「股関節痛」放置すると最悪“寝たきり”…名医が教える「股関節」の痛み・違和感を予防・改善する方法

2024年2月25日(日)放送 【第595回】
「股関節痛」放置すると最悪“寝たきり”…名医が教える「股関節」の痛み・違和感を予防・改善する方法

サマリーSummary

ゲスト:島崎和歌子
ドクター:北里大学大学院 医療系研究科 教授 整形外科医 医学博士 高平尚伸
「股関節」に痛みや違和感を感じていませんか?股関節は、立ち上がる・しゃがむ・歩くなど、 日常生活を過ごすなかで日々酷使されています。そのため、うまく付き合わないといつ異常が起きてもおかしくないそうです。ちょっとした違和感でも放置すると、最悪の場合寝たきりにつながる事もあるのだとか。そこで今回は、股関節の痛みや違和感を予防・改善する方法を専門医に教えてもらいました。

身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは、北里大学大学院 医療系研究科 教授 整形外科医 医学博士 高平尚伸先生です。

今回のテーマは「〜つらい股関節の痛み・違和感〜名医が教える!最新の予防・改善法」

「股関節」に痛みや違和感を感じていませんか?股関節は、立ち上がる・しゃがむ・歩くなど、日常生活を過ごすなかで日々酷使されています。そのため、うまく付き合わないといつ異常が起きてもおかしくないそうです。ちょっとした違和感でも放置すると、最悪の場合寝たきりにつながる事もあるのだとか。そこで今回は、股関節の痛みや違和感を予防・改善する方法を専門医に教えてもらいました。

股関節の違和感・痛みの原因は?

<股関節の違和感・痛みの原因(1)変形性股関節症>
股関節は通常軟骨で覆われていて滑らかな動きをしますが、軟骨がすり減り骨同士が当たって変形するのが「変形性股間節症」という病気。患者数は全国で約500万人以上と推定されているのだとか。先生によると、その原因は「股関節の使いすぎ」「老化」「先天的な骨格の異常」などさまざまだそうです。

<股関節の違和感・痛みの原因(2)骨盤の後傾>
運動不足などで股関節周囲の筋肉などが凝り固まると、股関節に痛みや違和感を感じる事があるそうです。また、運動不足などで体幹の筋力が低下すると、骨盤が後傾する事があるといいます。骨盤が後傾すると、大腿骨のかかりが浅くなり体重を骨盤全体で受け止める事ができなくなるのだとか。その結果、長く歩いたりすると股関節に炎症を起こしやすくなるそうです。

「股関節の機能低下」簡単チェック

股関節の機能が低下すると痛みや違和感が生じる事があるそうです。股関節の機能が低下していないかチェックしてみましょう。

<股関節の機能低下がわかる「2ステップチェック」>
※痛みのある方は無理に行わないでください
※2名以上で行ってください
(1)スタートラインを決めてつま先を揃える
(2)できるだけ大股で2歩歩く
(3)スタートラインからかかとまでの距離を身長で割る
(2回行って良い方の数値を採用する)
【例】2歩の距離(246cm)÷身長(176cm)=結果(約1.4)

≪結果≫
1.3以上  問題なし
1.3未満〜1.1以上 低下が始まっている
1.1未満〜0.9以上 機能が低下している
0.9未満 機能が低下し 社会参加に支障をきたしている

股関節が痛い時に安静はNG!?

CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』

先生によると、股関節が痛い時に安静にするのは要注意だそうです。病院に行かず、安静にし続けていると、痛みが取れないどころか下半身の筋力低下につながる事があるのだとか。下半身の筋力が低下すると、関節を支えられなくなり骨同士が直接擦れて変形性股関節症になる恐れがあるそうです。

<下半身の筋力低下をチェック「立ち上がりテスト」>
※2名以上で行ってください
(1)高さ40cmの台に座る
(2)片足で立ち上がり3秒間静止する
立ち上がれない場合は、下半身の筋力が低下している可能性があるそうです。

股関節のお悩みを簡単に予防・改善!「3Dジグリング」

<「3Dジグリング」とは?>
ジグリングとは貧乏ゆすりの事。貧乏ゆすりの場合、股関節は上下にしか動きませんが、先生が考案した3Dジグリングは股関節を立体的にぐるぐる動かす運動療法。痛みがない人も今のうちから3Dジグリングを始めると、股関節痛の予防になるそうです。

<3Dジグリングの効果>
(1)痛み改善
(2)違和感改善
(3)痛み・違和感予防
先生によると、股関節を動かすと「滑液(かつえき)」という液体を股関節に充満させる事ができるといいます。滑液は重力などで関節内に偏っている事が多く、そのままだと関節がうまく動かず炎症などを引き起こす事があるそうです。3Dジグリングを行うと滑液が関節全体に行き渡るため、関節の動きがスムーズになり痛みや違和感の改善・予防につながるのだとか。骨に変形がある場合も違和感なく動かせるようになるそうです。

<筋トレ・軟骨再生などの効果も!>
3Dジグリングを行うと、関節の潤滑油「滑液」が徐々に行き渡り関節がスムーズに動くようになります。同時に、スクワットと同じ太もものトレーニングにもなるため、下半身の筋力が低下している人にもオススメなのだとか。さらに、滑液には軟骨の栄養分が含まれているため、長く続けると軟骨の再生の可能性も期待できるそうです。

<名医が伝授!3Dジグリング実践>
※続けてみて痛みが強くなる場合は中止してください
(1)背筋を伸ばし 足を肩幅に広げて立ち 両手を股関節の付け根に添える
(2)両ひざと股関節をやや深く曲げ 腰を落とす
(3)骨盤を右回りに大きくゆっくりと10回回す
(4)骨盤を左回りに大きくゆっくりと10回回す
≪注意点≫
骨盤を前に出した時に痛みが出る場合はお尻を後ろに出したままで回してください。1日1回行うだけで効果が期待できるそうです。

平均10日で退院!?人工股関節手術

3Dジグリングでも痛みが治まらないほどの変形性股関節症の場合は、健康寿命の延伸の観点から人工股関節に取り換える手術を勧める場合があるそうです。

<人工股関節手術について>
現在の人工股関節の耐用年数は30年もあり、40〜50代の患者も増えているそうです。手術では、骨盤を削って受け皿を入れ、次に大腿骨の頭を取り除いて器具を埋め込みます。そして骨盤の受け皿に嵌め込めば手術終了だそうです。

<平均10日で退院!?最新の人工股関節手術>
これまでの人工股関節の手術は、お尻の筋肉「大殿筋」を切って股関節にアプローチする方法が主流だったそうです。一方、最新の「最小侵襲手術」は筋肉を切ることなく、スキマから股関節にアプローチするというもの。高度な技術が求められますが、手術時間は約2時間。平均10日ほどで退院出来るそうです。先生によると、患者さんへの負担が少ないので、リハビリも早くなり場合によってはスポーツに復帰する事も可能なレベルまで回復できるのだとか。最小侵襲手術は現在約40%の整形外科で行われているとの事。詳しくは病院にお問い合わせください。

<今知りたい!股関節治療の最前線>
年齢や持病などで手術に抵抗のある方にも近年治療の選択肢が増えたそうです。それが、3年前に保険適用された「股関節にヒアルロン酸を注射する」という方法。ヒアルロン酸を関節内に注射する事で股関節の動きがスムーズになり、痛みや股関節機能の改善効果が期待できるのだとか。ただし、効果を持続させるためには4週間に1度の注射が必要になるとの事。体質的に合わない人もいるそうなので、詳しくは病院にお問い合わせください。

(2024年2月25日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)

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