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基礎から学ぶ免疫力

基礎から学ぶ免疫力

サマリーSummary

ゲンキスチューデント:高田秋
ゲンキリサーチャー:なすなかにし
専門家:医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター センター長 薬学博士 國澤純
もうすぐ冬!これからの季節に気になるのが細菌やウイルスによる感染症の流行。だからこそ、今から強化すべきは免疫力です。そこで今回は、免疫について徹底リサーチ!免疫の基礎や免疫力をアップさせる方法などを専門家に教えてもらいました。

免疫の基礎知識~感染から発症まで~

▼感染
ウイルスが好むのは、寒く乾燥した環境。乾いた空気にのっての飛沫や直接触れる事で私たちの体内に入ると、今度は自らを増やすため細胞への侵入を試みます。ウイルスが侵入に成功すると「感染」となります。

▼潜伏期間
ウイルスが侵入して症状が出るまでを潜伏期間といいます。症状が出るまでインフルエンザなら1日~3日。新型コロナウイルスだと現時点では1日~14日、平均5日前後といわれています。

▼自然免疫
細胞に侵入したウイルスは、凄まじい勢いで増殖を開始します。そこでウイルスの増殖を食い止めるために立ち上がるのが免疫細胞です。免疫細胞は、ウイルスの侵入後わずか数分で活動を開始し攻撃を開始します。まず動くのは、ウイルスを片っ端から食べ尽くす「食細胞」。もう1つはウイルスに感染した細胞ごと破壊する「NK細胞」。これら2つの免疫システムを「自然免疫」といいます。自然免疫は、誰もが持ちウイルスから身を守る第一の砦。この免疫のおかげでウイルスが侵入しても症状が出なかったり、軽症で済んだりします。ただし、自然免疫は20代をピークに低下していくといわれています。

▼発症
自然免疫がウイルスとの戦いに敗れると発症します。

▼獲得免疫
感染から数日経つと、新たな免疫システムが作動します。それが、ウイルス殲滅に特化した第二の防衛隊「獲得免疫」です。獲得免疫には、「樹状細胞」「T細胞」「B細胞」があり、自然免疫では防げなかったウイルスの特徴を把握し、抜群の攻撃力でウイルスに感染した細胞ごと破壊。その働きは、のどの痛み、せき、発熱などの症状として身体に現れます。また、ウイルスとの戦いを経験すると、B細胞とT細胞がウイルスの特徴を記憶します。例えば、風疹や麻疹に一度かかると、2度とかからないのは獲得免疫のおかげ。再び同じウイルウスに襲われても、獲得免疫が大いに活躍してくれます。ただし、獲得免疫のパワーも自然免疫と同じく、年齢とともに低下していくといわれています。

最近よく耳にする「抗体」の働きとは?

抗体には、さまざまな働きがあります。そのうちの1つが、ウイルスを取り囲んで細胞への侵入を遮断する働き。さらに、食細胞がウイルスを食べやすくする働きもあるので、自然免疫が活性化するそうです。

専門家が回答!免疫に対する疑問あれこれ

Q1.身体を温めると免疫力が上がる?
科学的に証明されている部分とされていない部分がありますが、免疫細胞が十分に働ける36.5度くらいの体温を維持する事が望ましいといえます。免疫を低下させる一番の要因はストレスなので、お風呂に入ってリラックスするとストレスによる免疫の低下を予防する効果が期待できます。

Q2.寒いと免疫力が下がる?
冬は外と室内の気温差が大きいので、体温調節のために身体にストレスがかかり、免疫力が低下する危険性があります。そのため、着るものを調整するなどして気温差がないようにしてください。

Q3.インフルエンザワクチンの効果は1年間持続する?
インフルエンザワクチンの効果は、大体5か月ほど持続するといわれています。

Q4.インフルエンザと新型コロナウイルス同時にかかる事もある?
さまざまな意見がありますが、この冬にインフルエンザと新型コロナウイルウスが同時流行する可能性があると世界各国が警告しています。

免疫力アップの鍵は“腸”!免疫細胞をゲンキにする食材

私たちは、食べ物や飲み物と一緒に目に見えないウイルスなども飲み込んでいます。その時、栄養か敵かを見極めているのが腸です。腸では、身体の免疫細胞の約6割が働いています。また、小腸にあるバイエル板では、ウイルスなどを取り込んで免疫細胞に学習をさせています。免疫細胞のB細胞やT細胞は、ここで一生懸命学習し、敵と見なしたら全身にその状態を伝達。すると、免疫力がググッとアップするのだそうです。

<免疫力の低下を引き起こすビタミンB1不足>
免疫力アップに欠かせないバイエル板ですが、ビタミンB1が不足するとバイエル板が縮小し免疫細胞も少なくなってしまいます。すると、学習効果が下がり、免疫力の低下を引き起こしてしまうのだとか。だからこそ、食事でビタミンB1を摂取する事がとても大切です。
小さくなったバイエル板が元に戻るには1~2週間必要なので、ビタミンB1を継続して摂取するように心がけましょう。

<免疫細胞をゲンキに!ビタミンB1を含む食材>
パイナップル、サバ、豚肉、牛乳、玄米、枝豆、干しブドウ など
ビタミンB1を含む食材の中でも、先生の一押しは豚肉。特に玉ねぎやニンニクなどに含まれるニオイ成分「アリシン」と一緒に摂取すると、腸での吸収がアップする事が知られているそうです。それらを使ったオススメメニューが「豚の生姜焼き」。ニンニクの隠し味に、玉ねぎも一緒に炒める事でビタミンB1の吸収率がアップします。

~ウイルスから身体を守るために~
先生曰く、睡眠不足やストレスによる体調不良がある時は、免疫力が下がる要因になるので身体を休ませ栄養をしっかり摂って免疫力を回復させる事が大切との事。手洗い・換気・マスクなどの感染対策もしっかりと行いながら健康的な生活を送っていきましょう。

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