元中日・岩瀬仁紀が明かす初サヨナラ被弾と川上憲伸の「今日は会いたくない」

3月12日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』、この日のゲストは元中日ドラゴンズの岩瀬仁紀さん。「ドラゴンズスペシャル」のコーナーでは、インターネット上の百科事典サービス「Wikipedia(ウィキペディア)」でご本人に関する記載を紹介し、そこに書かれている内容を検証していきます。今回は、プロ10年目で初めてサヨナラ本塁打を浴びた日に川上憲伸さんから食事を断られたエピソードや、10年連続50試合登板という偉業の裏で感じていた意外な本音を伺いました。
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以下、フリー百科事典『Wikipedia(ウィキペディア)』「岩瀬仁紀」からの引用です。
「2007年オフ、フリーエージェント(FA)権を取得し、球団から4年の複数年契約を提示されたが、権利を行使せず単年契約した」
これは、いわゆる「パーフェクトリレー」と呼ばれる試合の直後のことです。山井大介投手が8回まで完全試合ペースで投げていたところを落合監督の決断で9回から岩瀬さんが登板し、史上初の継投による完全試合を達成して日本一に輝いた後の出来事でした。
この時期について岩瀬さんは「あの年は非常に大変な年で、日本シリーズが終わって日本一になった後に、オリンピック予選があって台湾に試合に行き、帰ってきたのは12月の頭。FAのことを考える余裕が全くなかった」と当時を振り返ります。
実は、岩瀬さんが帰国した時にはすでにFA権の行使期間は終了していたそうです。
「もし日本シリーズに行ってなかったり、オリンピック予選がなかったら…」と安藤渚七が尋ねると、岩瀬さんは「また違う選択をしていたかもしれない」と明かしました。
「球団から4年の複数年契約を提示された」という記述については、岩瀬さんは「覚えていないんですよね。その年に契約提示された記憶がない」と否定。「とりあえず、もう一度1年かけてゆっくり考えようかな(笑)」という思いで単年契約を選んだことを語りました。
初めて浴びたサヨナラ本塁打
以下、フリー百科事典『Wikipedia(ウィキペディア)』「岩瀬仁紀」からの引用です。
「2008年はシーズン17試合目の登板となった5月17日の横浜戦(ナゴヤドーム)で2点リードの9回に登板したが5失点し敗戦投手となった。6月14日の対オリックス・バファローズ戦ではアレックス・カブレラに557試合目にしてプロ入り初のサヨナラ本塁打を打たれている。それでも、日本プロ野球史上初の10年連続の50試合登板を達成。また、ポストシーズンの無失点記録を22イニングと3分の1まで伸ばしている」
まずは「557試合目の登板で初めてサヨナラホームランを打たれた」という記述について。「まあいろいろありますよね。長いことやってれば」と岩瀬さん。
「2008年ってプロ10年目ですよ!初めてサヨナラホームランを打たれた。10年、全部50試合投げてるんですよ、毎年!」と驚く宮部和裕アナウンサー。
断られた食事の約束
岩瀬さんは「この日、多分、憲伸(川上憲伸投手)が先発でしたよね。試合が終わってから食事に行く約束をしていた」と振り返ります。ところが試合後、憲伸さんから「さすがに今日ガンさん(岩瀬さん)と一緒に行けないです」と断られたというのです。
「(憲伸さんの)勝ちを消してしまったので、『今日は会いたくない』っていうことです」と岩瀬さん。「配慮ですよね?」と確認する宮部に「いや、彼の場合は違います」と返します。
「初めてですよ?」という宮部に、「だから『初めての時がなんで僕の時に来るんだ』と思ってるのが憲伸ですから」と岩瀬さん。
しかしその微妙な関係は「その日だけです」とキッパリ。「寝たら忘れるタイプだ!憲伸さん」という安藤に、岩瀬さんは「いや、(憲伸は)忘れてはないです。ずっと根に持つタイプ」と話します。
「その後、このシーズンも50試合投げた。ホームランを打たれずに阻止してるわけですから。ここは岩瀬さんの方がすごい」と宮部が振りますが、岩瀬さんは「僕の精神をズタズタにする憲伸がすごい」と笑い、「仕方ないですよね、憲伸からしたら」と続けました。
「当たり前」の裏側
岩瀬さんは10年連続の50試合登板を達成。ポストシーズンの無失点記録を22.1回まで伸ばしています。
「岩瀬さんのいろいろな記録を見ていくと、当たり前みたいに思っちゃってたところがそうじゃなかったし。岩瀬さん自身ってどう思ってたんですか?」と安藤が質問すると、岩瀬さんは「すごく最悪でした」と率直に答えます。
岩瀬さんは「だんだん歳を重ねるたびに、やっぱり打者の方が有利になっていく世界ですから。スピードもだんだん落ち始める頃なので。そこらへんから苦労し始める頃なんですけど、数字だけは変えずに出してたので、(ファンには)そこら辺を考えてほしかった」と本音を明かしました。
「稀に打たれた時だけ翌日のスポーツ誌の一面になるっていうぐらい、普段がすごいということですよね」と宮部。岩瀬さんの偉大さが改めて浮き彫りになった回でした。
(minto)
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