つながる道がなく眠ったままの橋「ゴーストブリッジ」 一体なぜ造られた?
全国の道に特化した番組『道との遭遇』では、道マニアがイチオシの道をご紹介。今回は、埼玉県と千葉県にある未完成の道“未成道”を巡りました。(この記事では道情報だけをまとめてご紹介します)
市境が複雑で時が止まっていた未成道
埼玉県川口市、東北自動車道をまたぐ川口市道幹線第55号線上に未成道があります。跨道橋を渡った先は行き止まりになっていて、その奥は砂利が敷き詰められたスペースが広がります。
100mほどの砂利道を挟んだ反対側には、また舗装された道が続く不思議な光景。道は存在しているのに、砂利の部分だけ立ち入ることができません。道の建設計画が始まったのは1970年代。50年以上も砂利の部分の建設だけがストップしています。
市の境界線が複雑に入り組んでいて、橋の部分と砂利道を挟んで反対側の舗装された道は川口市、砂利の部分だけがさいたま市で管轄が違うのだとか。
しかし50年が経過した現在、さいたま市も道路の建設に着手したとのこと。50年の時を経て、ついに動き出しました。周辺の未成道も工事が少しずつ進み、さいたま市土地区画整理協会によると2024年に開通予定とのことです。
道路より先に橋が完成!?つながる道がなく眠ったままの橋
千葉県船橋市にある千葉ニュータウンには、全国の中でも珍しい未成道があります。千葉ニュータウンは1960年代に建設が開始された、白井市・船橋市・印西市の3市にまたがる開発地。
首都圏最大のベッドタウンになる予定でしたが、用地買収の難航やバブル崩壊、少子化などの影響で住民が思うように増えず、開発規模は縮小。それに伴い道が完成しないまま眠っている場所があります。
それが、小室駅近くの国道464号に沿って伸びる橋。橋は完成しているものの、そこに合流する道がない状態でかなり年月が経っている様子。役目を果たせないまま封鎖されています。
当初は小室駅の線路脇に大きな道路が造られる予定でしたが、計画から45年以上経ってもいまだに造られず、その大きな道路に合流するための橋が先に造られてしまったのだとか。
道マニア曰く、ニュータウン開発当時は高速部が片側3車線、側道部が片側2車線、両側を合わせると合計10車線の超大型道路が計画されていたとのこと。それが千葉ニュータウンの目玉だったのにも関わらず、40年以上経っても千葉ニュータウンの計画が難航した煽りを受けたりして進展していません。
しかし最近は「都市再生」というプロジェクトが始まっているそうで、この橋も長い年月を経て命を吹き返すかもしれないとのことです。
いつか日の目を見るかもしれない未成道に、みなさんも思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
3月7日(火)午後11時56分放送 CBCテレビ「道との遭遇」より