参院選を前に課題は山積。消費税減税は実現するのか?

夏の参院選を控え、与野党から物価高対策の公約を掲げる動きが出始めています。公約として「消費税減税」と「現金給付」があがっていますが、どちらが良いのでしょうか?また、消費税減税は本当に実現するのでしょうか?5月10日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが消費税減税に対する各党のスタンスについて解説します。
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夏の参院選を控え、与野党から物価高対策として公約を掲げる動きが出始めています。
最近増えているのは消費税関連のニュース。
大石「減税を簡単にできるか?消費税に関して言うと、なかなかできないと思います。消費税を上げるのにどれだけ苦労したか」
物価高対策の公約として「消費税減税」と「現金給付」の2種類がありますが、どちらが望ましいのでしょうか?
今回は、各党が打ち出しているスタンスや公約を解説します。
仮に消費税がゼロになったとすると、効果としては、ひとり当たり3万3千円ほどの負担軽減になります。
大石「それだけ負担が少なくなるということです。大きいですね」
ただしその代わりに、5兆円の税収が必要になります。
年金や子ども対策に消費税があてがわれているためです。
一方、ひとり5万円の現金給付の場合、財政負担は6兆円になります。
大石「どっちがいいんでしょうね」
短期なら「現金給付」、長期なら「減税」
それぞれのメリットとデメリットを家森信善名古屋大学名誉教授に尋ねた大石。
まず消費税減税のメリットは、価格高騰の直接的な負担が軽減されること。
大石「びっくりするときありません?『10%』って、レジで感じるところがあります」
とりわけ、お米は17週連続で値上がりが続いており、いきなり「5000円」という表示には驚きを隠せないと大石。
逆にデメリットは法改正が必要なことです。
また、レジのシステム変更もお店側には負担になります。
一方、現金給付のメリットはスピードの早さ。
法改正の必要がなく、困っている人により早く届けられます。
逆にデメリットは一部の人々が貯蓄に回してしまうことです。
まとめると、対応コストが大きく、費用対効果が低いのが「減税」。
対応コストが小さく、費用対効果が高いのが「現金給付」。
短期だと「現金給付」、2年以上の長期だと「減税」に軍配が上がるようです。
消費税へのスタンスは各党さまざま
消費税に対するスタンスをまだ明確に打ち出していない自民党。
ところが、参院選を控える参議院議員は「軽減税率0%」を訴えています。
他の政党はこぞって消費税減税を掲げているため、自民党内では意見が分かれているようです。
同じく与党の公明党も、減税と「つなぎ給付」を考えています。
対する野党各党の公約は…
立憲民主党は「食料品の消費税がゼロ%(1年間※その後の経済状況で2年間延長)」。
維新の会は「食料品の消費税がゼロ%(2年間)」。
共産党は「消費税一律5%」。
国民民主党は「すべての消費税がゼロ%(期限あり)」。
れいわ新選組は「消費税廃止」となっています。
大石「自民党はどういうスタンスで臨むのか?」
もし自民党が「消費税据え置き」でいけば、ただでさえ厳しい状況からさらに追い込まれると大石は予想します。
逆に減税を掲げれば、「消費税」の争点が消える効果も。
公明党の動きもポイントです。
所得制限を設けた自民党を促し、国民一律で10万円を配る案を以前、通させています。
大石「それができるかどうか、ですね。(公明党は)自分たちの存在感をどこまで出せるのか?」
夏の参院選が近づくなか、各党のスタンスがどのように変化するのか、注目されます。
(nachtm)
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