なぜ「はりまや橋」は川のない場所にかかっているの?
11月14日放送のCBCラジオ『ドラ魂キング』では、榊原悠介アナウンサーが趣味である「道」について語りました。地図を見たり道を見たりするのが好きな「道マニア」な榊原。今回は、現在プロ野球の秋季キャンプが行われている高知県にある、とある道について解説します。聞き手は安藤渚七です。
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榊原「道にまつわるお話をしていきます」
そう話し始めた榊原は、地図を読むことや道を見ることが大好きな「道マニア」なのだとか。しかしこれまでなかなか共感してくれる人はいなかったようです。
榊原「だからCBCテレビで放送されている『道との遭遇』という番組が大好きで」
安藤「あの番組を見ると、普通に通ってる橋とか道とかも、『ここって何だったんだろう』って思うようになりますよね!」
『道との遭遇』はその名の通り「道」を主題とした番組で、全国各地の珍しい道を紹介するバラエティ。変わった道や不思議なトンネル、橋などを深掘りし、なぜそうなっているのかを追求することで、道にまつわる物語を紐解く番組です。榊原は放送開始当初からのファンだそう。
はりまや橋はがっかり?
そんな榊原は、高知県で気になる道を見つけたのだとか。
榊原「はりまや橋って聞いたことありますか?」
安藤「ありますよ!」
高知県の観光スポットのひとつであるはりまや橋は、江戸度時代の商人であった播磨屋と櫃屋が、両者の往来のために架けたものだといわれています。
榊原「ただ、人によってはがっかりスポットだったという声もあるみたいです」
よさこい節のフレーズにもなるほど有名な場所ですが、いざ期待して行ってみたら小さな橋が架かっているだけで、「これだけか」と拍子抜けしてしまう人もいるようです。観光地にはありがちな現象です。
そんなはりまや橋の魅力を伝えたいという榊原。せっかくはりまや橋に来て「あぁこれだけか」、と帰ってしまうのはもったいないと熱弁。
榊原「道マニアとして、はりまや橋がいかに貴重なものであるかを伝えたい!」
川はないのに橋がある
榊原「はりまや橋、その名の通り橋です。橋って普通はどこにかかっていますか?」
安藤「川の上?」
榊原「そうです。川を渡るために橋を架けるのが普通です」
まれに川以外にも、道路や鉄道、谷などの障害を越えるために建設される場合もありますが、基本的には橋がある所には川があるものです。ただこのはりまや橋の下には、川は流れていません。もちろん道路や鉄道も走っていません。
榊原「川がないのに橋がある。ということは、昔はここに川が流れていたということです」
はりまや橋の下には、かつては堀川という川が流れていましたが、現在は埋め立てられ、その影もありません。
しかし橋だけは残り、今もなお人を渡しています。そのアンバランスな「道」から感じられる物語や歴史が、道マニアにはたまらないようです。
道は語る
榊原は実際にはりまや橋に立ってみて、すぐに「昔は川が流れていた」とピンと来たのだとか。一体なぜなのでしょうか?
榊原「川があったであろう方角は、ビルとビルの間が不自然に開けた視界になっている。さらに周りの古い建物を見てみると、こちらに正面を向けているものがひとつもないんです。川に面した方向に玄関は作らないですよね。やっぱりここには川があったんだと、その場に立ってみるとよくわかります」
道だけでなく周辺の地形や建物の様子をよく見ると「その場所の過去を読み解くことができる」と続けます。
何気なく道を歩いていても、何気なく地図を見ていても、「あれ、この道変な形してるな」と気付き始めたら沼への第一歩だそう。
榊原「道ってなにもなければ真っすぐ引くはずなので。それがなぜか斜めになっていたり、不自然にカーブしているとなると、昔は線路が通っていたり川が流れていたり、旧道があったりした可能性があります」
安藤「ロマンだね!」
この道は一体なぜこうなっているのか?そんなことを考えながら歩いてみると、面白い事実に気付けたり見識が深まったりするのかもしれませんね。道の魅力に気が付くと、普段の移動や散歩が楽しくなりそうです。
(吉村)
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