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井上竜は自力優勝が消滅、今後は石川・鵜飼・石伊のスタメン“必需”の理由

井上竜は自力優勝が消滅、今後は石川・鵜飼・石伊のスタメン“必需”の理由
井上一樹監督(C)CBCテレビ

早いもので2026年(令和8年)も半分が終わった。そんな6月の最終日、井上ドラゴンズもペナントレース折り返しとなる72試合目を迎えた。そして、早くも自力優勝が消滅した。(敬称略)

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主導権はドラゴンズ

阿部寿樹選手(C)CBCテレビ

甲子園球場で迎えた阪神タイガースとのカード初戦、ドラゴンズは良いゲーム展開をしていた。2回には石川昂弥が先制のタイムリー。先発のカイル・マラーも、このところの安定感を裏付けるピッチングで、タイガース打線を無失点に抑え続けた。6回裏に、3番の森下翔太に弾丸ライナーの同点ホームランを打たれたものの、まだまだ主導権は渡していなかった。8回表には、井上一樹監督の代打策が的中し、2番の山本泰寛に代わった阿部寿樹が、初球を見事なタイムリー2ベースを打ち、再びリードを手にした。

もう1点が入らない

しかし、ここからの詰めが甘かった。1点リードした後、3番の村松開人がヒットで続いた1死2、3塁のチャンスに、4番の細川成也と5番のミゲル・サノーが凡退し、追加点を挙げることができなかった。その裏に、12試合連続無失点中のリリーフ、吉田聖弥がマウンドに上がったが、1点を許して再び同点になった。クリーンアップで、もう1点でも2点でも取っていれば、完全にドラゴンズペースの試合になったはずだ。

“異例の”松山投入だったが・・・

松山晋也投手(C)CBCテレビ

延長戦に入り、井上監督はこれまでとは違った采配を見せた。同点での松山晋也“投入”である。アウェー(敵地)での試合の場合は、最終盤にリードしても“裏”に相手の攻撃が待っている。井上監督は今季ここまで頑なに、リードするまで松山を使わなかった。

しかし、この夜は違った。2番から始まるタイガース打線についに同点で“切り札”を出した。その松山が、森下にサヨナラホームランを浴びた。2日前の東京ヤクルトスワローズに続き、2試合連続のサヨナラ負けとなった。松山を温存しても負け、松山を使っても負け。ドラゴンズの借金は再び19に増えて、自力優勝が消えた。

鵜飼と石伊のスタメン外れ

鵜飼航丞選手(C)CBCテレビ

“野球の神様”の微笑が曇ったとするならば、それはスタメン発表の瞬間ではないだろうか。竜党としてもがっかりした。鵜飼航丞と石伊雄太が先発メンバーにいなかった。鵜飼は5年目の今季、春季キャンプで「ロマン砲は卒業です」と本人が宣言したように、スラッガーとしての可能性を存分に見せている。

石伊雄太選手(C)CBCテレビ

石伊は2年目、ドラゴンズ待望の「正捕手」の座を確立するシーズンであるはずだ。井上監督も昨季の後半戦から「キーマンは石伊」と言い、期待も高かった。2人共にベンチ入りしている。なぜスタメンで使い続けないのだろうか。

若竜に必要な継続起用

石川昂弥選手(C)CBCテレビ

もうひとり石川昂弥は、このところスタメンでの起用が続く。この試合でも先制タイムリーを打つなど、結果を残しつつある。鵜飼も石伊も、石川と同様に20代半ばであり、何より大切なことは、いかに場数を踏むか、その試合経験であるはずだ。しかし、井上監督はそれを継続しない。6月24日の横浜DeNAベイスターズとの試合でも、7回2死1、3塁のチャンスで、2番に入っていた鵜飼に、代打の阿部を送った。もちろん、鵜飼の実力がそこまでではなかったという現実はあるだろう。しかし、勝負の場、試練の場を与えてこそ成長はやって来る。

明日のドラゴンズに向けて

阪神タイガースに対抗できるのは中日ドラゴンズと、シーズン前に高い評価を受けながら、ペナントレース折り返し点を迎えてなお、最下位が続いている。けがをした戦力もほぼ戻ってきている。「とにかく借金を返す」「目の前の1勝」と井上監督はくり返すが、その原動力として“若い力”を活用しないことが残念である。要するに、ベンチの腹のくくり方なのである。石川、鵜飼、そして石伊、この3選手はスタメンで使い続けてほしい。今日がなければ明日は来ないと言うが、明日をめざすからこそ今日のパワーが出ることもあるはずだ。

自力優勝の可能性は、いったん消えても勝てば戻ってくる。90周年を迎えた球団史の1ページに井上監督は何を刻むのか、何を刻もうとしているのか。ドラゴンズでプロ野球人生をスタートした“OB指揮官”のチーム愛と手腕が問われる夏を迎えようとしている。
                                                            
【CBCマガジン専属ライター・北辻利寿】

※中日ドラゴンズ検定1級公式認定者の筆者が“ファン目線”で執筆するドラゴンズ論説です。著書に『愛しのドラゴンズ!ファンとして歩んだ半世紀』『竜の逆襲  愛しのドラゴンズ!2』(ともに、ゆいぽおと刊)『屈辱と萌芽 立浪和義の143試合』(東京ニュース通信社刊)ほか。

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