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レジェンド達の教えと命運握るワングリップ。ドラゴンズ京田陽太はどう変わったのか?

レジェンド達の教えと命運握るワングリップ。ドラゴンズ京田陽太はどう変わったのか?
「サンデードラゴンズ」より京田陽太選手(C)CBCテレビ

今、とにかくドラゴンズの試合に飢えている。勝てば、バンザイ!負ければ、イライラ。。だが、今は試合すら無いというのが、何より寂しい。この思いは五輪の盛り上がりとは、全く別だ。

そんなドラゴンズへのハングリーさを、満たしてくれる光景を見た。
エキシビションマッチを控えた練習日、京田陽太選手が、黙々とバント練習を続けていた。そして、その傍らには、現役最年長、福留孝介選手の姿が。

福留選手自身は、「見てるだけ~」と嘯(うそぶ)くも、京田選手の申し出により、大先輩は快く、かつ専属コーチに配慮しながら、あくまでアドバイスでしかない、と絶妙な距離感で熱視線を送る。

福留からの教え

京田陽太選手と福留孝介選手(C)CBCテレビ

その内容は、実に明解で具体的だ。例えば。

「バットを最初から狙う方向に向けるな!」

バントするぎりぎりまで、バットは投手に対し正対させ、投球コースに応じてバットの角度を変えろ!と。バットを寝かせながら前に歩み出るイメージで、コースなりにボールにぶつければ、ぶれてもファウルや小フライになりにくい。

「センパイ、どうしてもっと早く教えてあげなかったのですか!?」と誰もが突っ込みたくなるほど、目から鱗、効果てきめん。京田選手本人も手応えを語る。

「打撃すべてに通じるほど、勉強になります」

バントに限らず、打撃全般に共通するというのだ。
不調な時ほど、ヒットが欲しくて、引っ張って長打を、流し打ちで遊撃手の頭上越えをと相手投手にとって分かりやすい面も持ち合わせてしまっていた京田選手。プロは当然、その狙いを外す組み立てをしてくる。タイミングも合わせてくれるわけがない。だからこそ、バント同様、相手バッテリーとの読み合いの先の対応力、適応力が不可欠なのだ。

立浪からの教え

ドラゴンズファンは、京田選手への期待値が高く、ポテンシャルを認める分、試合のイイ流れの中で、あっさりと凡退する姿が、自分本位に見え、SNSがざわつく展開になってしまっていた。

自分の間合いを作りたい。でも、相手投手は、当然その間を消しにくる。
そのため、自分は打席でどう準備すべきなのか。京田選手は、このヒントを半年前に受け取っている。そう、立浪和義臨時コーチの教えだ。

「敵は間を取らせてくれないから、自分で先にトップ位置を作っておきなさい。」

レジェンド達から彼への言葉の数々。それだけ京田選手は高みを求められているのだろう。

チームのための変革

「サンデードラゴンズ」より京田陽太選手(C)CBCテレビ

もうひとつ、ファームから一軍復帰後、大変革させたことがある。
バットの握りだ。
お気付きのファンも多いだろう。ワングリップほど短く握っている。いや、それ以上短い場面も。
中距離ヒッターとして外野の間を鋭く割っていく長打があり、一発も秘めた1、2番打者は理想だが、カウントが追い込まれたら話は別。バットを短く握り変えて、チームのチャンスを広げる意識で粘る。

どっちになるべきか!ではなく、今、チームに求められ、相手がイヤなのは、どちらか?その場面に応じた客観視。これこそが、バントに限らず、生まれ変わった京田選手の姿であろう。超一流の先輩たちが抱く歯がゆさにも、ファンの思いにも、ペナントレース後半の活躍で、魅せてほしい。そのための五輪期間中のエキシビションマッチがいよいよ始まる。ファンは京田選手の走攻守が見たいのだ。

思えば、球団初の連覇から、もう10年の月日が経つ。常勝落合時代の真骨頂は、相手がイヤがる野球だった。ならば再び、京田選手がその先駆けとなって欲しい。燃えよ!ドラゴンズ!

【CBCアナウンサー 宮部和裕 CBCラジオ「ドラ魂キング」水曜、テレビ・ラジオのスポーツ実況担当。生粋の元少年ドラゴンズ会員。早大アナ研仕込の体当たりで、6度目の優勝ビール掛け中継を願う。「月刊ドラゴンズ」コラム連載中】

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