コウノトリが住める田んぼに!兵庫県豊岡市の農家の挑戦
「令和の米騒動」と言われるほどの米不足だった夏の終わりも、新米の季節になり品薄は解消されています。兵庫県豊岡市では様々な品種の米が生産されている中、コウノトリが住める環境で米作りを行う農家があります。10月31日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、「コウノトリ育むお米」について紹介しました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴く一度は日本で絶滅したコウノトリ
かつて多くのコウノトリを見ることができた兵庫県豊岡市。
シベリア南東部で繁殖し、冬に南下する渡り鳥・コウノトリは兵庫県北部の豊岡市を含む但馬地域で越冬しており、このままコウノトリが居着くこともある場所でもありました。
しかし、20世紀に入って生息環境が悪化、1971年、 日本最後の生息地だったこの地域でも野生のコウノトリは絶滅。
その後、コウノトリの保護活動が活発になったのです。
日本では絶滅してしまったコウノトリでしたが、旧ソ連から送られた個体を飼育し、 1989年には繁殖に成功。2005年には飼育した鳥たちの放鳥を始めました。
コウノトリ育む農法とは?
そして現在、環境に優しい米づくりを行うことでコウノトリの復活を目指す農家があるのです。
コウノトリが生息できるような環境を守りたいと、2003年から地元農家の有志5人が『コウノトリ育む農法』をスタートしました。
水生生物から生息しやすい環境づくりのために、ルールをつくりました。
例えば農薬を使わないこと、あるいは極力減らすこと。
稲作の終わった冬の水田にも鳥たちのために水を張ること。
これにより様々な生物が水田に増え、コウノトリの生息環境が復活したということです。
コウノトリ育むお米の特徴
この水田で育てたお米は『コウノトリ育むお米』と命名され出荷されます。
特徴は粘りと強い甘み、そして味もいいことから、日本全国で消費されているだけではなく、海外にも輸出されているんだとか。
さらにはイベントにも力を入れており、水田の見学や稲刈り体験などを通じて消費者と生産者との交流も深めています。
またこのお米は豊岡市内の小学校の給食にも使われているので、現在では地元の方たちに馴染みのあるお米だとか。
コウノトリの野生復帰を支えながら自然のままの美味しいお米を育てる『コウノトリ育む農法』
お米の美味しい季節に取り寄せてみてはいかがでしょうか。
(ランチョンマット先輩)