フランスで「パンの香り付きの切手」発売

SNSやメールによって、時と場所を選ばず手軽に世界中の人とやり取りができるようになりました。一方で郵便サービスは世界中で利用者減少に歯止めがかからず、中にはポストが撤去されていく国もあります。そうした中、手紙の文化を守ろうとさまざまな工夫をしている国もあります。10月11日放送のCBCラジオ『石塚元章ニュースマン!!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員と加藤愛が、フランスで発売された切手を話題にします。(画像はイメージです/写真AC)
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石塚「面白い切手がフランスで発売されまして」
10月8日フランスの郵便公社である「ラ・ポスト」が、クロワッサンのイラストが印刷された記念切手を発売しました。
いかにもフランスらしいデザインでおしゃれな切手ですが、この切手はなんと可愛いだけではないとか。
石塚「これをキュッキュッとこすると、クロワッサンの香りがしてくるんです」
加藤「美味しそうな切手ですね!バターの甘い香りということでしょうか」
実はこの記念切手は去年も販売されており、その時はバゲットの香りだったとか。今回は第二弾ということで、フランスの食文化を象徴するクロワッサンが選ばれたようです。
石塚「これは2.1ユーロ切手で、日本円で言うと370円くらい。ちょうど国際郵便に使える金額です」
現地からこの切手を貼って手紙を出すだけで、素敵なお土産になりそうです。
文化の継承と発展
それにしても、フランス郵便公社はなぜこのような切手を製作したのでしょうか?
その背景には、自国の文化を守りたいという思いが込められていました。
石塚「日本人が日本食を大切にしているように、フランスもフランスの伝統的な食べ物に力を入れていて」
世界三大料理とも称されるフランス料理ですが、近年はフレンチを取り巻く環境にも少しずつ変化が現れてきているのだとか。
石塚「だんだんパンを食べる人が少なくなってきていたり、クロワッサンも食べる頻度が下がってきていたり、そういう動きがどうもあるみたいで」
自国の誇る食文化を守り、さらなる発展につなげたい。そのために今一度改めて国内外に向けて、フランスの食をアピールするために作られたのが、クロワッサンの香り付きの切手なのです。
加藤「たしかにクロワッサンの香り嗅いだら、実物食べたくなりますよね」
石塚「変な話、こうして話してるだけでも結構食べたくなってくるよね」
嗅覚は、人の記憶や感情を最も揺さぶる感覚と言われています。そういった意味でも、香り付きの切手には効果が期待できそうです。
香りの仕組み
石塚「なぜ匂いがするのかというと、香りのするチップというか、カプセルみたいなものがインクの中に入れてあるんですって」
切手の他にも擦ると匂いがするシールや本などがありますが、それらは目に見えないほど小さな「マイクロカプセル」に香料を閉じ込め、印刷物の上に特殊なインキとして塗布してあるのです。
そのため指で擦るなどして刺激を与えると、そのカプセルが壊れて中の香料が放出され、匂いが広がると言った仕組みです。
石塚「ですから日本でも、同じような切手を作ろうと思ったら作れるはず。日本だったらどんな香りにしましょう?」
加藤「日本らしいもの…抹茶ですかね」
石塚「なるほど、これは人気あるからいいですよ。抹茶ブームだから今」
インバウンドの影響も相まって今世界的に抹茶ブームが巻き起こっており、抹茶の輸出額は過去最高となっているのだとか。日本らしさもあり外国人ウケもよく、もしも抹茶の香りの切手が発売されたら人気になりそうです。
あんな切手、こんな切手
石塚「うなぎの蒲焼は?」
加藤「あー!最高!もう常に横に置いておきたいです。小倉バターのトーストの香りとか(笑)」
石塚「なるほど、ご当地切手もいいね」
加藤「あんかけスパやナポリタンの香り、味噌カツ、味噌煮込みうどんなんかも!」
ご当地グルメの切手があれば、地域の活性化に一役も二役も買ってくれそうです。
ユニークな切手を送りたいがために、なんて事のない出来事もつい手紙にしたためて、友人や家族に送りたくなるかもしれません。
石塚「香りって記憶に残るから、思い出になるよね」
日本各地のご当地グルメの匂いがする美味しい郵便が、もしかしたら皆さんの元へも届く日がやってくるかも知れませんね。
(吉村)
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