自動音声は女性が多いのはなぜ?知らないうちに受ける思い込み

平日朝の情報番組『CBCラジオ #プラス!』の金曜日に放送されているコーナー「新聞ピックアップ」。1週間の新聞記事の中から、竹地祐治アナウンサーが気になるものをピックアップし、記事からどのようなことがわかるのか、パーソナリティの石坂美咲とともに伝えています。ここでは10月10日の放送で取りあげた記事の中から、生活で身近なものから意外にも男女の役割について考えさせられる内容を取りあげました。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くなぜ女性の声が採用される?
家庭にある給湯器やエアコン、外ではエレベーターやバス、ATMなどで聞かれる自動音声には、女性の声が多く使用されています。
例えば「お風呂が沸きました」や「5階です」、「料金は料金箱に入れてください」など。
8日の朝日新聞の記事では「他人のお世話をするのが女性の役割である」という社会のバイアスを内包している、と専門家が指摘しています。
女性の方が声が聞き取りやすい、耳障りではないといった理由で採用されているのかもしれません。
が、専門家は、もともとバスやエレベーターで女性が案内役として採用され、自動音声に切り替わる際にそのまま女性の声が採用されたのではないかと推察しています。
女性の声の方が良いという思い込み
竹地はこの記事を読んで、テレビ局にも同じことを思い起こしました。
天気予報の自動音声化にあたり、アナウンサーの声を512パターン録っておいて、その組み合わせで放送に使うことになりましたが、その時収録したのは女性アナウンサー。
他局も含め、男性アナウンサーを使う発想はなく、「女性の声を使うのが当たり前」という思い込みに囚われてるのかもしれないと竹地。
竹地「僕は自分でもしゃべる仕事を社会人になってしていて、男性の声と女性の声で性差が大きいかと言われると、それよりも個人差だなと思っていて。
通る声っていうのがあるんですよね。
マイクに乗る声とか、人混みで話をしていてもあの人の声は嫌でも聞こえてきちゃうねっていう、通る声っていう方が大きいのかなって思っていて。だから性差っていうのは良くないかな」
国連からも指摘
実はこの傾向に対して国連も指摘しているとのこと。
各種案内を女性の声で定着させてしまうと、それが女性の役割だと固定観念になってしまう危惧があります。
そのため、女性の声と男性の声を合わせて、ジェンダー問題に対応できるような音声の使い方を考えようとの意見もあるようです。
女性ばかりが行っていること、逆に男性ばかりが行っていることを長年見続けていると、当たり前すぎて気づかないということはよくあります。
それを1つ1つ、先入観なしで見直してみるというのは大事なことかもしれません。
竹地は「女性の方が向いてる、向いてないという問題ともちょっと違うんじゃないかなと捉えたほうが良い」とまとめました。
(岡本)
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