骨粗鬆症予防に「かかと落とし」が効くって本当?専門医が質問に回答

木曜日の『CBCラジオ #プラス!』では、健康に役立つ情報をスマートクリニック代表福田誠先生を中心に紹介しています。4月24日の放送では、福田先生がリスナーからの質問に答えました。聞き手は永岡歩アナウンサーです。
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まずはリウマチの症状に悩むリスナーからのおたよりです。
「私は3年くらい前から手の突っ張り感やこわばり感などに悩まされています。
血液検査ではリウマトイ因子が出ませんが、超音波では炎症反応が出ます。いわゆる『隠れリウマチ』と言われていますが、これを診断できる病院も限られるようです。
また、手の症状は更年期でもあり得るので、判断が難しいですね」(Aさん)
未だ原因がわかっていない関節リウマチ。
症状や血液検査、症状の期間などを点数化し10点満点にして、そのうち合計点が6点以上になると「関節リウマチ」と診断されます。
たとえ関節リウマチに似たような症状があり悩まされていたとしても、6点を満たさなければリウマチとは診断されないそうです。
福田「いわゆるグレーゾーンみたいな方が結構お見えになるわけです」
Aさんも6点未満のため、症状が出ていても診断されないのかもしれません。
リウマチと更年期の共通点
永岡「Aさんの手の突っ張り感や強張り感もリウマチの症状?」
福田先生によると、関節リウマチの症状の重要なひとつのものに、朝の手のこわばりや第二関節の炎症があります。
しかし更年期でも同じような症状が出るとか。また関節リウマチは女性に多く、40歳から60歳頃の発症が多いと言われています。
つまり更年期の症状と、関節リウマチの時期と症状はほとんど同じ。自身での判断が難しいことが多いそうです。
福田先生は専門医の診察を受けることを勧めました。
福田「最終的には異常がなくて『更年期かもね』ってなることあると思うんですが、やっぱりリウマチでないことを調べておくことってやっぱ大事ですよね」
永岡「安心材料になりますからね」
改善しない坐骨神経痛を治すには?
続いては坐骨神経痛についての相談です。
「お尻が痛く整形外科に行ったところ、坐骨神経痛とのことでした。リハビリや飲み薬などしていますが、お尻、右足ふくらはぎが痛くなります。生活するための過ごし方などアドバイスをお聞きしたいです」(Bさん)
坐骨神経はお尻のあたりにある太い神経。
腰の部分で何らかの神経が圧迫を受けたりすると、その下流にあたる坐骨神経に出る痛みが坐骨神経痛です。
夜中にお尻から足にかけて眠れないほどの痛みが生じたり、長い間同じ姿勢で座っているとお尻から足にかけてしびれや痛みが強くなるといった症状がよく見られます。
永岡「どういったアドバイスができますかね?」
福田先生によると、リハビリや薬でも症状が改善しない場合、坐骨神経に向けて直接注射で薬を届ける「坐骨神経ブロック」が効果的とのこと。
しかし長時間の座り仕事などで同じ姿勢を続けていると治りが悪くなります。
日々の予防として、ストレッチなどで腰を動かしたり、筋肉の緊張を和らげるような習慣を持つことが大事とのことです。
骨粗鬆症にかかと落としって効くの?
最後は骨密度についての質問です。
「骨密度低下の対策としてかかと落としをやっていますが、閉経後で破骨細胞が活発になっているのに、この対策は合っていますか?」(Cさん)
女性の骨粗鬆症の原因の多くが閉経です。
閉経後に女性ホルモンの数値が下がることにより、今まで女性ホルモンが活動を抑えていた骨を壊す細胞(破骨細胞)の活動が活発になり骨が減っていってしまいます。
永岡「骨密度の低下の対策でかかと落としなんですか?」
福田「私もかかと落としって何やろなとずっと思ってたんですよ(笑)。
おそらく、かかとの骨を地面に、トントントントンと足踏みするようなイメージで、骨を鍛える話を言ってるんじゃないかと思ってるんですよね」
永岡「へえ。ちょっと立って、かかとあげて、ポンと落とす感じ」
しかしかかと落としをすると骨が増えることに関して、医学的なエビデンスはないそうです。
ただ「悪くないのでは」と話す福田先生。
というのも、宇宙空間や睡眠時など、重力に抵抗できない環境になると骨は途端に弱くなるとか。
福田「ある意味、この骨に刺激を与えるという点においては、悪くないんじゃないかとも思いますね」
骨粗鬆症についても、血液検査などで女性ホルモンと関連する破骨細胞の元気具合を調べておくことが大事だそうです。
まずは一度医師に相談を。
(ランチョンマット先輩)
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