お笑いコンビ・TKOの木下隆行さんが先週『めざまし8』（フジ系）で、特殊詐欺の被害に遭いかけたと告白しました。10月下旬、石川県警を名乗る人物からの電話で出頭要請を受け、銀行口座残高や家族情報などを伝えましたが、後で確認したところ偽の電話だったことがわかりました。警察関係者によると、「電話による出頭要請はまずない、ビデオ通話に誘導したり個人情報を聞き出したりすることはない」とのことです。11月30日放送『北野誠のズバリサタデー』（ＣＢＣラジオ）では、北野誠が木下さんに電話で直接その時の模様を尋ねました。聞き手はパーソナリティの北野誠と加藤由香アナウンサー、大川興業総裁の大川豊です。

いきなり警察から電話が

木下さんが石川県警を名乗る電話を受けたのは、ある日の朝9時ごろ。

寝ぼけ眼で見知らぬ電話番号からの着信を受けると、「石川県警です。木下さんですよね？今から出頭できますか？」と言われました。
12時から仕事だったため「出頭できません」と答えると、「出頭できない場合は、今から言う対応をしてほしい」と言われ、促されたのがLINEの友だち申請でした。

もちろん「友だち申請」という軽い言い方ではなく、「石川県警（わ）ハシモト事件」といった、いかにもなワードでアカウントを検索させました。

木下さんも「出頭しなくて済むのなら」と思ったこと、そしてコロナ禍でZoomなどによるオンライン会議が急速に増えたため、「警察もビデオ通話を使って事情聴取をするのか」と思ったそうです。

ビデオ通話に出た相手は警察手帳らしきものを見せていたそうです。

かけられた容疑は？

木下さんにかけられた容疑は、「ハシモトダイスケという人間が詐欺で捕まり、家宅捜査をしたところ、Paypay銀行のカードが押収された。200枚あるうちの1枚の名前が木下さんのものだった。マネーロンダリングに使われていて、巻き込まれているのではないか」というもの。

木下さんはあらためて出頭できないと伝えると、周りに誰もいないことを確認するためにスマホのカメラを360度回させられた後、名前や住所、家族構成、預金残高を聞かれました。

通帳を取りに行って1円単位で伝えたところ、「記帳はいつですか？」と聞かれ、「8月です」と答えたところ、「今の分を教えてください」と言われてしまいました。

木下さんは銀行に行かなければならないため「めんどくさいです」と答えたところ、「木下さんは容疑者にかけられていて、冤罪にならないように力を貸してください」と強めに返されてしまいました。

騙されるかと思いきや、急展開

車のダッシュボードにスマホを置き、ビデオ通話をしたまま車を運転し、わざわざ銀行に行って記帳し、再度1円単位で報告しました。

すると相手から「あれ、木下さんってテレビに出られてますか？」と言われ、「そうです」と答えたところ、「今、ハシモトを取り調べしましたが、本部長が『TKOの木下さんは事件に関与してるのか』と問いただしたところ、無関係とわかりましたので無罪です」と急展開。

そして、電話を切られてしまいました。

この話を相方の木本武宏さんにしたところ、「それは詐欺じゃないか」と言われ、実際に石川県警に「ソガさんはいらっしゃいますか？」と電話したところ、「あなたもですか」と言われてしまいました。

すでに石川県警を騙る詐欺が何件もあるようです。

後から考えると怪しい

このまま電話をし続けていたら、どうなっていたのでしょうか？

木下「僕が発信者やからややこしいと思って切ったと思うんですけど、2つ考えられるのは、暗証番号を巧みに聞いてくる。

もう1つは逮捕状が出てるので、それを取り下げるために200万を振り込んでくれみたいなこと。ニュースをいろいろ調べたところ、そういう人がいました」

今回のやり取りで不審な点があったのが、「電話が切れてもかけ直してこないでください」と何度か言われたこと。

後から発信履歴を確認してみると、電話番号はアメリカ合衆国のものだったそうです。

北野「最後に、ラジオをお聞きの皆さんに」

木下さんはてっきり詐欺に遭わないための注意点をまとめに話すのかと思いきや、「残高だけ言うてくれへんか」と続けた北野。
思わず「何で言うんですか！」とツッコむ木下さんでした。
（岡本）