新科目、探究的学習、ページ数…これまでと違う今年の共通テスト
1月18、19日に行なわれた大学入学共通テストに、今年から新しい教科「情報」が加わりました。プログラミングやデータ分析などが出題されましたが、問題の内容としては基礎的な内容が多かったようで、受験生からは「あんまり勉強しなくても点数が取れた」という声も上がっています。また、AIにも問題を解かせてみると、得点率は教科によってバラバラだったとか。1月28日の『CBCラジオ #プラス!』では読売新聞の記事をもとに、今年の大学入学共通テストについて取り上げました。パーソナリティはCBCアナウンサー光山雄一朗と山本衿奈です。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く難易度が優しめだった理由
今年の大学入学共通テストの「情報」の難易度は優しめ。
その理由として、地域格差があります。
以前より情報を指導できる教員が足りない地域があると指摘されていました。
その地域格差を考え、新しい教科になっての最初の共通テストは解きやすい問題にしたのではといった見立てもされています。
変わったのは試験の名前だけじゃない
「センター試験」から「大学入学共通テスト」と名前が変わりましたが、変わったのは名前だけではありません。
共通テストは知識を問うような問題から脱却し、思考力や判断力を重視した試験になっています。
これをきっかけに探求的な学習などを高校の授業で行なってもらう狙いもあるようです。
実際の調査によると、この共通テストがきっかけで授業を改善した進学校は9割近くにものぼっています。
試験の内容が変わったことにより、そこに向かっていく進学校、学校の授業内容というのも変わってきているようです。
ページ数にも変化
また思考力、判断力を問う上で会話文や複数の図表を示す問題が出されるため、ページ数がセンター試験の時よりも増えました。
英語は6ぺージから9ページほどの増加に。
光山「受験生からするとやっぱページ数多いと焦りますからね」
残り時間と残りの問題ページを見て、最後の問題まで辿り着けるか焦った受験生もいたかもしれません。
しかし一部の有識者は「情報処理能力ばかりが必要になってきている一方で、各科目の学習の成果を測れているか」と疑問を呈しています。
「努力の成果が反映される出題にすべき」と話す有識者もいるとのこと。
試験内容を変えたことにより教育も変わる。それによる生徒達への影響の良し悪しはいつ現れるのでしょうか。
AIが問題を解いた結果
今年の共通テストを人工知能が解いたそうで、得点率は91%でした。
山本「正直、私は『9割しか取れないんだ』って」
光山「僕も。人間の脳のキャパをかなり超える人工知能として勉強してる上で91%。もっと取るのかなっていうようなイメージでした」
この結果を受けて、人工知能で調べたり文章を作成する際、100%信じるのも危ないのではと山本は感じました。
科目ごとに得点率を見ていくと、一番低かったのは『歴史総合日本史探求』という科目で79%。
この科目は今年から6科目に再編されたために生まれた新しい科目で、近現代の世界史と日本史を融合した問題が出題されます。
この科目でAIの得点率が低かった理由として担当者は、英語の文献が多い世界史に比べて日本史はまだAIの学習データが少ないためではないかと推測しました。
変わる試験内容に対応しながら臨んだ受験生の皆さん、お疲れ様でした。
(ランチョンマット先輩)