経歴詐称で大揺れ。伊東市は今後どうなる?

学歴詐称を指摘されている静岡県伊東市の田久保眞紀市長は、先月31日の記者会見で辞職の意向を撤回し、市長選で掲げた公約を実現するため続投する考えを表明したと共同通信が報じました。一方で市議会は辞職勧告決議を全会一致で可決していて、辞職しない場合は不信任決議案を提出する構え。さらに伊東市の全部長が、田久保市長に辞職して出直し選に出馬するよう申し入れましたが、田久保市長は拒否したことが8月1日に判明しました。2日放送の『北野誠のズバリサタデー』(CBCラジオ)では、角田龍平弁護士が今回の騒動を解説しました。聞き手は北野誠と加藤由香アナウンサーです。
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今回の騒動の発端となったのは、田久保市長が広報誌に載せた「大学卒業」という経歴が嘘かもしれないということ。
就職活動で嘘の学歴を書いた経歴書を提出することは懲戒処分の理由とはなりますが、学歴詐称自体が犯罪というわけではありません。
では、今回のケースでは犯罪となりうるのでしょうか?
角田「公職選挙の立候補者が学歴を詐称した場合は公職選挙法違反ということになるので、今回は市長選挙の中の経歴表に虚偽情報を公開していたんじゃないかということで、公職選挙法違反になるんじゃないかということを言われてるんですね」
卒業証書「らしきもの」って何?
以前、田久保市長は学歴詐称ではないと証明するため、市議会議長らに卒業証書「らしきもの」をチラ見せしたという報道もありましたが、こちらは犯罪にあたるのでしょうか。
角田「東洋大学が本来発行すべき卒業証書を勝手に作ってたとしたら私文書偽造。
それを見せたら行使ということになるんですけれども、それがどんなもんやったか、いまわからない状況になってますので。
(田久保市長の)弁護士が(見せたものは何だったのか)秘密にすると。
捜査されたとしても、預かっている物には押収拒絶権があるので、というようなことを言ってるんですけど」
こう着状態となっている現在、百条委員会が開催されるかどうかが注目されます。
自治体の事務が正常に遂行されるために調査を行なう百条委員会では、正当な理由なく出頭しない、記録を提出しない、供述を拒むという場合は罰則があります。
しかし、田久保市長は正当な理由があると主張しているため、罰則に当てはまらない可能性もあります。
結局、損するのは市民
また、刑事訴追を受けたり、有罪判決を受けたりする可能性がある場合は、供述を拒むことができます。
ただ、そもそも供述の前に出頭を拒むことができるかどうかは、解釈が分かれているのだそうです。
供述を拒めるなら出頭を拒めるという考えもありますし、出頭は義務であって、出頭してから供述を拒むのは良いという考えもあります。
では、不信任決議が可決された場合はどうなっていくのでしょうか?
市議会の解散、または市長の失職かの2択ですが、解散の場合は選挙で新しく選ばれた議員が2度目の不信任決議をすることになります。
いずれにせよ数千万円の費用が余分にかかってしまいます。
角田弁護士は「大学を出ていたかどうかというよりも、今の立ち振る舞い方に公職者としての資質があるかというところに問題が変わってきてますよね」とまとめました。
(岡本)
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