年金生活の夫婦はこどもの扶養に入った方が得?それとも損?
『北野誠のズバリ』(CBCラジオ)の「ズバリマネー相談室」コーナーでは、リスナーから届いたお金に関する悩みや疑問を募集。2月9日の放送では「こどもの扶養に入る方が得なのかどうか」という質問に、小宇佐・針田(こうさ・はりた)FP事務所のファイナンシャル・プランナー針田真吾さんが回答しました。進行はパーソナリティの北野誠と大橋麻美子です。
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今回、紹介するおたよりは次のとおりです。
「息子が離婚し、昨年の5月から私たち夫婦と息子の3人暮らしが始まりました。息子は会社員で、私たち夫婦は年金生活者です。
私たち夫婦が息子の扶養家族になれば扶養手当ももらえ、今まで加入していた国民健康保険から息子の会社の健康保険に加入でき、掛け金も安くなると思っています。
私たち夫婦が息子の扶養に入る条件と、メリット・デメリットを教えてください。
あと、息子が会社で両親を扶養家族にしたいと相談したら『扶養家族には2種類ある』と言われたそうですが、これはどういう意味でしょうか?」(Aさん)
こどもの所得税・住民税が安くなる
まず、親を扶養家族にすることについて2種類ある件ですが、これは税制上の扶養と社会保険上の扶養の2種類があるという意味です。
まず、税制上で扶養家族と認められれば、扶養控除というものを受けることで課税所得が減り、所得税や住民税の負担が減ります。
扶養控除の額ですが、親が70歳未満の場合は38万円、70歳以上で別居ですと48万円、同居は58万円の所得控除が受けられます。
実際にどれぐらい税金が減るのかは、こどもの所得によって異なりますが、仮に年収が6、7百万円程度であれば所得税率は20%のため、7万6千円から11万6千円ほど減ります。
社会保険料はタダに
さらに住民税でも控除を受けられ、こちらは親が70歳未満の場合は33万円、70歳以上で別居ですと38万円、同居は45万円の所得控除で、税率は一律10%のため、3万3千円から4万5千円ほど減ることになります。
つまり、年間で合わせて10万9千円から16万1千円もの負担が減り、累進課税制度により所得が高ければ高いほど税率が高いため、高所得の場合はさらに恩恵を受けることができます。
そのほか税制上だけではなく、会社によっては扶養手当が支給されるというメリットもあります。
そして、社会保険上でも扶養家族と認められれば、毎月支払う健康保険料の負担がなくなり、出費が減るメリットがあります。
扶養に入るための条件
ただし親なら誰でもこどもの扶養に入れるかというとそうではなく、条件があります。
税制上の扶養に入るための要件として、「親子の生計が同一である」ということがあります。この条件に付いて針田さんは「一緒に暮らしてなくてもいい。ちゃんと仕送りをしていてお財布が一緒だということであればOKです」と説明。
また、親の年間の合計所得が58万円以下であることも条件ですが、これは「年金を年間58万円以上もらっていたらダメ」という意味ではありません。
65歳以上の親の場合は、年金控除として110万円差し引くことから、親の収入が168万円以下であれば問題ありません。
また、親が自営業者の場合、青色申告などの専従者給与を受け取っていないことや、白色申告の専従者ではないといった条件があるため注意が必要です。
社会保険のルールは税金と別
社会保険上の扶養の要件は別になっていて、大前提はこどもが会社員や公務員であること。
自営業なら国民健康保険に加入することになり、扶養という考えがないため通常の保険料を払うことになります。
また、親が75歳以上になると自動的に後期高齢者医療制度に移行されるため、扶養に入ることはできません。
そして、親の収入条件が税制上とは異なっていて、60歳以上の親であれば年収が180万円未満、親子が同居している場合は親の収入がこどもの年収の半分以下であること。
別居の場合は親の収入がこどもの仕送りよりも低いことが条件のため、こどもにとってハードルが高くなります。
実はデメリットもあり
ここまでは扶養に入った場合のメリットについて紹介しましたが、針田さんはデメリットもあると語ります。
それは、病院での親の自己負担が増えるという可能性があること。
毎月払う保険料はゼロになりますが、それとは別に病院にかかる時に払う金額には、毎月限度額があります。
「高額療養費医療制度」といいますが、この限度額は世帯での所得によって決まるため、もし扶養に入っていればこどもの所得をベースに計算され、限度額が上がることになります。
また、親が払う介護保険料や、親が介護サービスを受ける際に支払う負担限度額も世帯収入に基づいて計算されるため、これらが上がる可能性があります。
そのため、元気なうちは扶養に入っている方が得になりますが、医療や介護のサービスを受ける場合は注意が必要とのことです。
(岡本)
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