100万円騙されたディレクターが自ら様々な詐欺を調査!巧妙な詐欺の実態が明らかに!

インターネットの普及に伴い、詐欺被害が急増しています。スマホ乗っ取り詐欺や銀行を装った詐欺メールなど、手口は巧妙化しています。本記事では、実際の被害例や専門家の意見を交えながら、最新の詐欺手口と対策について詳しく解説します。CBCテレビ「怪しいURLクリックしてみた」より
急にパソコンから警告音が…サポート窓口の相手はカタコトの日本語を話す外国人

インターネットを使用中、怪しい日本語の音声とともにパソコンがウイルスに感染したと警告画面が流れたことはありますか?これらは全て嘘。不安を煽ってサポートセンターに電話させ金銭を騙し取るサポート詐欺です。2024年の1年間、全国で4億9000万円もの被害が出ているそうです。
今回、名古屋で詐欺電話・詐欺メールの調査を行う会社監修のもと、騙されたフリをして偽のサポートセンターに電話をかけてみることに。
(電話口の相手)
「マイクロソフトサポートセンターです、ご意見どうぞ」
(ディレクター)
「パソコン使っていたら急に変な画面が出たんですけど」
(電話口の相手)
「お客様、この問題はいつから出てきましたか?」
(ディレクター)
「いまさっきです」
(電話口の相手)
「わかりました、全然ご心配しないでくださいね」
電話に出たのは、片言の日本語を話す外国人。
(ディレクター)
「アメリカの方ですか?」
(電話口の相手)
「私は、米国人(べいこくじん)です。マイクロソフトの会社はアメリカの会社です。私の名前はジャックウィリアムと申します」

自称マイクロソフトの社員、ジャックウィリアムからまず指示されたのが、パソコンを調べるための「ソフトウェアをインストールすること」。実はこれ、金銭を騙し取るための準備。パソコンを遠隔操作できるようにしているそうです。
すると、「このままではパソコンの情報がハッカーに奪われる」と主張してきた電話口の相手。
さらに!
(電話口の相手)
「お客様このパソコンの中に携帯電話のほからにネット銀行使っていますか?」
(ディレクター)
「スマホでネットバンキング使ってますけどパソコンでは使ってないです」
(電話口の相手)
「1回教えてくださいねどんな銀行使っていますか?」
(ディレクター)
「UFJ銀行とか使っています」
その後「銀行の中にインターネットのセキュリティ入れないと、銀行のお金は今安全じゃない」と主張し、口座情報を求めてきました。
一体これはどんな手口なのか?専門家に聞いてみると?
(トビラシステムズ・柘植悠孝氏)
「パソコンの中にログイン情報とかも入ってたりすると思うんですよ。パソコンをのっとって、そこで振りこむっていうのが、成功しやすい手口なんだと思う」

日本マイクロソフトは「エラー画面から電話を促すことは絶対にない」としています。
また、トビラシステムズ・柘植悠孝氏によると、偽の警告画面の消し方はEsc(エスケープ)キーを長押しして、画面を閉じることだと言います。
スマホがウイルス感染すると、知らない間に詐欺に加担している可能性が…

あなたは、銀行をかたるショートメッセージが届いたことはありますか?URLをクリックすると、「取引を規制した」との警告が。実はこれ、銀行も注意喚起している「詐欺」なんです。
そこでディレクターが、ショートメッセージに記載されていた電話番号に電話してみることに。すると思わぬ展開に。
(ディレクター)
「さきほどショートメールが来て、UFJのお支払いが止まってるみたいなショートメール。」
(電話口の相手)
「は~は~わかりません」
(ディレクター)
「そういうメールとか出してないですか?」
(電話口の相手)
「関係ないですけどね」
電話に出たのは、お年寄りとみられる男性。一体どういうことなのでしょうか?
(トビラシステムズ・柘植悠孝氏)
「一般の方のスマートフォンが偽物のアプリに感染してしまって、犯罪者の指令に基づいて詐欺SMSをばらまいてしまうという手口がある」

男性のスマホがウイルスに感染しているため、本人が気づかぬまま詐欺メールをばらまいている可能性があるというのです。
再度連絡すると、メールの差出人は、愛知県弥富市に住む90代の男性だということが分かりました。しかし取材はNG。そこでディレクターが、スマホを携帯ショップで調べてもらうことを提案すると、後日義理の息子(70代)が取材に答えてくれました。
(男性)
「携帯ショップの方に確認すると(ウイルスに)感染しているであろうということと5000件ずつぐらいは毎月毎月携帯から発信されていたのではないかということでした。(本人は)ピンときてないというか理解してないみたいでしたけど」
さらに、通常7000円前後だったという携帯代がウイルスに侵されたとみられる時期に1万5000円ほど高くなり、その後もディレクターが指摘するまでの9か月間毎月2万円を超す金額を払い続けてきたそうです。
スマホがのっとられる一般的なケースは、携帯会社などを“かたる”ショートメッセージを開くと「セキュリティアプリをダウンロードする」よう促され、ダウンロードするとウイルスに感染することだと言います。
対策として、アプリのインストールは、App(アップ)ストアなど公式ストアから行うこと。企業をかたるメールは開かず、公式サイトや公式アプリからの確認を徹底することだと言います。
怪しいURLは絶対にクリックしないようにしてください。
CBCテレビ「怪しいURLクリックしてみた」2025年5月10日放送より