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「戦力というのは首脳陣がつくるもの」落合博満・森繁和SP対談前編 常勝ドラゴンズを作り上げた二人だからこそ言える古巣への叱咤激励

「戦力というのは首脳陣がつくるもの」落合博満・森繁和SP対談前編 常勝ドラゴンズを作り上げた二人だからこそ言える古巣への叱咤激励
「サンデードラゴンズ」より落合博満元監督・森繁和元監督(右から)(C)CBCテレビ

【ドラゴンズを愛して半世紀!竹内茂喜の『野球のドテ煮』】CBCテレビ「サンデードラゴンズ」(毎週日曜日12時54分から東海エリアで生放送)

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名将と名参謀のスペシャル対談

球団創設90周年のメモリアルイヤー、そして2011年以来15年ぶりとなるリーグ優勝を目指し挑んだドラゴンズ2026年シーズン。しかし開幕から9年ぶりとなる悪夢の5連敗を喫し、スタートダッシュに失敗。その後もなかなか投打ともに戦力が揃わない中、成績は一進一退が続き、7月19日現在でチームは最下位に甘んじる状況。あの強いドラゴンズはどこに行ったのか?低迷が続く要因は何なのか?多くのドラゴンズファンはチームに対してかなりのフラストレーションが溜まっているに違いない。そこでサンドラは後半戦、竜の逆襲を期待する意味で、長年ドラゴンズを常勝チームに作り上げた落合博満元監督と名参謀森繁和元監督とのスペシャル対談を2週にわたり放送。今週はその前編。気心知れた森元監督の問いに、落合元監督は冷静沈着かつ論理的に現状分析、そして今、ドラゴンズに必要なモノは何かを語る。

野球は投手だよ

「サンデードラゴンズ」より涌井秀章投手(C)CBCテレビ

<テーマ1 今のドラゴンズについて>

開幕前、今年のドラゴンズはひと味違うと前評判は良かったものの、気づけば最下位に沈む現状。森元監督は固定されない“チームの主砲”でもある4番に問題を挙げる。(個人名は放送通りの敬称略で記す)

森元監督「開幕から4番を任されていた細川(成也)をちょっと打てなくなった時期に外したことがあった。4番を任せたら、故障ケガ以外は4番を打たせ続けた方がいいんじゃないかと感じるんですよね」

落合元監督「4番を打たせるなら、細川か(ミゲル・)サノーしかいないんだろうなと思う」

また他の起用についてもポジションによって、ずっと使い続けることができない苦言を森元監督は口にした。

森元監督「石川(昂弥)を使えば、福永(裕基)が使えない。ポジションによってずっと使い続けることができない、特に日本人選手が多い。田中(幹也)、石川昂、福永あたりは使い続けて欲しい。キャッチャーはある程度固定できたのは大きいですけど」

前半戦を見ていても、あと一本がでれば勝てた試合が多かっただけに、スタメンの固定化そして底上げが必要ではないかと持論を語る森元監督。そこに落合元監督が言葉をはさむ。

落合元監督「でもやっぱり野球は投手だよ」

そして森元監督へ逆質問。

落合元監督「お前、涌井(秀章)の使い方どう思う?二軍で投げられるんだったら、一軍で投げさせる投手じゃない?」

開幕当初、中西(聖輝)、櫻井(頼之介)両ルーキーをローテに組み入れ、高橋(宏斗)(*高ははしご高)、金丸(夢斗)も合わせフレッシュな先発ローテ陣を形成していたドラゴンズ。ただその考え方に警鐘を鳴らす。

落合元監督「涌井と競争させて力があるのであれば投げさせてもいい。将来的な事を考えて、若いから投げさせるというのは、どうも俺の中では分からない」

育成を含め早くチームの戦力にしたい、あわよくば試合をモノにしたい首脳陣の考え。一方しっかり競争させ、チームの勝利のためにはどちらを投げさせた方がベストなのかという勝利至上主義の落合元監督らしい考えが垣間見える。

森元監督「大野(雄大)、柳(裕也)が頑張っている。その間に若手を伸ばすことは必要だと思います。その合間、合間に起用するならば分かりますがね」

落合元監督「涌井をあと何年使うかだよ。二軍でしっかりローテ通りに投げているのであれば、二軍で投げさせる投手じゃない。一軍で駄目なら“お疲れさまでした”となり、そのタイミングで新しい投手が出てくるのはいいけども。まあ、井上(一樹)監督の使い方次第ではあるけど、オレだったら涌井使うよ。お前もそうだと思うよ(笑)」

