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アメリカ大学バスケの最高峰リーグで注目シューター1位に!富永啓生が語る目指すべき選手像とは

アメリカ大学バスケの最高峰リーグで注目シューター1位に!富永啓生が語る目指すべき選手像とは

故郷の名古屋から1万キロ離れたアメリカ・ネブラスカ州の街リンカーン。バスケットボールの最高峰NBAを目指す22歳の富永啓生(とみながけいせい)は、この地で大学バスケ最後のシーズンを戦っている。富永が語る、アメリカでの成長、支えてくれた家族や恩師、目指すべき選手像とは?

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最大の武器“ディープスリー”で、NCAA注目シューター1位に!

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ディープスリー~富永啓生・夢を叶えるたった一つの武器~ 』

アメリカ在住5年目の富永は現在、ネブラスカ大学の4年生。同大学は、アメリカ大学バスケの最高峰リーグ「NCAA1部」でも5本の指に入る「BIG10カンファレンス」に所属し、過去5年間で3人のNBA選手を輩出するほど。公式戦が全米で中継され、人気や注目度はプロに引けを取らない舞台で、富永はエースとしてチームをけん引している。

富永の最大の武器は、3P(スリーポイント)ラインのさらに後方から打つロングシュート“ディープスリー”。「欠かせない武器。アメリカで戦っていける秘訣」と話すこのシュートで、富永は並みいるプレーヤーの中から今シーズンの「注目のシューターランキング」1位に選出されるほどの評価を得ている。

富永がディープスリーを磨き始めたのは中学時代。身長が160センチ台で、大きな選手が相手だと苦しむことが多くなった時期、元バスケ日本代表の父・啓之さんのアドバイスでシュートレンジを広げてディフェンスを打ち破った。現在は188センチになったが、磨き続けたディープスリーは、ビッグマンだらけのアメリカでもディフェンスを無力化している。

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ネブラスカ大学の指揮を執るフレッド・ホイバーグヘッドコーチ(HC)は、かつてNBAで3Pシュート成功率のシーズントップを記録した名シューター。シカゴブルズのヘッドコーチも務めた名将は「啓生は今まで見てきた中でベストシューターの一人。ボールを持っていなくとも、良い動きでシュートスペースを見つけるのがうまい。3Pラインのはるか後方からいとも簡単に決める。彼は唯一無二だ」とその技術に惚れこんでいる。

シューターの原点は高校時代。2018年の全国大会で得点王に

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どんどんシュートを打つアグレッシブなプレースタイルの原点は、愛知の桜丘高校時代。当時の恩師で今は山梨学院高校の指揮を執る江﨑悟さんは「彼ほど距離に関係なく、ちょっとしたチャンスでボールをもらったら入れられる選手はいない」と振り返る。

1人にシュートを打たせ続けるスタイルに批判の声もあったが、江﨑さんは富永中心のチームを構築。エースとして臨んだ2018年の冬の全国大会で、富永は1試合平均39.8点を記録し得点王に。

大会後に渡米を決意した富永は「アメリカでバスケをしたいという気持ちは小さい頃からあった。それが実現しそうだと思ったのが冬の全国大会だった」と話す。

富永の逆境を救ったNBA選手・カリーの言葉

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ネブラスカ大のエースになるまでの道のりは、決して平坦だったわけではない。1年目のシーズン最後の10試合は1試合平均、出場時間わずか6.7分で1.5得点。DNP(出場機会なし)も2試合あった。「本当につらい時だった。高校以降、自分の人生の中でDNPは無かったので。なんで出られないんだというフラストレーションはあった」と振り返る。

壁にぶつかった富永を救ったのは、NBA史上最高のシューターと呼ばれる憧れの選手ステフィン・カリーからもらった言葉。渡米前の2019年、東京で行われたスポーツメーカー主催の交流イベントでカリーとプレー。富永は、アメリカのレベルの高いチームでプレーするために、やるべきことは何か質問した。

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カリーは「自分を信じる心を失わないことが何よりも重要だ。そして、うまくなることに全力を注ぎ続ける。自分の気持ちをかき乱すようなことはたくさん出てくるだろう。試合になかなか出してくれないコーチや、ケガだってそうだ。バスケットの世界を取り巻く雑音はアメリカでは特に多い。だからこそ自分がコントロールできることにだけ集中する」とアドバイス。

富永は「心にすごく響くものがあった。バスケットが好きでやっているので、そこは全く変わらない。毎日の練習で自分のできる100%の力を出して、コーチに認めてもらえるまで頑張るだけというモチベーションでやった」と話す。

カリーの言葉を原動力に、富永は逆境を克服。昨シーズンは、2月5日の試合で30得点を挙げたことを皮切りに、5試合連続で20得点以上をマーク。その名前を全米に轟かせた。

「自分から動くスコアラーになる」3P以外も伸ばしNBAへ!

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ネブラスカ大学でプレーをする最後のシーズン。富永は「3Pだけではなく、ドライブで切り込んでのシュート、ファウルをいかにもらえるかを意識してやっている」と、さらなる進化を見据えている。

大きかったのは、2023年のバスケW杯で強豪ドイツと対戦し、シュート2本に封じ込められた苦い経験。「3Pシュートだけだと、ディフェンスはすごく守りやすい。他もできたほうが、もっと楽にバスケットができる。どこのチームも自分を3Pシューターと見てくる。裏を突くプレーができれば、3Pが入らなくても得点が伸びる」と話す。

今シーズンは富永へのマークはこれまで以上に厳しく、シュートモーションにすら入れなかったり、無理な体勢でのシュートになったりすることも。そんな中で、3Pシュートが2本にとどまりながら、チーム最多の23得点をあげた試合もある。「パスを待つだけのスポットシューターではなく、自分から動くスコアラーになる」と理想は高いが手ごたえを感じている。

ホイバーグHCに、富永はNBAでプレーできると思うか聞いてみた。今シーズンも富永をエースに任命した名将は「間違いなくチャンスはある。多くのNBAスカウトとも話したが、みんなが彼に注目している。昨シーズンのような活躍ができれば、きっと道は開けるはずだ」と太鼓判を押す。

富永は「自信を無くしたら、何も達成できない。自信はずっと保ちつつ、一日一日の努力次第で達成できるという意識でやっている」と意気込む。

NBAのドラフトは2024年6月。3Pシュートを武器に海を渡った富永啓生の夢は、もう目の前だ。

CBCテレビ「ディープスリー~富永啓生・夢を叶えるたった一つの武器~」1月2日放送より

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