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次期「ノーベル文学賞」の有力候補! 日本人女性作家4人の魅力と可能性に迫る

次期「ノーベル文学賞」の有力候補! 日本人女性作家4人の魅力と可能性に迫る

韓国の作家ハン・ガンさんが今年、アジア人女性として初めてノーベル文学賞を受賞し話題となりました。11月4日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』(CBCラジオ)では、映画監督で評論家の高野史枝さんが今後のノーベル文学賞の有力候補として期待する4人の日本人女性作家について解説しました。

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掟破りの独特なスタイル 多和田葉子

1人目は多和田葉子さん。ドイツ語と日本語の両方で作品を書くバイリンガル作家で、日本からも世界からも評価の高い方です。

高野「(ノーベル賞を)取るんだったらこの人じゃないか、と思って。読むととんでもない本でして(笑)」

例えば、芥川賞を受賞した『犬婿入り』(講談社文庫)は、一文がとにかく長いことが特徴的な小説です。

高野「『こんな小説を書いちゃいけない』っていうような小説を書く人。頭が壊れそうになるんですけど。そういうぶっ飛んだところが面白いんですよね」

一文に10行以上も費やす掟破りのスタイル。
そういう意味では、長い文章の中で主語が変わりまくる「源氏物語」に近いところもあるようです。

高野「この方が、なんと言ってもナンバーワンです」

リアルな人生の葛藤を描く 柳美里

2人目は柳美里さん。韓国人の両親を持つ、日本育ちの作家です。

高野「情念がものすごく熱いんです」

私生活では、東京キッドブラザースの東由多加さんと17歳から同棲。
いろいろな賞を取って別れた後、妻子ある人と不倫し、出産。
東由多加さんががんになった後に復縁し、看取り。

東日本大震災を機に東北へ移り住み、こどもとの問題も起こり…と、とにかく波乱万丈の人生です。

高野「そのまま書いてるんです。そのまま書いてるところが面白い。『どうなるんだ、どうなるんだ。大丈夫か?』って言いながら思わず読んじゃうんですね」

最近は雰囲気が変わり、ノーベル賞にふさわしい小説を書いているそうです。

高野「この“熱さ”っていうのを。韓国人の両親を持つ人が日本語で書く。ちょっと面白いという感じでいいんじゃないかなと思います」

日常から異世界に踏み込む 小川洋子

3人目は小川洋子さん。教養ある両親のもとに生まれ、『若草物語』(世界文学全集)を読んで育ち、早稲田大学文学部を卒業。24歳でエンジニアの夫と結婚しました。

高野「本当の文学少女の道を歩んでる方」

小川さんが書くのは、日常からひょいと異世界に行ってしまうような物語です。

代表作は『博士の愛した数式』(新潮文庫)。
この作品の映画を観たつボイは「無機質なものを有機質な生活に取り入れていく」部分に感銘を受けたそうです。

普通の生活から異世界へ行くスタイルは、日本人初のノーベル文学賞受賞者である川端康成を思わせる部分も。

海外での受賞も多く、女性作家の中では作品が世界で最も多く翻訳されている作家です。

高野「この方もあるのかな、と思います」

世界的な文学賞の候補に 川上未映子

4人目は川上未映子さん。40代という若さながら、数々の作品で注目を集める実力派作家です。

2022年には『ヘヴン』(講談社文庫)が「ブッカー国際賞」の最終候補に、2023年には『すべて真夜中の恋人たち』(講談社文庫)が「全米批評家協会賞」の最終候補にノミネートされました。

高野「これからもっといいのを書くんじゃないかなという感じはするんですけど」

映画『パンドラの匣』では女優デビューを果たし、キネマ旬報新人女優賞、おおさかシネマフェスティバル新人女優賞を受賞しています。

つボイ「文字で表現、セリフと体で表現、ということもやってらっしゃる」

多和田葉子さん、柳美里さん、小川洋子さん、川上未映子さんは、いずれも芥川賞受賞者。国内でゆるぎない地位を確立し、海外でも高い評価を得ている方々です。

高野さんが有力候補と考えるこの4人の作家の中から、遠くない未来に「ノーベル文学賞」受賞者が生まれるかもしれません。
(minto)
 

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