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与田ドラゴンズいきなり3連敗!ファンとして納得できない3つの「なぜ?」

与田ドラゴンズいきなり3連敗!ファンとして納得できない3つの「なぜ?」

竜党のため息が町にあふれている。1か月の五輪中断期間から再開されたペナントレース後半戦、中日ドラゴンズは3連敗のスタートとなった。負けた相手が讀賣ジャイアンツだけにドラゴンズファンの怒りは、残暑の熱をはるかに上回る。この3連戦、納得できないことが山積だった。多くの疑問の中、3つのポイントにしぼって挙げてみる。

疑問1~後半戦は「打」ではなかったのか?

2021年シーズンの開幕から、いや昨シーズンからずっと課題になっているのが得点力不足である。前半戦が終わった時の総括で、与田剛監督も「点を取らなければ勝てない」と後半戦に向けての意気込みを語っていた。しかし、ジャイアンツ3連戦の先発オーダーを見る限り、その意図は反映されていたとは言い難い。新しい起爆剤として2軍で好調だった伊藤康祐選手のスタメン起用はよしとしても、初戦の7番加藤翔平選手、8番三ツ俣大樹選手というスタメンは巨人に脅威を与えただろうか?アリエル・マルティネス捕手の外野でのスタメンありと期待していただけに、逆に驚いてしまった。「打で勝負」するなら思い切ったオーダーを組むべきでは?

疑問2~木下拓哉は「正捕手」ではないのか?

背番号「35」、2020年シーズンはエース大野雄大投手と共に「年間最優秀バッテリー賞」に選ばれた木下拓哉捕手が、規定打席に到達していないことに驚く。時おりの疲れや不調があるものの、ベンチを離れなければならないほどのケガもない。ジャイアンツとの3連戦、最初のゲームこそスタメンだったが、ヒットを打つと代走を送られて途中交代。2戦目の先発マスクはアリエル・マルティネス捕手、3戦目の先発マスクは前半戦2軍だったベテラン大野奨太捕手。それぞれ先発投手との相性などを勘案しての采配だと思うが、待望久しい「正捕手」がようやく誕生するというのに何を躊躇しているのだろうか?少々のことがあっても“キノタク”を起用し続けるべきでは?

疑問3~中断1か月に何を練習したのか?

6番に打順が下がった3戦目こそタイムリーを打ったが、高橋周平選手の打撃がふるわない。特に2戦目の2つの併殺を含む4打席凡退はひどかったのだが、試合後のパウエル打撃コーチのコメントを伝え聞いた時、耳を疑った。
「直球が打てない。もう一度、体のバランスを整えなければならない」
シーズン半ばで連戦続きの中ならばそういうコンディションもあるだろう。しかし、1か月のブレイク期間を終えて、再開わずか2試合目である。体のバランスを整えてきていないのか?打撃コーチはそれを指導してきてはいないのか?打撃コーチのこのひと言によって、かつてなかったほど長い中断期間を、チームとして本当に有効に活かしてきたのか、疑問を抱かざるを得ない。

ドラゴンズ野球が「見えない」

「サンデードラゴンズ」より高松渡選手(C)CBCテレビ

最も深刻に思うのは、ベンチ采配の“ブレ”、一貫性の欠如である。後半戦を戦う上で、一体どんな野球をしたいのか?「起爆剤」として伊藤康祐選手を2番に抜擢したことは歓迎だった。しかし結果が出ないと3試合目にはベンチに下がった。なぜ打順2番でなければならないのか、起用することを決めたのなら下位でもしばらくは使うべきだ。その伊藤選手と共に渡辺勝選手を1軍に上げて「機動力」に力を入れるならば、なぜチームで最も盗塁が多い高松渡選手に3試合まったく出番がないのか?代走のチャンスはあったはずだ。相手のジャイアンツ原辰徳監督が後半戦は「わっしょいベースボール」と名づけ、神輿(みこし)はチームであり、ひとりひとりがそれをかつぎながら前へ進もうと選手に熱く語った。得点する度にベンチ前で「わっしょい、わっしょい」と両手を突き上げるジャイアンツナインを目の当たりにして、ドラゴンズの選手たちは何も思わないのか?正直、ファンの身としてはめちゃめちゃ悔しかった。そして、うらやましかった。

前半戦から合わせると6連敗、借金13を背負って本拠地バンテリンドームでの6連戦が始まる。コロナ禍の中でもチケットを買って球場に駆けつけてくれるファン、テレビやラジオで応援してくれるファン、その声援に対して与田竜はどんな野球を見せてくれるのだろうか。この6連戦が終わった時に、一気に秋風が吹くことだけはご勘弁願いたい。「なぜ?」は不要、ファンが納得できる野球を見せてほしい。

【CBCテレビ特別解説委員・北辻利寿】

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