CBC佐藤楠大アナが力説!東大寺・如意輪観音の魅力

毎週木曜日の『ドラ魂キング』では、パーソナリティの佐藤楠大が仏像に関するトピックを紹介します。4月24日の放送で紹介したのは、東大寺の如意輪観音。いったいどんな仏像なのでしょうか?
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第一弾は東大寺の奈良の大仏と言われる盧舎那仏像について。台座の蓮華が特徴的で、その蓮華の中には10億以上の世界があるという話をしました。
第二弾は虚空蔵菩薩坐像。盧舎那仏像に向かって左隣にいる仏像についてでした。無限の知恵を持っていて、それを与えてくれる仏。平安時代以降から学業成就に関する祈りを捧げる人が多かったんだとか。
今回は、盧舎那仏像に向かって右にいる仏像。如意輪観音坐像の話です。これで東大寺大仏殿にある大仏は完全コンプリートとなるそうです。
何でも叶えてくれる
仏像は大きく4つの区分に分かれるという佐藤アナ。
上位の位から如来、菩薩、明王、天。
観音は菩薩。菩薩は如来を目指す修行中の姿で、修行をしながら多くの人々を救うという役割だそうです。
観音の特徴は服装。菩薩は、ブッダが修行中の姿であり、修行中は王族だったので煌びやかな装飾が特徴的。如意輪観音もそれに当てはまるそうです。
佐藤「如意輪観音は、お金でも知恵でもどんなジャンルの願いでも思いのままに叶えてくれる観音様なんです。すごいのひと言に尽きると思います」
そのため、昔から多くの人に親しまれてきた仏像だそうです。
名前の由来は持ち物
如意輪観音は奈良時代にやって来た仏。基本的に2本の足と6本の腕があるそうです。
胡座をかいた状態で右膝を立て、右肘を右膝の上に乗せ、さらに右の掌をちょっと頬っぺたの当たりにくっつける感じ。これが如意輪観音の基本的なフォームだそうです。
さらに「持ち物にも特徴がある」と佐藤アナ。如意輪観音が持っているのは法輪と如意宝珠。
「法輪」は車輪のようなもので、釈迦の教えを車輪に例えたもの。仏教では〇と✕と十字が重なったようなシンボルマークとして表すそうです。
これは煩悩を砕き、悩みを取っ払ってくれるとのこと。
もうひとつの「如意宝珠」は無限に願いを叶えてくれる宝珠。
佐藤「如意宝珠と法輪で如意輪。観音様だから如意輪観音。持ち物から名前が来た仏像さんです」
普通じゃない
東大寺の如意輪観音坐像は江戸時代に作られて、高さ7メートル20センチという巨大さ。普通の如意輪観音と全然違うのがポイントだそうです。
佐藤「東大寺の如意輪観音は腕が2本で法輪と如意宝珠は持っていません。じゃあ如意輪観音じゃないんじゃない?っていうレベルです」
如意輪観音ではないと言われたり、奈良時代、如意輪観音が日本に伝わった初期には2本腕の姿が定説だったという話など、諸説あるとか。
佐藤「ともあれ如意輪観音という枠で見てみると、東大寺の物は非常に珍しいんです」
全体も細部も楽しい
東大寺の大仏殿では、盧舎那仏像を真ん中にして虚空蔵菩薩坐像と如意輪観音坐像はシンメトリーとなっています。
盧舎那仏像と左右の二体の仏像は、手を上げているのが右手か左手かしか違いがないとか。
佐藤「中央の盧舎那仏を支える二体の像が対照的に作られているところが東大寺の如意輪観音、虚空蔵菩薩、盧舎那仏を含めた魅力だと思っています」
盧舎那仏像を中心に、右にいる如意輪観音坐像と左にいる虚空蔵菩薩坐像は似たような形、大きさ、フォルム。サイズが大きいので3体同時には見られませんが、全体で見ると均整がとれた作りになっているそうです。
佐藤「そして、この3週にかけて伝えてきた奈良・東大寺、大仏殿の魅力と見るべきポイントはここです。仏教の世界観は壮大です。細部の細かさと全体の大きさを楽しんでいただきたいと思います」
(尾関)
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