川上憲伸が語る「あの日の笑顔」中日スポーツが捉えた貴重な瞬間

CBCラジオ『ドラ魂キング』、「川上憲伸、挑戦のキセキ」は、野球解説者の川上憲伸さんが、自身のプロ野球人生を「挑戦」という視点から振り返るコーナーです。10月1日の放送では、川上さんが活躍した翌日の中日スポーツの一面を見ながら、当時の心境や普段は見せない笑顔の裏側について伺いました。聞き手は宮部和裕アナウンサーです。
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この記事をradiko(ラジコ)で聴くオチョア選手との歓喜の握手
2005年の開幕戦、横浜戦での1枚。アレックス・オチョア選手と高い位置でがっちり握手する写真には、試合中には見られない笑顔が写っていました。
川上さんによると、開幕投手が考えるのは「勝ちたい」というよりも、まず試合を作り、いいスタートを切ること。「監督にまず1勝を」という思いでマウンドに上がるのが通常だそうです。
しかしこの日は違いました。終盤になって、「自分が最後までマウンドにいて、なんとか勝利のウイニングボールを手に入れたい」という気持ちが強くなったといいます。
満塁でスリーボールワンストライクから、オチョア選手が狙い打ちしたストレート。犠牲フライでも十分だった場面で、満塁ホームランという最高の結果でした。
「僕のスーパーヒーローインタビューになる予定が、満塁弾で割り勘みたいな。アレックス・オチョアの方がどっちかっていうと、ぐらいのね。それぐらい嬉しかったですね」
福留孝介選手からのプレゼント
2004年6月23日、川上さんの誕生日翌日の東京ドーム戦。福留孝介選手が放った援護のホームランを、下から両手を上げて迎える写真が中日スポーツに掲載されました。
写真を見ながら川上さんは語ります。
「記事っていいですよね。記事を見ることによって、『これ、この時期だったんだ』とか、『この選手いたな』とか、そういうことが頭の中に蘇ってくるっていうのが、僕の中ではすごく貴重なことですね」
普段はマウンド上や試合中に笑顔を出すタイプではないという川上さん。
「よっぽど貴重なシーンだったか、もしくは自分がもう交代って言われて、その後、逆転で打ってくれたとか、勝利投手に結びつけてくれた1発になったとか、そういうことがないと笑うことないので、おそらくそういうシーンだったんじゃないかな」
実は、野球選手は誕生日にあまりいいことが起きないことが多いそうです。川上さんも負けたり打たれたりした場合は、「次の日からが誕生日の本当の年だ」と考えて切り替えていたといいます。
マウンド上でのジャンプ
2006年の日本シリーズで見せた、ガッツポーズを超えた「マウンド上でのジャンプ」。川上さんは「ジャンプって言っても3、4センチですよ、浮いてるのは」と照れながら話しますが、全身からあふれる喜びが印象的な1枚でした。
川上さんは「気持ちが正直なので、照れ隠しができない」と語ります。ただし、リラックスしている時にはガッツポーズは出ず、「やっぱり自分がちょっと追い込まれてるなとか、ドキドキハラハラしてる中で、ようやく結果が出た時に表現が出るのかな」と振り返りました。
オチョア選手との握手、福留選手のホームランへの歓喜、そして日本シリーズでのジャンプ。数々の写真を振り返った後、宮部は「現役の時、憲伸さんがこんなに笑顔を見せたのは、ゲーム後の束の間の時だけですからね」と締めくくりました。
(minto)
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