただいて、10年ぶりのイベント。なのでもう最終回だと思ってます」
痛風のせいか弱気な発言です。
小堀「そうやって言いながら何回もやる人いるんですよ。昔エレキバンドでベンチャーズというのがいたんです」
「解散公演」と銘打って日本でコンサートを開催したベンチャーズ、公演が大いに盛り上がったため、毎年来日するようになったそうです。
小堀「そのノリでBRAHMANもどう?60、70歳になったBRAHMAN、見たいと思うんですよ」
TOSHI-LOW「名古屋の先輩パンクバンドも元気なのがいるので、やってみたい気がしますね」
好きなものは変わらない?
アルバム『viraha』の中で、小堀が感動したという曲が「最後の少年」。
TOSHI-LOW「男性が持っている少年性ってあるじゃないですか」
大人になっても、年上の人でも「少年性」を感じられる人がいると言うトシロウさん。
TOSHI-LOW「少年のまま星になったんだな、なんて思う人がいまして。この曲で送り出したかったんです」
小堀「この曲を聴くと自分の中の少年時代に会えるような気がして、いろんなこと思い出したりします」
TOSHI-LOW「結局、歳を取っても14~17歳ぐらいに好きだったものがあんまり変わんなくないですか?」
小堀の好きだったものに興味を示すTOSHI-LOWさん。
音楽と映画が好きだった小堀は、特に新東宝映画が大のお気に入りだったそうです。
必ずお盆にお化け映画の上映があり、作品には必ずエロで味付けがされていたとか。
小堀「エログロホラーみたいで、これがいいんです。後に大蔵映画になっていったかな。そこのオーナーの好みが『君ねえ、人生はエロと恐怖だよ』というものですわ」
TOSHI-LOW「最高ですね」
グレードアップさせたい
TOSHI-LOW「僕もその頃好きだったバンド、バイク、カレー、ラーメン、女。50になってもあんま変わんねえんだなと思います」
小堀「年を経て経済的に豊かになるんだけど、ラーメン食いてえなってあるじゃないですか」
TOSHI-LOW「エロ・グロがめちゃめちゃ興味あります」
小堀曰く、新東宝映画名作選などのDVDが販売されていて、不適切な表現が山のようにあるんだとか。
TOSHI-LOW「最高ですね。俺、令和の次にもう1回、昭和Ⅱになって欲しいって思ってるタイプなんで」
小堀「素晴らしいです。グレードアップされた不適切さ」
異様な熱を帯びてくるふたりの会話です。
次のアルバムは?
TOSHI-LOW「もっとめちゃくちゃな昭和が欲しい。今回も新しいワードを貰いました。先輩たちが持ってる知識はネットに落ちてないんですよ」
家に帰ったら早速調べたり、DVDを買ったりしたいと続けます。
TOSHI-LOW「そうすると新しい世界観から派生した歌ができたりするので、先輩としゃべるっちゅうのは一個の図書館ですよ」
小堀「次のアルバムが出た時は『これは新東宝から来たな』とか思いながら聴かせてもらいます」
TOSHI-LOW「次はめっちゃエログロになります(笑)」
早くもBRAHMANの次のアルバムに期待が高まります。
(尾関)
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