勝ち試合は確実に拾っていかないといけない

さらに落合元監督からの逆質問は続く。

落合元監督「お前が今、投手コーチだったら中6日で先発投手を登板させるだろ?100球ぐらいで代える?」

森元監督「そこは今と昔の違いというか。セットアッパー、クローザーは勝ちゲームだけだからいいけど、それ以外の投手はどこかで歪みが出てくる」

通常中継ぎ投手は6人を登録。勝ちパターン、負けパターンで中継ぎ投手の出番は変わる。ただ競っている試合展開によっては、勝ちパターンの投手も投げざるをえないのが現状だ。

落合元監督「抑え投手も連投させるだろ?」

ここ数年、球界の常識では抑え投手の3連投は故障につながるため、どのチームもよほどのことがない限り投げさせていない。

森元監督「勝っている試合は全員3連投の準備をしているはずだと思っているんだけど、今は休ませている。勝てる時には勝っておかないと」

落合元監督「当時は勝ち試合の連投は当たり前だった」

森元監督「1カードで3試合連投がありえるかなという事はずっと考えていましたけどね」

落合元監督「負け始めたら一週間、二週間投げられないという中で、勝ち試合を確実に拾っていかないといけないという事が今は見えていない」

故障を考えていての起用という声も出そうなところだが、そこには落合元監督の持論があった。

落合元監督「故障を怖がってやっていたら、野球にならない」

この考えには賛否両論出てきそうだが、現場を預かり、勝利に徹する監督であればもっともなる考えであり、今のドラゴンズに欠けている部分でもありそうだ。

ケガをするのは体力がないから

<テーマ2 今の選手について>

森元監督「(指導している時と異なり)今の選手はキャンプまでの時間の過ごし方がちょっと違うなと。キャンプに入ってくるまでに状態を上げてきているのか分からない。始まってから形を作り出そうとするので、キャンプの時期に必ずケガをしてしまいますよね」

森元監督の話に頷きながら落合元監督も言葉を続ける。

落合元監督「ケガをするという事は体力がない。練習量が足りないんだ」

今シーズン、昨年最下位に沈んだ東京ヤクルトスワローズの躍進ぶりが目立つ。落合元監督はかつて情報番組でその理由のひとつにキャンプ6勤1休を挙げていた。シーズンはおよそ1週間に6試合を消化させる。それをキャンプ時からシーズンに合わせた準備をし始めたということだ。これはまさにドラゴンズ監督時代と重なる話でもある。

落合元監督「(練習を)やらせる事よりも自分たちでこの世界に生き残るためには何をしなきゃいけないのかという事を考えられる選手が多ければ多いほどチームは強くなるんだろうと思うけどね」

レギュラー枠が固定していそうで固定されていない現状、選手は何を思い、日々プレーしているのか。落合元監督の重いこの言葉をどう受け止めるのか聞いてみたい。

戦力というのは首脳陣がつくるもの

「サンデードラゴンズ」より落合博満元監督(C)CBCテレビ

そして前編最後は不振が続くチームのまさに核心をつくテーマとなった。

<テーマ3 今の首脳陣について>

森元監督「今の首脳陣、見た感じはどうですか?」

笑みを浮かべながら答える落合元監督。

落合元監督「ほとんど見ていない。首脳陣がどういう事をしているのか皆目見当がつかない」

見聞きしている情報量の中で落合元監督は今のドラゴンズに足りないモノを指摘した。

落合元監督「シーズンを戦う中で戦力がないとは言っていないでしょ?昨年、一昨年あたりは戦力が足りないとチラホラ聞いてはいたけどね。戦力というのは首脳陣がつくるもの。70人なら70人という枠があるわけだから、それでどうやって選手を作り上げて、試合に臨むかという事。メンバーがいるが戦力がないというのは戦力に育て上げられなかった首脳陣の責任」

落合元監督自身も今と昔の時代背景の違いは認識している。常勝時はやらなければやらすことができたし、許された。

落合元監督「ただ、今は練習をやらそうと思っても、選手個人の意見が強いと耳にするんでね。首脳陣と選手でギャップがあるんじゃないかと思う」

思えば落合新監督として指揮をふるい始めた2004年のキャンプ。打撃力を上げるために最初の2週間はほぼバッティング練習しかしなかったという徹底した指導を見せていた。それはまさに足らないのならどうやって手を打っていくのかという首脳陣の考え方。

落合元監督「今は“これをやったらどう思われるんだろうか”というものが先になってきて、手を打たなきゃいけないところに手を打っていないというのがあるのかもしれない」

まさに最後の言葉にチーム立て直しのヒントが隠されているような気が。まだまだ古巣復活への金言が残されていそうだ。来週の後編に続く。

がんばれドラゴンズ!
燃えよドラゴンズ!

竹内 茂喜

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