どうして身体は硬くなる?身体の硬さが招く意外な不調…専門医に学ぶ!健康効果抜群「万能ストレッチ」
サマリーSummary
ドクター:北里大学大学院 医療系研究科長 教授 整形外科医 医学博士 高平 尚伸
身近な健康問題とその改善法を、様々なテーマで紹介する番組『健康カプセル!ゲンキの時間』。
メインMCに石丸幹二さん、サブMCは坂下千里子さんです。
ドクターは北里大学大学院 医療系研究科長 教授 整形外科医 高平 尚伸 先生です。
今回のテーマは「〜疲れ・血流・呼吸にも影響!?〜身体の硬さが招く意外な不調」
特に困っていないからと“身体の硬さ”を放置していませんか?実は、身体が硬いと健康面でさまざまなデメリットがあるのだとか。そこで今回は、身体の硬さが招く意外な不調や、健康効果抜群のストレッチを専門医に教えてもらいました。
筋肉は使う事によって柔軟性を保っています。そのため、日常的に動かさないと筋肉が萎縮して硬くなり、関節の可動域も狭くなってしまうそうです。
あなたは大丈夫!?下半身の柔軟性をチェック
<チェック(1)かかとを地面につけたまましゃがむ>
≪方法≫
▼両足は揃えて手は後ろに組む
▼そのままかかとをつけてしゃがむ
(※行う場合は、転倒などにご注意ください)
≪結果≫
これができない場合は、足首を動かすふくらはぎの筋肉「腓腹筋(ひふくきん)」が硬くなっているそうです。そのため、足首が思うように曲がらずしゃがむ事ができないのだとか。腓腹筋が硬くなると、血流が悪くなってむくみやすくなります。また、腓腹筋はひざに繋がっているので、ひざ痛の原因にもなってしまうそうです。
<(2)立ったまま靴下を履く>
≪方法≫
▼立った状態で靴下を履く
(※行う場合は、転倒などにご注意ください)
≪結果≫
スムーズにできない場合は、腸腰筋が硬くなっている可能性があるそうです。腸腰筋は上半身と下半身を繋ぐ筋肉で、歩行など脚を前に出す動作の時に重要な役割を果たしています。腸腰筋が硬くなると、歩幅が狭くなったり、歩くスピードにも影響が出たりするのだとか。さらに、腸腰筋が硬くなると足が十分に上がらないので転倒のリスクにもつながってしまうそうです。
あなたは大丈夫!?上半身の柔軟性をチェック
<(3)トレーナーを脱ぐ>
≪方法≫
▼袖から手を抜いてトレーナーを脱ぐ
≪結果≫
スムーズにできない場合は、肩甲骨周りの筋肉や肩関節が硬くなっている可能性があります。筋肉が硬くなると中を通る血管を圧迫し血流が悪くなるので、肩こりや腰痛の原因にもなってしまうそうです。
身体が硬い事によるデメリット
・転倒リスク上昇
先生によると身体が硬いと足が上がりにくくなったり、歩幅が狭くなったりするため転倒リスクが上昇するのだとか。特に高齢者の転倒や骨折は寝たきりにつながる事もあるので注意が必要だそうです。
・肩こり・腰痛・冷え・むくみなどの不調
身体が硬いと血液循環が悪くなるので肩こり・腰痛・冷え・むくみなどの不調につながるそうです。
・さまざまな病気のリスク上昇
身体の硬さと血管の硬さについて調査したところ、60歳以上の世代では身体の硬い人は血管も硬く、身体が柔らかい人に比べて血管年齢も10歳ほど高いという結果が出たのだとか。血管が硬いと血圧も高くなりやすいため、脳梗塞や心筋梗塞などさまざまな病気のリスクが上昇するそうです。
・疲れやすい
身体が硬いと本来使う筋肉とは別の筋肉を使うので、筋肉が必要以上に使われ疲れやすくなってしまうそうです。また、デスクワークなど同じ姿勢で長時間いると、姿勢が崩れて肋骨の間が狭くなり筋肉が硬くなってしまいます。すると、深い呼吸がしにくくなるため、疲れやすくなったり、睡眠の質に影響が出たりする可能性もあるそうです。
先生オリジナル!健康効果抜群「万能ストレッチ」
このストレッチは、お部屋の隅を使い3段階に分けて行います。(※無理をしないように 治療中の方は主治医の指示に従ってください)
<万能ストレッチ(1)>
▼壁の角の部分の正面に立ち 左右の壁に両手をつく
▼両手のひじを伸ばして片脚を前に出しひざを曲げて腰を落とす
▼顔を上げて できるだけ上を見ながら20秒キープする
身体の前側の筋肉に効果があり、腸腰筋を伸ばす効果が期待できるそうです。
<万能ストレッチ(2)>
▼壁の角の部分の正面に立ち 左右の壁に両手をつく
▼両手のひじを曲げて片脚を前に出す
▼両手より顔が前に出るように 身体を壁に近づけて20秒キープする
かかとをつける事で足首やふくらはぎの腓腹筋に効果的だそうです。
<万能ストレッチ(3)>
▼壁の角の部分の正面に立ち 左右の壁に両手をつく
▼両手のひじを伸ばして 片脚を前に出しつま先を上げる
▼頭を下げて おへそを覗きこむようにし両方のひざを伸ばして20秒キープする
※手の位置によってストレッチされる肩甲骨周りの筋肉は変わります
身体の後ろ側が伸ばされ、肩甲骨周りの筋肉にも効果的だそうです。
<スキマ時間を利用して1日3セット行いましょう>
ストレッチは、一通り終えたら反対側の脚に入れ替えて最初からもう一度行います。これを1セットとして1日3セット行なってください。ストレッチを行うのは、どの時間帯でもOK!スキマ時間や長時間同じ姿勢が続いた時に行うのがオススメだそうです。
(2023年1月22日(日)放送 CBCテレビ『健康カプセル!ゲンキの時間』より)